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夜空の狐仮面  作者:
ヘラのサイコロ
56/100

確かにガンガンいこうぜタイプだった



 俺は変装アイテムで適当なボーイになりすまし、カジノへと潜入していた。

 潜入しやすくしてくれたのは、同じくボーイとして潜入したベルギアさん。


 ……正直言って、瑠璃(ルリ)さんが居るならまたバレるんじゃって思ってたけど……。


 警察に変装すれば親しさからバレるだろうが、初対面のボーイであればバレないわけだ。

 表皮を使って完全に顔をコピーしたとしても視線の向け方や体重の掛け方については俺のまま、据え置きとなる。

 瑠璃(ルリ)さんはそのレベルで個人差を判断出来る人だから知り合いに変装するのは向かないけれど、逆に言えば初対面ポジションでさえあればどうにかなる、という事だ。


 ……ソレ言っちゃうと怪盗塩犬の動き方と火和良(カワラ)としての俺の動きに似通った部分があるってバレそうな気もするけど、人間って沢山居るからなあ。


 動きが全く同じであっても、確信とまではいかない、という事なのだろう。

 良かった、この世に人間が大量に生息してて。


 ……ん? いや、この世に人間が大量生息してるから俺がこういう活動をしないと駄目な状態になってるのか?


 逆に数が少ない方が平和だったりするなら良くないような気もしてくる。

 うーんコレは難しい考えだ。



「同僚さん」


「はいっ!?」



 考えを巡らせているところに声を掛けられたので慌てて振り向くと、そこにはベルギアさんが立っていた。

 いつもはストールのように巻いている長い髪はお団子状にして長さを誤魔化し、余った分がサイドテールとして垂らされている。

 右目を隠す長い前髪はいつも通りだが、ボーイの格好をしていると、思った以上に違和感が無い。


 ……ベルギアさんがボーイとして潜入するって言った時、思わず正気か聞いちゃったけど……。


 天って誰かに二物かそれ以上を与える事って本当にあるんだなあ。

 俺の周囲にはそういうタイプの人ばっかりな気もするが。



「そろそろ時間みたいなので、スタンバイしててくださいねぇ」


「あ、はい!」



 そう告げるベルギアさんは、持っていたトレイをこちらに渡した。



「それとコレ、回収しといてくれますぅ? 私は警察が突入する為の準備を整えておきますからぁ」


「あ、あの、突入って結局どうやるんですか……?」



 扉がかなり頑丈だから、システムの方をどうにかするしかないかも、とベルギアさんは言っていた。

 (カオル)に頼んで前に作って貰ったアイテムでその辺りはどうにか出来るだろうけれど、可能ならより一層確実性が欲しい。

 少なくとも地下で行われる闇オークションの現場を押さえる事が出来れば良いのだが。


 ……参加者の後ろ暗いアレソレも明かさないと、証拠不十分にされる危険性もあるのがなあ……。


 楽しんで参加しているとなれば、参加者側が権力と財力を持って何かをやらかさないとも限らない。

 しかしどうやってそれを明かすか。

 一応ベルギアさん曰く、自分の持っている情報収集用スマホでどうにでもなると言っていたけれど、やはり不安だ。


 ……だってこんな大量に人が居るだなんて……!


 前のホテルの時も人は沢山居たけれど、今回はそれよりもヤバさがレベルアップしている。

 だって前のホテル時は善良な方も多かったのだ。

 寧ろ食い物にする為か、善良な方の方が多かったくらい。


 ……が、今回は……。


 黙認されているだけで違法なカジノ。

 ソレとわかって参加する人達。

 更には、その中でも選りすぐりのよろしくない人達が地下の闇オークションへと参加する。

 しかも場所が上の方であれば着地さえどうにかなるならわりと逃げ道だらけなのだが、今回は逃げ道が殆ど無いとも言える地下が会場。

 手慣れているだろうヤバい方々が居ると考えると、尚の事緊張してしまうものだ。



「ま、色々心配なのはわかりますけどぉ、怪盗塩犬には強ぉい協力者が居るから大丈夫ですよ」



 にっこり笑ったベルギアさんが見せたのは、指の間に挟まれた小さいブローチ。

 百円玉サイズのソレを掲げ、ベルギアさんは瑠璃(ルリ)さんの方を見る。



「地下の会場まで行ける使用人は限られてますがぁ、その相手を写し取れば万事オーケー。寧ろ服装を原子レベルでコピー出来るなら彼らが持っているブローチもコピーが可能ですよねぇ? 上手にやるんですよぉ」


