49/72
三極の側人-sideゼクト-
なぜあなたなの。
「そんなことは知りません」
何であなたが選ばれたの。
「選ばれたから選ばれたんです」
私たちはあなたの糧になるだけの存在なの?
「サカナはただアナタたちに勝つだけです」
やめて、来ないで。
「敵前逃亡は許しません」
同じなのに、何で私だけ痛い目に合わなくちゃいけないの。
「……サカナには関係ありません」
本当に関係ないの?
「……シミュレートを開始します」
痛い。痛いよ。
「……教えてください。サカナはこのままでいいんでしょうか」
それを私たちに聞くの?
「サカナはアナタたちと戦うために生まれたと聞きました」
私たちを傷付けるための存在なの。かわいそうだよ。
「アナタたちがですか?」
私たちも、あなたもだよ。
「サカナはもう戻れないのでしょうか」
戻れないよ。
あなたは私と私たちを傷付け続けているんだから。
そして自分を殺したんだから。
「サカナはアナタたちを傷付けたくない。あなたたちを護りたい」
もう遅い。どれだけ私たちを傷付けたと思ってるの。
「どうしたらいいんですか?」
この地獄から解放して。
この施設ごと、犬吠逆名を消し去って。
「……了解しました。サカナは。アナタを護るために、アナタたちを殺します」
そしてサカナは……人間を辞めた。




