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Method6:神崎の車の中2

挿絵(By みてみん)

タイトルバックイラスト:西山りょう


その昔、かにがRPGツクール2000で制作したゲームの小説化!

ゲーム版のメッセージや内容を抽出したものを再構成し、西山さんが小説化を担当しました。

エンドレス・ロード関連作品。

https://ncode.syosetu.com/n7077gj/

「……円さんと言ったわね。あなたはどうしてそんな事まで知っているの? それに父がユニオンの一員だったなんて……」

「私達はある目的のために数年前からユニオンを調査している。二階堂はユニオンのウイルス開発チームに所属していた」

「ウイルス開発チーム……?」

「研究成果として『ユニオンウイルス』が完成したが、内部分裂が起こり、ウイルスを活用すべきと言う『原派』と使用するべきではないという『二階堂派』に分かれて抗争が勃発ぼっぱつした。

二階堂は研究データの一部を教会の地下に隠したとの噂だ。原はそれを狙っている」


「じゃあ、教会の男の人が言っていた『アレ』とはもしかして……」

「研究データのことだろうな」

「……なんで……なんで今まで何もなかったのに……? どうしていきなりこんなことにっ……」

 シスター服の膝の布を握りしめる“はかな”の手に力がこもり白くなる。


 神崎がハンドルを緩やかに切りながら話に入ってきた。

「タイミング的に考えられる可能性は2つ。

1つはユニオンの集会が近日中に行われるとの情報がある。そこで原は発言権を強めるための材料が欲しいといったところか。

2つめは都市管理機構が打ち出した、地下の大規模拡張工事に関係すると考えている」

 ハッと“はかな”はうつむく顔を上げた。

「拡張工事……聞いたことがあります。長いトンネルを掘って、他の地下都市と繋がる計画でしたよね?」

円がうなづく。

「そうだ。だが他の地下都市の状況が把握はあくできない現状で推し進めるような計画でもない。仮に地下都市に生存者がいたとして、こちらに大量の難民が流れ込んでくる可能性のほうがはるかに高い。そうなると都市間における抗争も避けれないといったところか……」


「俺達がこうやって地下でもかつての地上とそこまで変わりのない生活をしていられるのは、原子エネルギーと浄水装置、生産プラントやビタミン剤のおかげだ。それもユニオンの技術力があってのことだ。他の都市が存在していても、ここまでの技術力や発展性があるとは思えない」

 膝に手を置く“はかな”は壮大な話に驚きつつも2人の話を聞き入る。


「そこで保険になるのが『ユニオンウイルス』というわけだ。ユニオンウイルスの開発はウイルスによって砂嵐や放射能汚染をものともしない、地上の過酷な環境に適応するための生物に進化を促すための研究だった。

だが、出来上がったのは致死率95%を超える殺人兵器だった。モルモットの中には進化した個体もいたが、大半は死滅した。原はこのユニオンウイルスに兵器としての価値を見出し、運用しようと企んでいる。己の利権と財産を守るためにな」

 円の話を聞いて“はかな”は首から下げたロザリオをぎゅっと握りしめた。

「そんな……そんなことのために私や父が狙われるなんて……」

 “はかな”は肩を落として足元を見つめた。

「私は……平和に暮らしたかっただけなんです。どうしてこうなってしまったの……?」

 円がまっすぐ前を見ながら言い放つ。

「教会の何処どこかに隠された『ユニオンウイルス』のデータを躍起やっきになって探しているやからがいる。教会に潜んでいた男達もその一派だろう。お前を人質にするか、データの在り処をき出すためだろうな」

「私は『ユニオンウイルス』なんて知りません……!」

「悔やんでも状況は変わらない。今、俺達にできることをやるだけだ」

 神崎は更にアクセルを踏み込んだ。

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