神刀"空"、その真の名は……。
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前回のあらすじぃぃぃぃぃい!!!
『科学者!』
『深淵の血痕!』
『さて、合わせるのは誰でしょーか?』
のどんっ!ι(`ロ´)ノ
はいっ、どうも~。
またまたリナです!
さて、今私達は何をしているのかというと……。
「息子を助けていただき、ありがとうございましたっ」
……はい。
シキさん達に助けられて、無事に『大樹の郷』にある私達の屋敷に戻ったのはよかったけど、お母さんに部屋から抜け出した事がバレてしまい盛大に怒られてしまったのです。しかもシキさんとアルさんの前でね。
本当ならシキさんの力を使ってもらえばバレずに済んだんだけど……。シキさんったら、『怒られてこい』と言われて真正面の玄関から入ることになっちゃった。まあ、お母さんは私達がいなくなった事に気付いて家族総出で捜索する前だったので……うん、シキさんの言う通り、怒られた方がいいよね。迷惑やら心配やらかけちゃったし。
そして、今。
お母さんはシキさん達に頭を下げて感謝していた。シキさん、あのヤバいやつに襲われかけた事まで言っちゃったし。ヤバいやつのことは伏せてたけど、まあモンスターに襲われたよーみたいな?それを聞いたお母さんは……恐かった。最初は怪我は無いかとかだったけど、それが済んだ瞬間は般若が……。
『こ、ここここ、こわっ、こわかっ、た……』
そうだねー。
あ、リナ君、漏らしてないよね?
『だ、だいじょーぶだよっ』
ほっ。
ならよかったーーー。
「こら、リナもシキさんとアルさんにお礼いいなさい!」
「あ、ありがとうございましたっ」
いやー、ほんとに恐いよ。
やっぱり母は強し、ってか?
すると家の玄関から誰かがここへと来た。その人物とは私達の同じツンツンした黒髪に、そこから犬の耳がひょっこり生えている男だ。年齢は30後半。
初めて見た獣人が、男って……。
なんで男の娘やショタっ子、美少年じゃないのさー!!!
『そんなのボクにいわれても……』
あ、うん。リナ君が悪い訳じゃないさっ!というか誰のせいでもないけどねっ!ただの私の我儘っ!
するとその犬の獣人の男は般若姿のお母さんに「まあまあ」と言いながら私達の元へと来ると、ワシャっと頭を撫でられた。まあ、嫌な感じはしない。
何か、見た目が少し厳ついからか怖そうなイメージだけど……子供が好きなのかな?
「助かったからいいじゃねぇか。確かにこの坊主はあぶねぇ事をしてしまったがな。……ま、こういう事になっちまったのはーーー」
家族やシキさん達に見られながら撫でられながらその犬の獣人は、一瞬間を置いて私たちにこう言った。
「……坊主、その自分の黒髪は嫌いか?」
そんな突然の問いに、お母さんや後から来たお父さん達も含めて緊張した雰囲気になってしまう。その事はリナ君自身は気付いてはいない。わかったのは私だけ。
その犬の獣人の男の問いにリナ君は即答する。
「嫌いじゃないよ?」
リナ君の純粋な返答に呆気をとられた獣人の男だったが、直ぐに「そうか」と呟いてまた頭を撫でられた。うん、ちょっと前より荒いね。
「今回そんな怖い目にあったんだ。今は休ませた方がいいと思うんだけどよ。その後でも説教しても遅くわねぇんじゃねーか?勿論、付きっきりで見てやってな。なぁ、そこの二人の嬢さんもそう思わねーか?」
その獣人の男は、シキさん達に同意を求める様にこう言うのだが、シキさんはその発言に一つ否定を入れたのだ。
「……嬢さん?いや、俺は男なんだが」
「「「「え?(は?)(ふぇ?)(あ?)」」」」
……え?
あっれー?
私の耳が可笑しくなっちゃったかなー?
……シキさん、が、男?
『う、うん。いま、男だって……え?あ、え?あ、え?』
あららー。リナ君パニックってる。
シキさんが男だと明かした瞬間、アルさん意外にそこにいた人達は同じ心境だっただろう。
いや、どこからどうみても女だよね?しかも絶世の。加えてオーラというか雰囲気が女性のあれよ?もう、前世の私、全てにおいて敗北してる……あ、一つだけ勝ってるよ!胸っ、胸は前世の私の方が勝ってる!前世の私はCだったから!シキさん Aのペチャパイ……ううんっ、無乳だからーーー。
『なっ、もう一人のボク!?し、信じられないのはわかるけど、シキさんは男だってーーー。……え、でも本当に男なのかな?』
……私もまぁまぁパニクってたけど、リナ君も相当だねっ!
シキさんが男だということは……アルさんは、女性、だね?
うんっ!
シキさん、容姿が絶世の美少女な、男の娘!
もう一度言うよ?
オ・ト・コ・ノ・コッ!
にゃー!
抱かれたいッ!
『うんっ!』
え、いや、リナ君?
