第4話 お世話になります
私の話を疑う訳でもなく、真剣に聞いてくれるその人達の様子に私の目からはいつの間にか涙が溢れ出て今までの不安と恐怖が一気に込み上げて来る。
話終わる頃には、私の顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。
そんな私を、ニーナさんは何も言わずにそっと優しく抱き寄せる。
「行く宛はあるの……?」
彼女の言葉に私は小さく顔を横に振ると、彼女は頷き優しく微笑んだ。
「行く宛がないなら一緒に住もうか」
「……で、でも」
「いーのいーの、気にしないで!!」
彼女がそう言うと、他の二人も頷き私に優しく微笑んだ。
「ねっ」と、彼女は私の顔を見て嬉しそうに笑った。
私は少し戸惑った後、小さく頭を下げた。
「……ありがとうございます」
——こうして私はニーナさんの家でお世話になる事になった。
畑仕事の手伝いや村の人達との関わり方など、最初は慣れない環境でとても大変だったが、過ごして行くうちに徐々にこの世界の暮らしに慣れて行く事が出来た。
そして何より、生活していく中でこの世界についてたくさんの事を知る事が出来た。
この世界は私が今まで居た場所とは異なる、魔法や魔術が存在する異世界である事。
そして、私の魔力は他の人より何倍も大きい事。
この世界では多くの人が魔法を使う事が出来る。
けれど、私の持つ魔力は普通ではないらしい。
それを初めて知ったのは、ロウさんに教えてもらった魔法を唱えた時だった。
唱えた魔法が攻撃魔法という事も知らずに私は畑仕事中ふざけて一人でそれを唱えてしまった。
その瞬間、辺り一面が閃光に包まれ、物凄い爆音と共に目の前にあった小屋を吹き飛ばしてしまったのだ。
それからというもの、私が魔法を唱えようとする度に、誰かが私を止めに入る様になった。
「ユナの魔力は大きすぎる」と、みんなが口を揃えて言うのだ。
自分が魔力を持っていると思っていなかったので、自分の魔力が人一倍ある事を知った時は物凄く驚いた。
それと同時にもっとたくさんの魔法を試してみたいと胸が弾んだ。
それから、私は畑仕事を手伝いながらロウさんに魔法を教えてもらい、周りに迷惑をかけない程度に自分で魔法を試したり、試した魔法を本に記録したりした。
今思えば初めてこの世界に来た時、私を襲って来た魔物を倒したのはやはり、私自身だったのだろう。
あの瞬間に走った黄色い閃光——あれは私の魔力だったのかも知れない。




