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その17:いざ服屋へ!

 チュン、チュン

 鳥のさえずりが聞こえる。

 窓から射し込む朝日が眩しい。


「キュ、キュウ〜」

「んっ……もう朝か」


 眠い……。


 しかしここで起きなくては、また凛さんに尻尾を攻められて軽度のSMプレイ状態になってしまう……

 俺も学習するのです。


「しかしキュウは便利だね〜」


 本当にこいつは便利だ。

 頭が良いから、大体の意思疎通は出来るし。

 ドラゴンって付くだけあって、炎を吐くことが出来る。

 そのお陰で、王都に来るまでの間コンロの代用として重宝していた。

 自分でも出来るが、極力楽をしたいと思うのが人間の性というものだ。


 さて早起きした事だし、凛さんを起こしますか!

 隣には無防備に眠る凛さんの姿があった。

 さてさて、どうやって起こしてやりましょうか?

 そうだ、今までされてきた恥辱を返してあげる事にしましょう!

 だがしかし!

 ここで馬鹿正直に挑めば、凛さんチョップLV2をくらうのは目に見えている。


 あくまで、無意識的犯行を装わなくてはならない。

 そろりと凛さんの布団に潜り込む。

 ここまでの動作も慣れたものだ。

 そこから、いつもの様に背後から腰辺りに抱き付く。

 凛さんの体温が直に伝わってきて気持ち良い。


「んっ、なんだまたかい……困った子だね〜」


 凛さんが起きた様だ。

 ここまでは計画通り。

 しかーし!!

 今日はここで終わりではない!

 凛さんを抱きしめていた手を、肌を伝う様にして胸に持っていく。

 おお!

 これは中々の一品ですなぁ〜。

 形・揉み心地・弾力

 全てにおいて満点をあげたい。


「ちょ…エリス!そこは、はぁん!ダメ…だって、ひゃう!」


 さすが凛さんだぜ、エロい!

 前世だったら刑務所行きだよな……絶対。


「んんっ!エリス...良い加減に、あん!しなさい!」


 強引に俺の腕を振りほどかれ、マウントポジションを取られた。

 何も知らない他人が見れば、凛さんが俺を床ドンしている様に見えるだろう。その時だーーーガチャッ


「失礼します、お布団の回収に…」


 部屋に入ってきた従業員さんと目が合う。


「し……失礼しました、どうぞごゆっくり」


 そう言い残し、さっさと部屋から出て行く従業員さん。

 ちょっと待って〜!

 今絶対に誤解したよね……。

 俺はともかく、凛さんはレズじゃないよ!

 まー、凛さんレズ化計画を密かに実行中だが……。


「お、お姉ちゃん?」


 さっきから黙ってて怖いですよ……?


「エリス、そこに正座しな」

「はい……」


 そこから、小1時間程お説教を受けたーー-


「今回はここまでにしておくよ」

「はい……すみませんでした」


 くっ……俺は屈しないぞ!

 絶対に、凛さんレズ化計画を達成してみせる!


「あれ?悪寒が……」


 さすが凛さん……鋭い。

 話題を切り替えるべく話し始める。


「今日は服を買いに行くんですよね?」

「ああ。でも、その前に腹ごしらえだよ」


 そう言えばそうでした……。


「朝食は宿が出してくれる。食堂へ行こうか」

「はい、お姉ちゃん」


 バンダナを締めて食堂へ向かうーー-。


◇◼◇◼◇


「いや〜、思っていたより美味しかったですね!お姉ちゃん」

「ああ、いつもあの宿の朝食は楽しみにしているんだ」


 いや本当に美味しかった。

 この世界の料理にはあまり期待していなかったが....正直侮っていた。


 味付けも、元の世界に勝るとも劣らないレベルだった。

 メニューは白米のご飯、大根と豆腐の味噌汁、鮭の切り身、きゅうりの酢の物だった。


 やはり風呂もあれば和食もあるよな!

 俺としては洋食の方が良いんだが……。

 まっ、和食も嫌いじゃないから問題無しだ!

 さて今俺と凛さんは、イトナちゃんの実家である服屋に向かっている。


 そこで旅で消耗した衣類を買おうと言う訳だ。

 えっ、なぜ歩いているかって?

 決まっているでしょ、デートみたいだからですよ。

 考えてもみて下さい皆さん!

 こんな超絶美人の大和撫子と買い物ですよ?

 そりゃ歩くでしょ!

