13/26
あなたは…
バスから降りても、あの光景が頭から離れなかった。
今から、仕事をしないといけないのに…。
事務所へ行き、皆と挨拶を交わす。
その中に、大野さんもいた。
「おはようございます。」
にっこりと笑って、挨拶をするけど…心の中は苦しかった。
皆が店舗へ出て行き、大野さんと二人きりになった。
大野さんは、私にこう言ってきた。
『大丈夫ですか…?』
心配そうな顔で、言われた一言にびっくりした。
「…な、何がですか…?」
『何だか、元気がないように見えたので…。勘違いだったら、すみません。』
どうして、この人には私の想いが分かったのだろう…?
「…大丈夫です。心配させて、ごめんなさい。」
本当の事を言う訳にはいかないので、ごまかした。
『そうですか…。何かあったら、言って下さいね。』
「…はい。」
今の私は、おかしいかもしれない。
だって、大野さんが長瀬くんに見えてしまったのだから…。




