その18:装備を作るのです
店の奥へと戻って行く絹音さんを見送り、何を買うか考える。
「エリスお姉ちゃんは、どんな服を買いに来たの?」
「そうですね〜?」
とりあえず、魔法使いだからローブでも買うか。
「イトナちゃん、フード付きのローブって売ってる?」
「フード?ローブ?」
あかん。
これ、オーダーメイドコースや……。
早速絹音さんにお世話になるか。
「ちょっと行ってきますね、お姉ちゃん」
「ああ。私はここで待ってるよ」
「じゃー、イトナちゃん。絹音さんの所まで案内してくれますか?」
「うん、こっちだよ!」
ええ子やなぁ〜。
◇◼◇◼◇
イトナちゃんに連れられて店の奥へ行くと、絹音さんが会計処理をしていた。俺もあれやらなきゃいけないんだよな〜……。
「どうかされましたか?」
流石プロ、切り替えが早いな。
「はい。早速ですが、オーダーメイドをお願いしようかと思いまして」
「そうですか。ではこちらの用紙に記入していただけますか」
渡された紙にはデザイン、サイズ、色、素材などの項目があった。
まずデザインを書き込む。
RPGゲームに登場する、魔法使いのローブが描けた。
うむ、我ながら良いデザインだ……伊達に趣味でゲームをやっていない。
サイズは後で測って貰おう。
色はもちろん黒だ。
だが、問題は次だ……。
「すみません……素材って何ですか?」
分からない事は聞くのが一番!
「素材は魔物の一部や、特殊な生地などの材料を指します」
「ちなみに稀少なもの程高額な値段が付くんだよ〜!」
「なるほど……」
絹音さんがオペレーターの様に説明し、イトナちゃんが付け足してくれる。
流石ファンタジー異世界……魔物の素材を、武器や防具にするのはどこの世界でも一緒らしい。
まんまモン○ンだな……。
「とりあえず、この色とデザインで選択出来る素材ってありますか?」
「このデザインですか?失礼ですが、お客様の職業は何ですか?」
ジョブって職業だよな?
「はい、魔法使いです」
「...っ!」
「えぇぇ!!」
えっ?いきなり驚かれたぞ?!
俺何か変な事言った?
「し、失礼しました。その若さで魔法使いの方だとは……思わず驚いてしまいました」
「エリスお姉ちゃん凄〜い!」
あ〜なるほどな、魔法使いは珍しいのか。
「ははは、よく言われます……」
ここは適当にはぐらかしておこう……。
「それで、どうなるんですか?」
「はい。魔法使いの方でしたら、魔力伝導率が高いシルクが素材に適していると思います」
「ではそれでお願い出来ますか?」
「畏まりました。今日の夕方には完成していると思いますので、それまで時間を潰していて下さい。ではサイズを測らせて頂きますね」
「はい、お願いします……」
◇◼◇◼◇
採寸を終え凛さんの所に戻る。
「お待たせしました、お姉ちゃん」
「終わったかい?」
そこからが大変だった。
イトナちゃんの着せ替え人形みたいになったり、下着コーナーで意味不明の罪悪感に苛まれたりと。
気が付けば、昼食を食べる事も忘れて夕方になっていた。
「思ったよりかかったね、じゃあこれで良いのかい?」
「はい、お願いします!」
俺の選んだ服は、灰色のハイネックインナー、黒のロングパンツ、下着数着だ。
スカートじゃないのって?
何それ美味しいの?イミワカリマセン。
「それじゃあ会計して貰おうかーー」
金貨1枚ーーーそれが今回の買い物の総額だった。
「い、意外に服って高いですね……」
「エリスがオーダーメイドを頼んだからね〜」
やはりか……。
「すみませんお姉ちゃん……」
本当に申し訳ないです……。
「今更だよエリス。その分、働いて返済して貰うからね」
「お……お手柔らかにお願いします」
ちゃんとオチがある所が凛さんらしい。
「あとは杖だね。木工士の知り合いがいるから、そこに行こう」
「お姉ちゃんに知り合いがいるなんて初耳です」
「失礼な。まぁー、昔に色々とね」
腐れ縁ってやつか。
「エリスお姉ちゃん帰っちゃうの?」
寂しそうに、上目遣いで見上げてくるイトナちゃん……くっ、可愛い。
べ、別にロリコンじゃ無いんだからね!勘違いしないでね!
「はい、これから寄るところがありますからね」
不屈の精神で何とか持ち堪える。
「また来てくれる?」
「もちろん!また来ますよ」
これからも利用することにしよう。
着物屋 織原を後にした俺たち一行は、凛さんの知り合いだという木工士の元に向かった。
◇◼◇◼◇
「何ですかここは……」
「工房だよ。少々散らかってるけどね」
これが少々?!
ゴミ屋敷レベルじゃねーかー!!
「全く誰だ?せっかく気持ちよく寝ていたのに……」
「私だ。久しぶりだな、楠」
あの人が凛さんの知り合い…
知る人ぞ知る王都のNo.1木工士…森崎楠。
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次回は少しアクティブな内容にしようかと思います。
では次回を、お楽しみに!




