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第九話 「悩むことと、神殿に駆けこむ理由」

 じいちゃんといっしょにエンヤコラ~♪ と船でラックスへ。

 市街地付近の川辺。衛兵だ~! おじいちゃんとジョージさん、説明よろしく~! んで、表向きタイホ。……実はおじいちゃんは衛兵所の上の人と知り合いだって。すごーい。

 そんで、すぐに釈放されたので宿に。はり? おじいちゃんは? 飲みに行った?


 「ここまでくりゃ、もう大丈夫だろ、じゃあな、俺っちは仕事に戻るぜ!」

 「これまで、ありがとー!」


 ジョージと別れて、ポケ~っと過ごすこと4日目。ゲイル戻って来ないね~。おじいちゃんも~って、あ!

 

 「私の道はここに有る、と精霊が言っています」

 「あ、フェイルくん。どこ行ってたの?」

 「ヤボ用ででした。と、精霊は言っています」

 「ふーん。…あ、おじいちゃん!」

 「ふぃ……、やっと、後処理が終わったわい」

 

 お帰り~。でも四日も帰らずにどこに居たのおじいちゃ~ん?


 「後処理だ。それと仲間探しをしていた」……? どして? 衛兵のお偉いさんから頼み事をされた? どんなこと頼まれたの?


 「ここ、ラックスから一泊程度の距離にローサイル修道院がある」


 何のそれ? 女の駆け込み寺? そこの責任者のテリシアさん宛に手紙がぺしっと投げ込まれた?


 「祖国を裏切り、亡国に導いた売国奴に制裁を!」


 そんで、秘密裏にその事件を解決して欲しいとの依頼。

 バイコクド? 何? どゆこと? テリシアさんが? 説明プリーズ!


 テリシアさん。元は、ブライ(戦争で滅んだ国)の貴族。そんで、亡国前、政略結婚が嫌でローサイル修道院に駆け込んだらしい。

 ここからは噂だけど、それに呼応するようにラックスから対戦相手の剣王国“リュクセード”にブライの情報が漏洩。それが原因でブライはリュクセードに破れた。


 だから、後にテリシアさんは売国奴と呼ばれるようになったらしい。情報漏洩の真偽は不明。


 ブライは傭兵の国?……嫌そーな国だね。

 そんで、現在はローサイル修道院の責任者になり、平和に暮らしてるとのこと。


 依頼として、ローサイル修道院はラックス領内にあるけど、自治区みたいな扱いになってて中立を信条としてるそうで、今回の件でもラックスとして表立って協力することはできない。だからこそ、秘密裏に信頼できる冒険者……オルガさんの紹介で、おじいちゃんに依頼が来たそうです。


 (オルガさんは、カイラルさんと同じく、おじいちゃん現役時代の戦友だって、ついでにグラッドさんも……世間って狭い?)


 おじいちゃんいわく。ローサイル修道院は男子禁制。だから、女性の冒険者を探していたって……、僕は? ね、僕は!?


 「……多少不安じゃが……、しかたないの……」


 じゃ、行ってくるね~! で、どうするの? 僕くらいしか修道院には入れないけど?


 「イリスだけじゃ不安だ」


 と、グラシア君も同行することに。で、ミュッカは街や付近で情報収集することに。


 期限は1週間ほど。それまでに解決しなくても、おじいちゃんが手配した他の冒険者が引き継ぐから無理はしないようにとのこと。

 一日かけてトテトテと修道院に。到着。で、グラシア君はどうやって入るの?

 

 「眼を惑わし、触を欺き、耳を塞ぎ、鼻を遮る。我が姿、祖は偽りなり! 擬態モーフィング!」 ボスッ!


 女になった!? 魔法? 便利だね。


 「女になったらイリスよりも胸が大きくなった」

 「……ッ!!」


 無視。で、修道院を訪問。グラシア君が理由を適当にでっちあげる。グラシア君いわく、グラッドさんごめんなさいだそうで、どんな理由にしたんだろう?


 翌日。ミュッカの方は街で情報を集めた後、修道院に。途中、フェイル君と遭遇、合流。二人で修道院へ。でも、追い返される。


 「ここは、男子禁制の修道院。いかな理由があろうと、男を通すことはできない!」

 「誰だみゅ?」

 「この修道院の聖騎士パラディンの一人。カーレン・ウィンティー。覚える必要は無い」

 「分かった忘れるみゅ。そんで、やっぱ、入っちゃだめみゅ?」

 「駄目だ」

 「先っぽだけで良い、と精霊は言っています」

 「その精霊、りっしんべん方じゃないかみゅ?」

 「……騎士の前で猥談とは良い度胸だ。そこに直れー!!」

 「みゅ!?」

 「ここは引くべき、と精霊は…って、危なっ!?」


 しかたないので近くの村へ。途中、傭兵っぽい人を目撃。とりあえず村に。聞き込みするも村人の様子がおかしすぎ。


  「わ、わたしは何も知らないアルよ!?」

  「よ、傭兵なんて、どこにでもいるんじゃないかな? たぶん、きっと!」

  「私は善良で、平凡な村人です。やましい事など、何一つございません」

  「す、すまない。急いでるんだ! あー忙しい、忙しい!!」

 