 馬車なんて使ってたまるか!


「エリス、随分と楽しそうだね」

「そりゃ楽しいですよ、お姉ちゃんみたいな美人さんとデートですよ!」

「はぁー、あんたって子は……」


 呆れられた様な視線を向けられるが、気にしない。そして、相変わらずの周りの視線も無視。


「あっ!あのお店ですか?お姉ちゃん」

「そうみたいだね」


 少し遠くに大きな建物が見えた。

 看板には「着物屋 織原」と書いてある。

 さすが王都1番の服屋、規模が大きいね〜。

 そんなことを考えている間に到着!


「....」


 店に来て気が付いた事がある。

 なんと洋服が売っているのだ!

 周りの人が皆和服だったから、洋服は無いものだと思っていたが……。


「洋服が気になるのかい?エリス」

「はい、周りが皆和服を着ていたから洋服は無いものだと...」

「なるほど、確かに洋服を着ているのは少数派だね。大陸から渡って来た服だから知名度が低いのもあるんじゃ無いかな?

 でも、皆は慣れた服を着ているだけであって洋服自体を嫌ってる訳じゃないと思うよ」


 なるほど……。

 着物とは違う洋服は気になるが、いつも着ていて慣れている和服を皆着るという訳か。


「お姉ちゃんは着物を着ていますよね、洋服は嫌いなんですか?」


 洋服の存在を知っているのに、和服を着ている凛さん。

 やはり慣れている着物の方が良いのかな?


着物(こっち)の方が気が引き締まるだろう?袖に暗器も隠せるし、洋服みたいに上下とも必要じゃないからコンパクトだ。だから私は着物を着ているんだよ」


 機能性重視って感じか。


「じゃー、ブラジャーはどういった理由(わけ)で付けないんですか?」


 ちなみにブラは売っているそうだが、凛さんはサラシを使っている。

 それがかえって、エロさを増しているのだが……。


「付け心地かな?あの圧迫感が嫌いでね」


 とことんジャパニーズな人だな……。


「さて雑談も済んだ事だし、選ぶとするか。


 エリスは洋服にするのかい?」


「はい、そうしようかと思います」


 当たり前だ。

 和服も嫌いじゃないけど、やっぱり慣れている洋服の方が良い。


「じゃー、どれにするのか決めーー-」

「あー、エリスお姉ちゃんいらっしゃい!!本当に来てくれたんだね!」


 凛さんとの会話を遮って飛び付いて来たのはイトナちゃんだった。

 すると、店の奥から女性が小走りでこっちに来た。


「す、すみませんお客さん!イトナ、お客さんに向かって何してるんだい!離れなさい」

「ぶー、お母さんのケチ〜」


 話から察するに、この女性はイトナちゃんの母親らしい。

 確かに雰囲気が何処となく似ている。


「すみませんお客さん。娘が迷惑をかけたみたいで...」

「い……いえいえそんな!むしろ娘さんにこのお店を教えて貰ったぐらいでして」


 慌ててイトナをフォローする。


「そ、そうだったんですか……ではどうぞ見ていって下さい。私は織原絹音(おりはらきぬね)と申します。商品の説明や、オーダーメイドの相談には私に声をかけて下さい」

「はい、ありがとうございます」


 ほぉ、オーダーメイドか……厨二心がくすぐられるぜ。


「では、ごゆっくり」


 そう言い残して、絹音さんは再び店の奥に戻って行った。

 

 ◇◼◇◼◇


 薄暗い部屋の中。

 二人の男が会話をしていた。


「おい。その情報……確かなんだろうな?」

「いいえ、あくまで噂ですので...」

「まぁ良い。どうせ捕まえれば分かる事だ」

「ですが、連れの女が問題です。遠目でしか見ていませんが、相当の手練れだと思われます」

「構わん、引き離せば問題はない。宿の従業員に金を握らせて、朝食に細工をする様に言え」

「仰せのままに。準備が整い次第、行動に移ります」

「ああ、頼んだぞ」

「御意。では」

 ーーーシュ

「相変わらず忍びの者には驚かされる」


 そしてニヤリとしか言い表せない様な笑みを浮かべる男。

「ふふふ、遂にか。遂にこの手で愛でる時が……猫人族の少女よ」


 男の言葉が、王都の夜空に消えていった。











ここまで読んでくださり、ありがとうございますございます!!これからも本作品をよろしくお願いします!

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