「は、はい……」


「では、作戦通りにぃ」



 言い、ベルギアさんは瑠璃(ルリ)さんの方へと歩いて行った。



「どうもぉ、瑠璃(ルリ)さん。お疲れのご様子ですねぇ」


「な……っ、ベルギア!? お前質屋じゃなかったのか!?」


「私はいついかなる時も祖父から受け継いだ質屋の店主ですよぉ。ただまあ、ええ、質屋だけで食い繋ぐのも大変と言いますかぁ、うちはそういうアコギなやり方してませんからねぇ」



 事実、ベルギアさんが経営する質屋秋桜は良心的な質屋だと評判だ。

 カフェ兼バーである月見で働いていれば、お客さん達の世間話からそういった話を耳にする。


 ……客の足元を見ず、客の事情を詳しく聞いて、適切であれど多少の優しさを乗せて対応してくれる……だっけ。


 質屋ではあるので適当な品に高い金を渡す事など出来やしない。

 しかし、元来ベルギアさんはお客さんとよく話す為、物を売り買いするわけで無くともお茶やお話をする為だけに来るという方も多いのだ。

 それもあって、質屋に来るような状態の人についての噂や事情は把握済みである事が多い。

 だからこそほんのちょっぴりではあれど、最低限の分は嵩増ししてあげられるんだとか。


 ……相手の財産、時間、状況を前提に、本気でしっかり頑張れば挽回出来るくらいには融通してくれるって聞くもんなあ。


 もっともそのお客さんがどれだけ頑張ろうと、それ以上にそのお客さんを食い物にしようとする輩が居ては、何も意味など無いのだけれど。

 本人の頑張りと第三者の善意を食い潰そうとしてくる輩が居るから、ベルギアさんはこういうところをターゲットとして狙う事が多い。

 その気持ちはわかるので、俺も怪盗塩犬としてしっかり頑張ろうと思えるわけだが。


 ……俺が頑張る事で、困っている人達の助かる道が開くんだ。


 どの道本気で頑張って改善していくというのは必要だろうけれど、頑張る人が報われる世界であって欲しい。

 そう思うから、俺もまた頑張れる。

 頑張りたいと、そう思うんだ。



「そういうわけで支払いが良い臨時バイトですぅ」


「……ベルギア、お前には今度、支払いが良いからと仕事を受けた結果の悲劇について実例と共に教えてやる。お願いだからしっかりと聞いてくれ」


「大丈夫ですよぉ。引き際くらい弁えてますしぃ」


「この場に居る事自体引き際を弁えてないんだよ……!」



 黙認されているだけの違法カジノでボーイのバイト。

 思いっきりアウトな臭いしかしない。

 瑠璃(ルリ)さんが痛そうに頭を抱えるのも致し方なしと言えるだろう。



「ところで瑠璃(ルリ)さん、落とし物がありましてぇ」


「は? 俺は何も落とした覚えは無いが?」


「いえ、そうじゃなくってこのブローチなんですけどぉ」



 言い、ベルギアさんは指に挟んだままのブローチを見せる。

 ソレを見た瞬間、瑠璃(ルリ)さんの目が驚きで見開かれた。



「落ちてたんですけど誰のブローチがわからなくって困ってるんですよねぇ。ほらぁ、私って臨時バイトだからあんまりルールわかってませんし。あとこういう雰囲気の中だとぉ、落とし物ですって上司に告げてもお前が盗んだんだろとか言われたら嫌じゃありませぇん?」


