2026年のわたしから
拙作「革のかばんに原稿用紙」を書いてから、すでに十年以上経過しています。
当時のわたしは、いまからすればたいぶ尖っているし、とてもまじめだなと思います。
今は、わりと肩から力を抜いて、ゆるゆると書いています。当時よりは、なにがなんでもデビューしてやるという気概が非常に薄くて、還暦を過ぎて生体エネルギーが低下してしまったようにも思います。
自分が、あと20年生きられるか、生きていたとしても、小説が書ける状態なのか。
そう考えると、とにかく、書きたいものを書かねば、未練が残るというものです。
わたしの両親は、いまのところ存命です。両親の親類の寿命など見ると、全体的に長生きです。
長生きしたからと言って、認知症になったり体の自由が奪われたりしては、小説は書けないでしょう。プロになる云々よりも、「とにかく書かねば」という心境になっています。
小説の書き方は、結局は十人十色だから十人いれば十種類の書き方があるだろうと思います。
小説の書き方の指南書を読んで、その通りにやって、では面白い話が書けるかといえば、また別の話で。
面白いって何だろう、といつも思うわけです。長編書いていても短編書いていても。
マンガ「これ描いて死ね」では、面白いマンガというのは、読者が行間を想像できるものがそれだ、と説明しています。
※ちょっと待て、行間想像しちゃうと二次小説になるんじゃないか、思ったが、ま、それは置いておいて。
であれば、小説もまた行間を読ませるものがいい、のか。そうなのか。
読者側の読解力も試されるのか。
やっぱり小説を書くのは難しいです。毎回、うろうろしながらアイデアや構想を考え、裁縫したり外仕事で体を動かしてみたりします。
小説を書くようになってから、自分の生活は大雑把に分けると「小説を書いている時間」と「書いていない時間」の二つだけになったような気がします。
特別コンテストや公募で評価されるでなし、書籍化なんて話は当然来ない。
それでも書き続けているのは、もはや日常というか病膏肓に入るなのか。
小説を書くことは、楽しいですか。
わたしは楽しいです。
あなたも書くのが楽しと思ったなら、書いてみてください。
苦しくも楽しい世界が待っていますよ。




