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Method5:神崎の車の中1

挿絵(By みてみん)

タイトルバックイラスト:西山りょう


その昔、かにがRPGツクール2000で制作したゲームの小説化!

ゲーム版のメッセージや内容を抽出したものを再構成し、西山さんが小説化を担当しました。

エンドレス・ロード関連作品。

https://ncode.syosetu.com/n7077gj/

 車のハンドルを握る神崎がアクセルを踏み込む。

「ふう、なんとか寛治かんじさんの娘さんを救出できたな。二階堂“はかな”……というらしいな」

「そっちの首尾は?」

 言いながら円がウエストベルトの背中のスペアマガジンを確認して、手にするハンドガンから空になったマガジンを取り出す。

「出所と同時に迎えに行った。寛治かんじさんは現在俺のマンションにいるよ」

「あ、あなた達は何者なんです! 私の父についてなにか知っているの!」

 後部座席から身を乗り出す“はかな”をチラリと見て、円はダッシュボードから新しいマガジンを取り出し、ハンドガンに装填そうてんする。


 語らない円に神崎は口を開いた。

「俺達は幼少の頃、寛治かんじさんに拾われてあの教会で過ごしたんだ」

 神崎と呼ばれる男性は“はかな”より年上に見える銀白髪の青年である。

 白衣姿に眼鏡をかけた横顔からは表情が読み取れない。


二階堂寛治にかいどうかんじ。ユニオンIDNo-068……。(アイディーナンバー、ぜろろくはち)」

 突然話し出した円はマガジンの残量確認と装備を終えてシートに深く背もたれた。


「元ユニオンの一員、脱会後の職業は神父。銃の発砲及び傷害等で都市治安管理機構に拘束、3年余りが経つ」 

 神崎はハンドルを握ったまま円の言葉を聞いている。

「なお、正当防衛とされており、仮釈放もあったが本人はそれを辞退している」

「そ、そんなっ。では……私の父は本当に人を……!」

“はかな”が円に向かって叫ぶ。

「ああ、間違いなく撃っている。お前のように銃を手にするしかない状況に追い込まれてな」

「なんてことなの! 私は……っ」

 一瞬言葉を失った“はかな”は、静かに走行する車の音を聞きながら呆然ぼうぜんと後部座席に身を預けた。

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