「実際そういう理不尽な言いがかりは発生するからな……いや、それより、落ちていたのか? ソレが?」


「はい。上客はこのブローチをしているからそれなりの対応を、って言われてるんですよねぇ。でもそんなのブローチで見分けてるだけですしぃ、誰が落としたかとかわからないじゃないですかぁ。適当な人にコレ落としましたぁ? って聞くのは簡単ですけど、ソレで嘘をつかれたら私の責任になりかねないのが嫌なんですよねぇ」


「……普段の俺なら、そういう場合はどうあれまず上司に報告を、と言うんだがな」



 フ、と瑠璃(ルリ)さんはニヒルに笑う。



「今日の俺は与えられた職務に不真面目で行こうと思っていたところだ。叶うなら、怪盗塩犬確保以外での突発的な職務が発生したら精を出してやろうと思うくらいには」


「勉強嫌だから片付ける必要があるくらいに謎の汚れが発生しないかなーって言う子供みたいですねぇ」


「うっせえ。大体その通りだが」



 そこで肯定する辺りが瑠璃(ルリ)さんらしい。



「……ベルギア、そのブローチ、寄越してくれるか。俺がキッチリしっかりガッツリと、持ち主探し出してやっからよ」


「警察とは思えない顔してますよぉ」


「警察にやらせるべきじゃねえ仕事やらされてたんでな。精神的にスレもするっつの」



 ハ、と笑う瑠璃(ルリ)さんの目は異様にギラギラとしていた。

 何だろう、飢えた肉食獣とかがこういう目をしているイメージ。


 ……そんなに違法カジノの警備させられたのが嫌だったんだなあ……。


 まあ瑠璃(ルリ)さんは真面目なので真面目に職務を全うしようとしたんだろうが、根本的に警察として真面目な瑠璃(ルリ)さんからすれば、犯罪の味方をする事が許せなかったのだろう。

 許容と味方は違うものだし。


 ……食べられるっちゃ食べられる物と、好きな食べ物、はまた違ったりするもん。


 嫌悪対象の味方をさせられるとなれば相当にメンタルがやられた事だろう。

 よし、改めて気合いを入れ直さなくては。

 頑張ってこのカジノをぶっ潰そう。



「ま、私の責任じゃなくなるなら良いんですけどねぇ。はいブローチ」


「おう。ちなみにどこに落ちてたとか、わかるか?」


「ショットグラスの中、氷の中に紛れるようにして……ですねぇ。ずっと指に挟んでたので私の体温が移っちゃったのか、もうキンキンに冷えたりはしてませんが」


「ショットグラスは」


「他のボーイに頼んで片付けさせましたよぉ」


「そうか……」



 受け取ったブローチをまじまじと見つめ、瑠璃(ルリ)さんは僅かに眉を顰めた。



「ブローチ自体に特徴があるわけじゃないから、ここから特定は厳しいな。グラスがあれば誰が持っていたかくらいわかりそうなものだったが……液体に紛れるんじゃなく氷に紛れていたなら飲み干していただろうし、グラスに残る口紅なんかで男女の特定は出来たと思うんだが」


「既に片付けさせちゃったので無理ですねぇ」



 確かに俺ももう片してしまったのでどうにもならない。

 というか特に何も言われず渡されたショットグラスだったが、アレ一つからそこまで特定出来るものなのか。


 ……こういう注意力の無さが、モダン大吉にけちょんけちょんに言われるところだよなあ……。


 ちょっとした推理本でも買って読むべきだろうか。

 考えるよりも読むのに夢中になって、気付けば謎解きが始まっちゃってるから自力で謎を解けた事なんて一度も無いけれど。



「まあ良い。これが有れば入れるわけだからな……助かったぜベルギア! んじゃ俺ちょっと他の奴らに連絡入れて集合させっから!」


「私は休憩入ってますねぇ」


「いや後日改めて店に行って詳しく聞くから今日のところはもう帰ってろ。俺らの仕事を一つ分後回しにさせてくれ」


「私の事情聴取を短縮しようとしてません?」


「俺は今から大仕事なんでな。どうせお前はあくどい事やるタイプじゃねえってわかってるし、こういう支払いが良いトコがどう危ないかっつー本題の話をしに店行くんだからそん時ついでに済ませるくらいで良いだろ」