  「これは怪しいと、精霊は言っています」

  「精霊に聞かなくても、十分怪しいみゅ~」


 たまたま来てた、旅商人に話を聞く。なんか、デコッパことヴァイスさんぽい人が北に向かったとのこと。ふ~ん……。

 と、とにかく手がかりを~。奔走するミュッカとフェイルくん、でも村人は口を割りそうにないし……とりあえず森に……。


 車輪の跡発見。とりあえず追跡。古い砦を発見。人がたくさん居るっぽい。見つかったらヤバげ? 転進~戦略的撤退~!


 残り期日は三日~。


 それから僕らの方は、修道院内で、お勉強したり雑用したり色々しながら情報集め。


 「テリシアさんは責任感の強い方ですよ?」

 「売国奴……そう言う見方もありますね……でも、その事を責めることに意味があるのでしょうか?」

 「この修道院の守りは完璧よ。なんたって女性でありながら、聖騎士であられるカーレン様が居るのですから!」

 「私がこの修道院に来たのは、父に無理やり結婚させられそうになったからです。でも、その父が先月、死んだと聞きました。私は戻るべきなのでしょうか?」


 ……ベルギスの娘さん?


 色々冷や汗。テリシアさんと接触。おなじ戦神信者らしい。説教受けつつ接触。

 テリシアさんいわく、脅迫に屈しない。自分が間違った事をしたとは思わない。間違ってるのはむしろ、女性を政争の道具にしか使わない風潮だと。


 ……むずかしい話、僕には???


 さて、最終日。とりあえず外に。ミュッカたちと合流しないと。近くに村? じゃ、たぶんそこに居るね。移動~。


 村に到着。見た顔発見。お久し~♪。 どうだった? 砦? じゃ、そこに行ってみよう!

 ミュッカ&フェイル君の忍び足~&グラシア君の幻影魔法~。さらに精霊さんのお手伝い~風精の囁き(ウィスパー)で盗聴~。


 「ガッシュの大将はどうしてるだろう? 上手くやってるかな?」

 「さあな。だが、心配はいらんだろ」

 「でもさ、これだけ人数居るんだ、力ずくでも楽勝だろ?」

 「ああ。楽勝だ。で、それに意味あるのか? 神殿全部を敵に回したいのか?」

 「……」

 「しかし、あいつは何なんだ? えらく不気味だが」

 「スポンサーじゃないのか?」

 「で、牢の奴はどうすんだ?」

 「大将の指示待ちだな……」


 フェイル君たちが戻ってくる。

 結果、砦の中には40~50人くらい、傭兵さんがいっぱい居るっぽい。

 どうしようも無いので修道院居戻ろうか? で、戻る途中。数人の人が馬を飛ばして前方からこっちに来ました。


 「あれは……司祭様!!」


 馬の背に乗ってるのは気絶してるっぽいテリシアさん。即座にグラシア君が馬にスリープミスト(最近、多用してるよね)

 ボトボトと数人の傭兵とテリシアさんが落下(テリシアさんは、続けて唱えた軟着陸フェザーフォールで保護)

 でも、一人、リーダーっぽいのは、ひらりと着地。 抵抗レジストされた?


 「何者だ? 修道院からの追っ手か?」

 「司祭様を帰せ~!」

 「……いずれにせよ、敵だな」


 戦闘開始だ~。先ずはミュッカ。速攻でテリシアさん確保!

 続いてグラシア君のハイエンチャって、敵、速っ!?

 

 「せい! ハッ!!」


 ミュッカに突進するリーダー。ミュッカは何とか回避。

 たしか、砦での話に「ガッシュ」って出てきたね……。


 「ガッシュ?……剣王国“リュクセード”の拳闘士。疾風のガッシュか?」


 知識人いわく。疾風……って、人間最速の男なのね。

 と、とにかく倒せ~!


 ガッシュと相対するのはミュッカとフェイル君。大丈夫かな?

 僕とグラシア君は他の傭兵たちを相手する。


 突撃ー!! ローガさんに習った剣術でしげみごと傭兵ズを一閃!!


 「ニ辻目ノ太刀! 草薙っ!!」

 「うがっ!?」

 「ぐあっ!?」

 「あべしっ!?」

 

 そこに、グラシア君の光弾エナジーショットが分裂して追撃!

