表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/26

3年前の…

バスに乗って、会社へ向かっている間…ボーっとしていた私は、あの日を思い出していた。


3年前-


『今日まで、ありがとうございました。』


メガネをかけた可愛い顔の男の子が、皆へ向かって頭を下げた。

私は、何だか泣きそうだった。

今日でいなくなってしまうなんて…苦しい…。

せめて、最後に想いを伝えよう。


そう思った私は、その人へ話し掛けた。


『あのっ、長瀬くん!!』


呼ばれて振り向いた長瀬くんの目は、冷めていた。


『何…?』


あまりお話もした事がなかったからなのか、素っ気なかった。

だけど、前に話した時と全然違う…。


『あ…の…今まで、ありがとう…。』


『…僕、あなたに何もしてないよ。じゃ…さようなら。』


そう言って、どこかへ行ってしまった。


『えっ…。』


この時、私の想いは一瞬にして砕かれた。

転校する前に、想いを伝えようとしただけなのに…。


その後、私はお気に入りの公園へ行き、二度と恋をしないと決めた。

二度と、辛い想いをしたくなかった…。

あの時、“私が好きになる人はどこかへ行ってしまう”…なんて思っていたけど、本当は“心”がどこかへ行ってしまったのかもしれないね…。


「…っ…。」


今でも、まだ泣きそうになってしまう。

もう3年も経っているのに…。


大野さんは、そんな長瀬くんに似ているの。

だけど、全然違う人…。


そんな事を考えていたら、いつの間にか目的地へ着いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