「雑に扱われてる気がするんですけどぉ……」



 ベルギアさんは肩をすくめて苦笑し、



「良いからさっさと帰っとけよ! 何が起こるかわかんねえんだから!」



 瑠璃(ルリ)さんはそんなベルギアさんを指差して告げ、走り去っていった。

 部下達を集合させての作戦会議なのだろう。


 ……よし、俺も行くか!


 地下へ行ける立場のボーイをこっそり写真に撮り、服装を原子レベルで分解しての再構築。

 表皮の方も同じようにして姿を変え、地下へと潜り込む。

 ヘラのサイコロは後半に出るらしいのでまだ時間は大丈夫だろうが、警察が乗り込んで来る前に確保しておかなければ。





 口上を述べるまでは完璧だった。

 いや、一応奪取は出来たのでそこまでは完璧だったと言えよう。

 ただいくら何でもいきなり発砲するのは酷いと思う。


 ……この人達、日本って国が銃持つのをアウト扱いしてるって知らないんじゃないか!?


 そう思うくらいの勢いで思いっきり発砲されたしそれこそ四方八方からの発砲だった。

 反射的に避けれたから良いものの、本気で死ぬ可能性がある武器を間髪入れず放つとかどういう生き方をしているんだここに居る人達は。

 というか当然の顔して銃を取り出していたけれど、銃を所持している事自体が当然じゃないって自覚はあるんだろうか。



「ってあっぶな!」



 本気の集中砲火がヤバい。

 今までもそれなりに発砲されたりはしていたけれど、チンピラではなくプロの射撃となるとこうも手に汗握る状態になるとは。

 いや普通は発砲される事が皆無だし、チンピラともその筋のプロとも関わらないし、自分の命が掛かった状況に陥る事も早々無いはずなのだけど。

 俺の人生、ダイジェストで纏めてみたら偉人並みに紆余曲折あるイベントが多そうな気がする。

 まあもしも本当に偉人として人生をダイジェストに纏められた場合、こうして必死になりながら対応しているアレコレはかなりの数が端折られそうだが。



「……えっ」



 そう思いつつどうにか無理な体勢になったりもしつつ避けていたら、彼らは床下収納を開け始めた。

 何ソレそんなのあったのと思う間も無く、そこから取り出されてこちらに向けられたのはアニメや映画でお馴染み、ガトリング砲。


 ……まさか現実で見る事があるとは……。


 見る事があるとは、っていうか思いっきり向けられているというか。

 そんな体験一生に一度でもあって堪るかと言いたいが、悲しい事に一度じゃ済まないんだろう気もしてくる。



「ぶちかませェ!」


「いやそれは流石に厳しいぞ!?」



 床下収納から取り出されたガトリング砲は合計五つ。

 それぞれの方向から狙ってくるガトリング砲とかどうしろと。


 ……駄目だな何も浮かばない!


 対策が浮かばないどころか店内の花に水やりしたっけとか借りてた本返してないのにとかのどうでも良い日常ばかりが駆け巡る。

 せめてもうちょっとまともな、少年漫画で死ぬキャラが見るようなしんみりする走馬灯を見せて欲しかった。

 (アザミ)さんに拾われる前までの浮浪者時期とか怪盗塩犬になってからの被害だとかを思い出してメンタルやられるよりはマシだけれど、絶妙に微妙なやり残した感を残して死ぬのは嫌だ。



「って、あれ?」



 もうこの際舞台を作っている床板を引っぺがして畳返し的な使い方をして盾にするっきゃないと思っていたら、ガトリング砲を使おうとした人達は困ったように何度かカチカチし、苛立ったようにガトリング砲を捨てた。

 まさか弾が無かったんだろうか。


 ……いや、普通にあるように見えたし……弾詰まり? 一気に、五つ全部が?


