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Eクラスの最強魔法師  作者: 紙切虫
十六夜ライグル
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第三十八話《六夜ライグルⅣ》


「……やっぱり。その猫が本体だったんですね」


瓦礫の中から立ち上がったのは、輪廻。

見下ろす視線の先にあったものは二つ。

一つは、ボロボロになった猫。

そしてーーバチバチと音を立て、ショートしているネスフィ。


人間だと思っていたのは、ロボットだった。本体は、この猫。


「……疑問をします。どうして、気付いた?」

「当たり前です。貴女、あんなに必死で猫を守ってました。誰にだって、バレます」


踵を返し、先へ進もうとする輪廻。


「……理解します。でも、一つ勘違い、かしら」

「勘違い?」

「回答します。……この猫はね、私が以前、友達だった魔獣(・・)、ロアキャットのもの」

「…………はぁ?」


魔獣が、友達。

それでは、まるであの天満のようではないか。

くすっ、と微笑んで、ネスフィは続ける。


「回答します……ロアはね、悪い子ではなかった。危険度だって、Hランクの子供でも倒せるようなものだった。……なのに、人間に。何も悪いことなんてしてないロアが、殺された」

「……………」

「……悔しかった。友達に、なにもしてあげられなかった。だからこそ、この身体を大事にしすぎたのですかね」

「……………」

「……行って下さい。貴女には、貴女の友達がいるのでしょう?」


パタリ、と猫の手が落ちる。

輪廻は、その猫の目を。

そっと、閉じさせた。


おやすみなさい。


ーーーーー


「……化け物めが。背中の傷の、借りは返すぜ」

「ヒハハッ、可愛いー女の子が良かったんだがなァッ」


一方、教会の二階では千堂とあの黒目大男ーーリデュグァが対峙していた。

こいつには、背中をやられた恨みがある。絶対、ぶっとばす。


「つーかよォ、遅えェんだよォッ!」

「言ってろ、《ストーンヘンジ》!」


風を斬り裂きながら突進してくるリデュグァ。そして、迎え撃つかのように魔力の石を宙に生成。


決着は、そこだけでついた。


「ーー《プロミネンス・フラウ》」


紅蓮の華々が、二人を包み込み、爆散する。

千堂ーーだけではない。リデュグァもその魔法を受けている。

その証拠に、リデュグァは絶叫をあげていた。


「ギャぁぁぁぁあっ、あがァあぁぁぁっ!!!?」

「邪魔だ、リデュグァ。俺がやるっつったろうが!」


紅蓮の華の向こうから現れたのは、意識のないノエルを引きずるあの不良少年だった。

ただし、服装は赤を基調としたコート姿だったが。


「よう、千堂だったか?」

「……お前、あいつ仲間じゃねぇのかよ」

「ん? いや別に。弱いし」


一瞬のためらいもなく肯定。

完全に、考え方が間違っている。


「…………千堂、逃げろ。勝てる相手じゃない……」

「げ、まだ生きてたのか」


ノエルの弱々しい声。

ふと見ると、ノエルの背中からは二対の羽根が生えている。

つまり、リミッターを解除した。

そして、それでもなお、ほぼ無傷でこいつはノエルに勝利した。


「……マジかよおい」

「マジだ。せめて十秒は持ってくれよーー《アイシクル・ブロッサム》」


瞬間、氷の華が咲き乱れた。

間一髪で千堂は最大の防御魔法である《ストーン・フロア》を発動し、氷漬けになるのを防いだ。

が、冷たい魔力が徐々に石に浸透し、砕け散った。


「くそっ、なんて魔力だ!」

「一発防いだか。なら、こいつはどうだーー《ヴォルテック・セイバー》!」


今度は雷の剣が降りてくる。

氷と違い、雷属性の魔法は石を伝い、ダメージを与えてくる。

しかし、千堂も雷よりも早く回避行動をとることは出来ずまともに受けて、崩れ落ちる。


「かはっ、がっ、ごほぉっ!」

「まだ四秒だぜ?つまんねぇな」


崩れ落ちた千堂の胸ぐらを掴み上げ、無造作に投げ飛ばす。

上から爆発音が鳴り響いた。


「ミサイルッ、ソウルゥゥ!」

「あ?なんだこれ」


輪廻だ。

輪廻の左腕から放たれた三十八式ミサイル弾は神速で凍りつき、砕ける。

すぐさまチェーンソーソウルズを発動し、斬りかかる。


「うぜぇ、お前じゃ話にならねぇ!《プロミネンス・フラウ》!」


業火の華が再び咲き誇り、声をあげる間も無く輪廻を飲み込む。


「あーあーあーあー、弱い弱い。七大罪は、どーこーだー」

「……く、九々津ならいない。残念だったな」

「うん。残念なのお前らだよね」


苦笑する少年。

その瞳に、一瞬だけ炎が灯る。


「《七大龍》であるこの俺ーー龍裂(りゅうざき) ジン相手に、たかが一魔法師が敵うとでも思ったか?」






















「こ、高魔力反応!魔力値計測不能!ただちに防御魔法を発ど…ぐへぁっ!?」


「……行くぜ。とっとと刹那岬連れて帰るぞ」

「イエッサー♪」


そのとき、悪魔の少年とお菓子の少女が、飛び立った。

刹那岬「出番プリーズです^・x・^」

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