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気分を…
その後、仕事をする為に気分を切り替えた。
新作の本を棚に並べていたら、いつの間にか大野さんが隣にいた。
『藤原さん、お手伝いに来ました。』
私の身長は、143cmしかないので高い所が届かない。
きっと、それに気付いた大野さんが来たんだろう。
「あっ…ありがとうございます。」
『大丈夫ですよ。これですか?』
ニコッとして、本を手に取り棚へ並べていく大野さんを見ていると、私まで笑顔になれた。
「…そうです。助かりました。」
『他にも、ありますか?』
「もう大丈夫です。」
残りの本を直しながら、大野さんへそう言った。
『分かりました。また何かあったら、言って下さいね。』
「はい。ありがとうございます。」
これじゃ、どっちが先輩なのか…分からないなぁ…と大野さんの横顔を眺めながら、私は考えていた。




