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乗って乗られてさあ大変。

お気に入り登録ありがとうございます。

物理的に暖かい目で見守っていて下さると助かります。

主に作者が。


棒に魔力を込めてゴーレムを作るのにも大分馴れてきた。

今では10体くらいのゴーレムなら一回の詠唱で作れるようになった。



魔王がまたやって来た。

何回か来てはお茶を飲んでいってるけど相変わらず、神出鬼没。


勇者たちは一緒じゃない。

どうなってるのか聞きたいけど、怖くて聞けない。

僕が入れたお茶を、美味しそうに啜ってる。

こうやって見てるとただのおじさんなんだけど。

先生は魔王に近づこうともしない。


「で?今回は何しにきたの?ただお茶を飲みに来た訳じゃないんでしょう?」

アルセお姉さんが聞くと魔王は(僕たちには聞こえない声で)話し始めた。

相変わらず声小さい。

お姉さんが代わりに伝えてくれた。


魔王曰く。


魔王が可愛がっているコボルトが魔獣にやられて全滅しそうだとか。


目撃情報から魔獣は『キマイラ』の疑いが強い。


退治して欲しい。


もちろん、只でとは言わない。


少年の村を探すのに協力する。


キメラと聞いて先生の顔が険しくなる。

「キマイラとは合成獣の総称です。頭部、腹部、尾部でそれぞれ異なった動物の特徴を持ち合わせています。一般的には頭が獅子、胴が山羊、尾が蛇と言われています。が稀にいる頭部が人型のものは高い知性を持っており強力な魔術を行使します。退治には軍隊を出す場合もあるんですよ。」

「そ、そうなの?でも、そんな魔獣が相手じゃ僕なんかじゃどうしようもないね。」

先生の説明を聞いて出番が無さそうだと判断し、胸を撫で下ろす僕。

「そんなことないわ。お姉さんが愛しのムル君に力をあげるから。」

え?オネエサンナニヲイッテイラッシャルンデスカ?

「普通に考えて無理でしょ。」

「大丈夫!こんなこともあろうかと、用意していたものがあるわ!」


この間みたいな力は勘弁して欲しい。


「研究の成果を披露する時が来たみたいね。付いてきなさい。あ、ビシュラはそのおじさんの相手しておいて。」


ビシュラ先生涙目。でも、魔王も人に頼み事をしに来て人まで攫っていく…なんてことはしないと思うよ。


多分。


僕はお姉さんの後を追う。


お姉さんに付いて行った先。


お姉さんが大きな扉を開くとそこには…










巨大な『ゴーレム?』が立っていた。





ただ、呆然と見上げることしかできない僕。



全体的なフォルムは人。まだ皮が付いていないのか、腕や太股は筋繊維が剥き出しだ。ちょっと気持悪い。

顔は逆三角形に近く、蟷螂をイメージさせる。


頭の上には2本の触覚。それがさらに昆虫を連想させた。


「これ…は?」

カラカラになった喉からやっとの思いで声を出すと。

「こんなこともあろうかと!」

「こんなこともあろうかと?」

どんな事態を想定したらこんなのを作る発想が出るのかと、問いたい。

「いやー、一度言ってみたかったのよ。」

お姉さんドヤ顔。

「従来型ゴーレムは事態に対して柔軟な対応が出来ないのが欠点だったわ。その欠点を取り除くべく試行錯誤して完成したのがこれよ!さぁ、早速乗ってみて!」



これに乗れと。僕が。


「(根拠はないけど)ムル君になら出来るわ!君が世界初の乗り手になるのよ!」


そんな大役は他の人にして欲しいなぁ。そんな事考えてる間にお姉さんは脚立を持ってきた。

これはもう、僕が乗る流れ…なんだろうなぁ。

胸のところが上下に開いている。

下のドアを足場にして乗り込んだ。


圧迫感のある室内。

子供の僕ならまだいくらか広さに余裕があるけど、大人じゃ狭そうだ。



「乗ったら椅子の両側に水晶球があるから、それを握って。」

室内にお姉さんの声が響く。もうその位じゃ驚かないぞ。


握る。


「握ったらパインゴーレムを創った時の要領で水晶球に魔力を移してみて。」


言われたとおりにすると水晶球が仄かに光りだすと共に周りが明るくなった。

ゆっくりと上下に解放されていたドアが閉じていく。完全に閉まると周囲の風景が室内の壁に投影された。流石に驚いた。

「どうなってるの?これ?」

「男の子は細かい事気にしちゃダメよ!」

細かい事なのか?これ。


『契約を行います。名前をお答えください。』

お姉さんや先生とはまた別の、女の人の声がした。

「ムル君ね。フルネームで答えてあげて。」

「ムルキペル」

僕が答えると背中でモゾモゾって感触がした。

気のせいかな?椅子が座りやすくなった気がする。


…ムルキペル様との契約完了。

個人設定の適正化…完了。

メインシステム………起動。マギドライブの起動を行います。

マギコンバータは停止しています。

マギドライブ起動。』


「マギドライブ起動したわね?これでムル君の思うようにこのゴーレムを動かせるはずよ。水晶球は握ったままで動くイメージして見て。」

言われたとおりに動かしてみる。指の先まで自分の身体になったみたいだ。

「補助や助言なんかはゴーレムがしてくれるわ。さっき声が聞こえたでしょう。索敵なんかは言えばやってくれるから覚えておいてね。」






こうして僕は世界初?『ゴーレムライダー(仮)』になりました。


ネタバラシは活動報告にて。

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