 こういった場を開くなら、そういった仕込み武器についてのメンテナンスもしっかりされているはず。

 なのにソレが全て不発に終わったというのは、偶然では無いだろう。

 予め対策として弾をすり替えた、あるいは全く別の方法で、



「こうなったら……!」



 そう思考を巡らせている間に屈強な男達はどんだけ仕込んでるんだという懐からナイフや短刀を取り出してこちらに来ようとし、倒れた。

 コーラの蓋を開ける時のような、プシュッという軽い音が聞こえる度、こちらに近付こうとする男達が倒れてゆく。



「え、何が……?」


「あらまあ、なーにをボサッとしちゃってるのかしら」



 聞き覚えのある声がした。

 声がした方を見るよりも先に、彼女は舞台の上、俺と同じ場所へと降り立つ。

 高下駄をカロンと鳴らして着地した狐仮面は、呆れたように口角を吊り上げていた。





 そこからは怒涛の展開だった。

 狐仮面は麻酔銃を撃ち、手慣れているその筋の者だろう方々を的確に眠らせていく。

 瑠璃(ルリ)さんを始めとする警察の方々が突入した。

 いつの間にか居たらしい、というか狐仮面が居るので当然ながら最初からいたんだろうモダン大吉が参加者達の後ろ暗い部分を調べ上げたらしく、ソレを警察宛てに送信。

 何だか色々置いてけぼりを食らった俺は、モダン大吉のいつも通りな暴言に腹を立てつつもターゲットは確保出来たし、と逃亡用に作られたのだろう抜け道から逃げ出した。

 あの二人なら問題無く逃げられるだろうから問題は無い、はず。


 ……というかあの狸、顔を合わせる度に酷くないか……!?


 (アザミ)さんの店に行った時も通常運転であんな感じだし、他の客に対してもまあまあキツイ態度を取っている。

 が、しかし俺に対する対応は他に比べてやはりハードな気がした。


 ……アレか、(アザミ)さんに色々世話になってる上に狐仮面に助けられまくってるからか?


 そう考えると心当たりがあり過ぎる。

 寧ろ何であの男は俺が世話になっている二人に対して謎の執着を見せてるんだろう。



「こっちですよぉ」


「あ、ベルギアさん!」


「とりあえずすぐさま着替えてくださいねぇ。参加者の方々を逃がさない為なのかぁ、この建物の周囲を思いっきり包囲されてますんでぇ」


「え」



 合流したベルギアさんが朗らかに凄い事を言ってきた。



「な、何故そこまで……?」


「色々と証拠が出揃ったからでしょうねぇ。一人も逃がさず豚箱に放り込んでやるって思ってるんじゃないですかぁ?」



 そう言い、ベルギアさんはケラケラ笑う。



「まあ私は瑠璃(ルリ)さん直々にさっさと帰れって言われたからぁ、多分帰れると思いますけどねぇ。確か火和良(カワラ)さん、透明になれるアイテムとか持ってませんでしたっけ? ソレ使って一緒に帰っちゃいましょうかぁ」


「た、確かにありますけど……」



 怪盗塩犬の姿から普段着に戻りつつ、一応持ってきてあったアイテムを取り出す。

 これを使えば、確かに相手の目には見えなくなるというか、周囲にある原子を操作して光の反射やらをどうにかするという、端的に言って光学迷彩的な事が起きるんだとか。



「私としてもここで時間取られるよりはヘラのサイコロを元の持ち主に返せるよう、色々と整えたいですしねぇ。瑠璃(ルリ)さん達が顔見せる事を思うと素早く終えたいのにぃ、ここでぐだぐだやってられませんってぇ」


「……ベルギアさん、結構肝座ってるっていうか、見た目によらずガンガン行こうぜタイプですよね」


「え、私いつもの格好からしてわりと攻めてる感じだと思ってるんですけどぉ」



 言われてみれば中々に独特の格好だったっけ。

 見慣れてしまって違和感が無くなり過ぎていた。



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[一言] なるほどそうやって帰ったのかー。
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