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僕の海馬を君に贈りたい  作者: ハイドランジア&シーク
【第三種「受容の種」―自分を受け入れる―】
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恋を知りたい

「どうして好きって気づいたの?」


「ずっと一緒にいられるって思ってたけど、

 そうじゃないって知って、

 『一緒に』じゃなく、

 『傍に』居たいって気づいたのかな。


 でも、結構無意識のうちだったから、

 自分が思うよりも前から好きだったのかもしれない」


 己の恋心を語る鈴木は、夏の陽射しのように眩しくて、

 いつしか僕は目を伏せていた。


 僕にも彼女がいたことはあるが、

 それは相手から告白されたものだったし、

 恋だったかと訊かれると正直自信が持てない。


 可愛いな、と思うことはあっても、

 「ずっと傍に居たい」と想うほど

 好きだったわけではないんだ。


 だから、彼女が欲しいという欲求よりも、

 恋を知りたいという欲求の方が強い。


 胸を焦がすような想いなんて知らない。


 胸を劈くような思いなら体験したことはあるとしても。


 突然だけれど、僕の誕生日は九月七日だ。


 新学期に突入してから、約二週間後だった。


 親からの誕生日プレゼントは現金五千円をもらった。


 高校生にもなると、そっちの方がありがたくなる。


 妹のなずからは、小銭用の財布をもらった。


 兄の誕生日にお金を貯めて、

 こういうプレゼントを贈ってくれるのは

 兄的に好感ポイントが高い。


 それなら、なずの誕生日には

 いいものを勝ってやれねばと思ってしまう。


 我ながら、単純で扱いやすい兄である。


 誕生日ケーキは毎年恒例の

 老舗のケーキ屋で買ってもらっている。


 誕生日と言えば、これなんだ。


 甘いものが苦手だったとは言え、

 ここのケーキは好きだった。


 牛乳っぽい味のクリームがくどすぎず、

 卵をふんだんに使用したふわふわのスポンジに、

 散りばめられた色んなベリーとが混ざり合って、

 僕の舌を悦ばせ続けてきたんだ。




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