いま、うん、て……。
「そ、そうか。嬢さん……じゃねーんだな。まっ、いいさ。じゃっ、俺はいくぜ」
そう獣人の男は用事を終えていたらしく私達の敷地から出ていこうとする。が、その前に獣人の男は私を一瞥するとその後ろにいる……お爺ちゃんに向けて言う。
「また来るぜ、『アルフィ』?」
「『ガルロ』……私は……」
「構わないさぁ。別に強制する訳じゃねぇ。ただ、俺は救いたいんだよ、お袋をよ……」
「……。」
「じゃーな」
そう言い獣人の男は去っていった。そしてお爺ちゃん、アルフィお爺ちゃんはその獣人の男、ガルロさんが言った内容の最後らへんは聞き取れなかったけど、その事に対して考え込む様な表情をしていた。いや、もっと前から考えてはいるが未だに答えを出せないような……。
そして私達はガルロさんからの指摘があった事により、まだ日は出ているが自室で休むこととなった。
勿論、お母さんが付きっきりでねっ!
~~~~~
リナが部屋に休みに行った後、シキとアルはリナの母親から恩人として家でもてなしたいと申し出があったのだが、それを丁重に断った。だが、どうしても何かお礼がしたいということで、一見さんお断りな高級な宿屋を紹介してもらいそこで泊まることとなった。
その宿屋は木造で、日本の様な旅館を連想する様な造りだ。一室一室が広々としており、ベランダは開放的な空間となっている。
時は既に日は落ちて、闇夜の静けさが辺りを支配していた。
その宿の一室にある寝床で、シキはアルを外部から身を守る様に抱き締めて眠っていた。そして抱き締められているアルはシキの胸に埋めている。
互いに服は一切着ていない。
だが、今のシキは狐の獣人族になっており、九つの尾がアルとシキ自身の身体を包み込む様にしているので無防備という訳ではない。何故二人が裸なのかは、御想像にお任せしよう。
そんな中、アルは何か気が付いたのか目覚める。そしてシキの顔を見て、そして理解する。
今、シキが何者かと対話していることを。
そしてその何者かが、誰なのかと。
前にシキが話していた事を思い出す。
その話の内容とは、シキの武器の一つ『神刀"空"』の事だ。そもそも、『神刀"空"』というのはシキがそう呼んでいるだけであって本当の名ではないのだ。
かつて、大空に君臨する龍がいた。
その龍は、ある一人の人物の者のみにしか従わず共に強大な敵を討ち滅ぼしたとされる。
その龍の力は凄まじく、天変地異を引き起こす程。
その龍は、ただの龍ではなく、主の武器として戦ったという。
その戦いは全世界を巻き込む程で、苛烈を極めた、世界を救う戦いでもあったらしい。
戦いは、その龍の主の命を引き換えに、勝利した。
しかし、龍は悲しんだ。だが、誇らしくもあったのだ。
自分の主は、世界を救った存在だと。そんな存在と共に戦えた事を。
けれども、やはり、主を失った龍は悲しかった。
龍は、その悲しさから逃れるためなのか。それとも、また世界を危機に陥れようとするあの強大な敵が現れる事を予知してなのか。その真意は不明だが、龍は己の力を七つに分けて、それぞれに新たな生命を生み出した。
一つは樹木を司り、武人の様な甲冑を纏う『緑剛龍ヘルクガム』。
二つは水を司り、海人族達を守る母なる存在、『青水龍アクアリウス』。
三つは毒と薬を司り、癒し、殺す、を得意とする優しき存在、『紫毒龍ポルクト』。
四つは大地を司り、目覚めれば火山が噴火すると言われる『茶土龍グラチアム』。
五つは氷を司り、あらゆるものを凍らせてしまう『銀氷龍フギナラ』。
六つは闇を司り、目覚めれば夜の静けさと安らぎを与える『』黒闇龍ネダミア』。
七つは光を司り、自身がもう一つの太陽の如く神々しく黄金に輝く『金光龍サラアス』。
それがシキが住んでいた『あちら』の世界で語り継がれる伝説だ。その七つの龍達は、新たな主を探し、待ち続けているらしい。
ここまでが伝説の御話。
だが、この話は本来はここで終わらないのだ。
そう。
シキが持つ神刀"空"もこの伝説に関係している。
確かにその偉大な龍は力を七つに分けた。そして残るものは何か?
それは力を失った偉大な龍そのものである。
しかし、その力を失った龍は、その失った身体をも新たな生命として生み出した。
それが、神刀"空"。
先程述べられた龍を『第一』から『第七』と称するならばその神刀"空"は『第零』というに相応しいだろう。
シキは言う。
神刀"空"の本来の、真の名を。
その神刀"空"の、真の名はーーー。
『無虚龍抜殻』。
【作者の呟きっ】
何故こんなにも設定を出しているか?
それは……うん、『あちら』の世界の神話も必要かと思いまして。
あ、あと……更新日、遅くなりそうです。
……社会人、大変そうだぁ。
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