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僕の海馬を君に贈りたい  作者: ハイドランジア&シーク
【第四種「ミントの種」―死にたがりのパラドックス―】
125/172

「ーーだからどうか、教えてください」

「……理由が分かるんですか?」


「いいや。


 私に分かるのは君が知る彼女だけだ」


「それなら放っておいてください。


 どうせ、お姉さんはもう……」


 戻らない。


 その言葉を遮るように由野さんは

 カウンターから身を乗り出して、


「――ただね、君が知る彼女には

 どうしても君の主観が入ってしまう。


 こうであってほしくないだとか、

 こうあってほしいだとかいう私情なんかがね。


 しかし私には彼女に対する先入観が少ない。


 その分だけ、第三者視点で

 事実から隠された答えを推測できるのかもしれない。


 それでもいいなら、聴かせてくれるかい?


 彼女の詳しい話を」


 優しいのに甘くない答えを聞かせてくれた。


 苦くはないけれど、

 茶漉しに残った残り滓のような真実を、

 爽やかに鼻腔を通り抜ける

 ハーブティーのように暴かんとして。


 これだから由野さんから離れられないのだ。


 僕は未だに甘い物は好きではないけれど、

 彼女の作るものなら食べたいと思う。


 それと同じように、

 彼女が暴いた答えならどんなに苦くて辛くても、

 受け容れられるような気がするから。


「……はい。


 憶測で構いません。


 由野さんの出した答えなら、

 受け止められると思いますから

 ――だからどうか、教えてください。


 お姉さんがどうして死を選んだのか」


 お姉さんにとって、僕が些末な存在だったとしても、

 僕にとっては光だったから。










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