 

 「弾けよ光! 光弾エナジーショット! 道理に逆らい、数多の敵を討て! 分裂スプリット!」


 フェイル君は無難に後方に退避しようと移動。


 「下がれば大丈夫だ、問題無い。と、精霊は言ってます」


 そこで、入れ替わるように、ミュッカが果敢にアタック。でも当たらない!?

 

 「いっくみゅ~! …って、早いみゅ!?」

 

 さらに、ガッシュ。ミュッカをいなして、下がろうとしたフェイル君にマッハで近づいて……腕を捻り上げ…頸動脈を締め……って、関節技!?


 「狙うは術師。先ずは、一人!」


 はい? フェ、フェイル君? 痛そう……。カンセツワザって死なないよね? あれ? 確か、フェイル君、不死鳥の涙石|(端的に言うと、痛みとかで気絶とかしなくなる)を持ってなかったけ?


 「精霊は言っています、ここで死ぬ定めではな……あばばばばば!?」

 「……何故、落ち(失神し)ない?」


 ごうもん? あわれ……。


 よし、ガッシュさん以外倒した!! テリシアさんも確保!

 あ、交渉してきた。

 

 「くっ、ここまでか……、部下を見捨てたくはない、取引しないか?」


 なになに、テリシアさん連れてって良いから下がれ? で、部下を解放しろ?

 なんか涙目で、泡吹いて痙攣してるフェイル君を解放してくれるなら……。


 あと、殺しちゃったのはごめんなさい。で、生きてる人に纏めて、集団回復ヒーリング・ファイを唱える。


 そして、そのまま撤退。一応ミュッカが、フェイル君の身を案じて、忍び足で追跡。でも、その必要もなくフェイル君は開放された。

 そんでガッシュは、部下とともに砦の方に去ってった。


 「……私怨は晴らせなかったが、目的は果たした」


 何のことだろう?


 さて、フェイル君が戻ってきたころ、テリシアさんも目を覚ます。

 僕らを見ての第一声。


 「……まさか、あなたたちが手引きを!?」

 「……鎮静ダウナーいる?」


 混乱してる。とりあえず説明しようとすると……。


 「聖杯は!?」

 「はい?」


 聖杯? 神器と言う名の魔法の品で、注いだ液体を無毒化して飲み水に変える効果があるとか……ガッシュ!!

 追いかけれるようなら、追いかけよう……。


 さて、テリシアさんが落ち着いた所で事情説明してもらった。


 いわく、修道院の玄関口に、数人の男たちが来てちょっとした騒ぎになった。

 騒ぎを聞きつけたテリシアさんが仲裁に向かおうとした所、通路脇から出てきたガッシュにドスッっと気絶させられ、現在に至ると。


 とりあえず、修道院に戻る。フェイル君たちは修道院前に集結してたテリシアさん奪還部隊に囲まれ針のむしろ状態に……。

 さて、とりあえずテリシアさんの説明とグラシア君(女性化済み)の説得で信用してもらったけど、一応、修道院を出ることに。

 それから、ラックスに戻る前に、例の村に寄り、砦の様子を聞く。


 どうやら、砦を棄ててどこかに移動したらしい。北? 鉱山窟“ガルバイ”?


 ラックスに報告に戻る。おじいちゃんは? いない? 僕らに依頼した後、またどこかに行った? 北か東? 僕らはガッシュを追って北……ガルバイに。

 おじいちゃんに会えるといいな~。


 ―――

 ――

 ―

 

 どこかの商店。

 

 「……と、言うわけです。坊ちゃん」

 「事情は理解した。が、マーカス。坊ちゃんは止めろ。ゲイルで良い」

 「それで、手伝って頂けますのですかな?」

 「気は進まないが、放置すると何人か首吊るハメになりそうだからな……、むしろ手伝わせろ」

 「さすがは坊ちゃま。お優しい」

 「だから、止めろと言っただろ……しかし、鉱山の買収ね。そこまでして鉄が要るってことは、どこかで戦があるのか?」

 「ブライの亡霊ですよ」

 「……リュクセード。いや、親父も関わってるのか?」

 「それを知りたいのでしたら、道楽をやめ、屋敷に戻る事です」

 「チッ」

 

 クマさんは、クマさんで色々あったようですが、僕はまだ、それを知りません。


登場人物

 テリシア(女)ローサイル修道院の院長。戦神の高神官。祖国を滅亡へと導いたとされてるが、真偽は不明。

 カーレン・ウィンティー(女)正教神殿の聖騎士。修道院の警備主任でもある。男嫌いでは無いが、警戒心は強い。

 ガッシュ(男)リュクセードの剣闘士。正確には、剣闘士奴隷。亡国となったブライが誇る、迅雷傭兵団の団長。

 迅雷傭兵団員(男)黒豹の手引きで、ガッシュを闘技場から救出した、元団員達。国の復興は諦めてるが、復讐は諦めてない。


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