Method12:由香の明晰夢?2
タイトルバックイラスト:西山りょう
その昔、かにがRPGツクール2000で制作したゲームの小説化!
ゲーム版のメッセージや内容を抽出したものを再構成し、西山さんが小説化を担当しました。
エンドレス・ロード関連作品。
https://ncode.syosetu.com/n7077gj/
2人してH高校へ着くと、ホームルーム前のチャイムが鳴る。
由香はふと足を止めた。
「ね、ねえ佑実子ちゃん……、さっきから……なにか街の様子、おかしいよね?」
佑実子は小首を傾げた。
「そう言われれば……誰ともすれ違いませんでしたね。街に人の気配がないような……」
「う、うん……」
「ちょっと私、学校の中を見てきます!」
佑実子がくるりと身を返す。
「佑実子ちゃん……!」
残された由香は駆け出す佑実子の背中を心配そうに見送った。
佑実子は人気のない廊下を走り、まず2階の自分のクラスに向かった。
ガラッと扉を開けると、急いで中を見回す。
「いない……?」
次に体育館を見に行く。
「ここもいない!」
最後に1階にある職員室へ向かった。
「先生!……ってここにもいない!」
確信を持った佑実子が由香の元へ走っていく。
「響先輩! 響先輩!」
「佑実子ちゃん、どうだった?」
「み、みんな消えちゃってたの! 学校の先生も!」
佑実子は上がる息を整えようとトントンと胸を叩く。
「たぶん、お父さんもお母さんも……街の人も!」
「……そ、そういえば……朝、お母さんもお父さんもいなかった気がするけど……」
由香が辺りを見回しながら言う。
佑実子は両手で由香の肩をガシッと掴んだ。
「先輩! これはズバリ、ミステリーですよ!」
「……えぇと……」
「超常現象、怪奇現象、心霊写真、ポルターガイストまで、私だ~~~~い好きなんです!」
「そ、そんなのんきなこと言ってる場合じゃないよぅ……」
由香はうつむいて考える。
(これは夢? 昨日見た変な夢の続きかなあ? それとも……本当に現実?)
(と、とにかく原因を突き止めなくちゃ……)




