Method8:原の屋敷1
タイトルバックイラスト:西山りょう
その昔、かにがRPGツクール2000で制作したゲームの小説化!
ゲーム版のメッセージや内容を抽出したものを再構成し、西山さんが小説化を担当しました。
エンドレス・ロード関連作品。
https://ncode.syosetu.com/n7077gj/
夕暮れ時の道をシルバーグレーの車が郊外に向かって走る。
「原の屋敷は、確か市街地から南西方向だったな。このまま突っ込むのか?」
「いや、手前で車を降りて侵入する。庭に何匹か犬がいたはずだが……肉は?」
円が尋ねると神崎は左手で後ろを指す。
「合成肉の塊を4個保冷ボックスに入れてある」
「わかった。犬の方は任せる」
日が落ちて暗くなった道を神崎がスモールライトだけで運転する。
「見えた。豪勢なバカでかい洋館だな」
「私腹を肥やして建てたものだろう」
円が吐き捨てるように言う。
原元重郎の邸宅は、装飾が豪華な3階建ての洋館だった。
周囲は森に囲まれている。
神崎は森が尽きる手前で立木の影に車を停めた。
車を降りると2人はトランクを開けて装備を確認する。
神崎は円のスペアマガジンを入れたアタッシュケースとスナイパーライフルを取り出した。
ライフルの銃弾をいくつか白衣のポケットに入れるとスナイパーライフルを肩にかける。
次に合成肉の塊をビニールごと4個取り出した。
円は少し屋敷の方へ進み、ワイヤーを使って高い木の枝へ登った。
「見えるか? 様子はどうだ?」
「門番が2人、玄関前に2人。あとドーベルマンが2匹いる」
「門の近くに犬をおびき寄せる。お前は塀伝いに玄関へ向かえ」
うなづく円を見てから神崎が門のある塀へ走る。
円は大きな音を立てないよう枝から飛び降り、慎重に下草を伝って玄関へと近づいた。
塀にワイヤーをかけてスルスルと登る。
犬は神崎が投げ込んだ肉に群がり、門番2人は暇なのかその場に突っ立って笑いながら何やら話し込んでいる。
「円っ」
ワイヤーをかけたままの場所へ神崎がやって来た。
2メートル強の高さの塀をワイヤーと円の助けを借りて神崎が登る。
「神崎、お前はもっと運動したほうがいい。こんな塀くらい1人で登れなくては」
「俺は頭脳派なんだ。運動神経は不要だ」
呆れたように見る円を横目に神崎が玄関を伺う。
「どうする? 正面突破か?」
「玄関の2人を片付ける」
しゃがんで片膝を塀に固定させた円が、サイレンサーを付けたハンドガンを構えた。
プシュッ。
「うおっ」
見張りの1人が崩れ落ちる。
「どうし……」
パシュッ。
「おあっ」
全てを言い切る前に残りの見張りが倒れた。
門番は話に夢中で気づいていない。
ワイヤーを回収した円と神崎は塀から飛び降りて玄関へと走った。
「うん? 鍵がかかっているぞ」
ドアノブをガチャッと動かした神崎に呼応するように円が倒した見張りのポケットを探る。
「あった、神崎」
円が投げてよこした鍵を差し込み回す。
カチャリ。
2人は扉を開いて中へ滑り込み、そっと扉を閉めた。




