その11:訓練2日目
訓練2日目
メニュー「剣術の基本」
「昨日で基礎体力はできたと思う。今日からは剣術の基礎を教えていくよ」
剣術か……くっ、右腕が疼くぜ!
「エリス、右腕を抑えてどうしたんだい?筋肉痛?」
「いえ、お姉ちゃん……気にしないでください」
「そうか、続けるよ。剣術と一言で言っても色々ある」
凛さんが言うには剣術はざっくり分けて二種類あると言う。
短剣類を使用する「短剣術」
刀剣類を使用する「剣術」
それを個人で使いやすい様に色々とアレンジするらしい。
他にも「槍術」「斧術」「弓術」などがあるらしい。
「まず、私は剣術を使う剣士。主武装はこの太刀だ」
凛さんの職業は剣士……剣術士の上位職だ。
獲物の太刀は、自身の身長程ありそうな長い刀。
夜の闇の様な漆黒の鞘、雪原の様な刀身。
凛さんの分身とも思える美しい刀がそこにあった。
「ふふふ、この太刀に見惚れるのは良いが、話を進めて良いかい?」
「ハッ……は、はい!すみません!」
いけないいけない、あまりの美しさに時を忘れていた。
実は、俺は小さい頃から武器が大好きだった。
その中でも『刀』は別格で、雑誌や写真集をコレクションする程だ。
本物の刀を買おうとして、父さんに怒られたのは、今では良い思い出になっている。
そんな、憧れの刀……それも『太刀』が目の前にあるのだ。見惚れてしまったのは、仕方がないと思う……しかし"和服ポニテ刀剣美女"かー……これだけでもご飯3杯はイケる!
「無理はない、この太刀は怪しい魔力があるから。雪人族の呪われた名刀『紅雪』それがこの太刀の名前だよ」
「紅雪……」
純白の雪を、血で染める呪われし妖刀……か。
ヤバい、持病が疼く……え、病名?もちろん"中2病"だよ!
「エリスはどうしたい?」
「はい、短剣にしたいと思います」
短剣術は覚えておいて損はない。
「短剣か……うん、エリスに合っていて良いと思うよ」
「はい、ありがとうございます!」
「それじゃあ今はこれを使っときな」
渡されたのは剣鉈の様な短剣だった。
飾り気が一切なく、実用性を重視したシンプルな短剣……シンプル ザ ベストをモットーとしている、俺好みの短剣だ。
「安物だけど無いよりはマシだ。今日のところはそれを使っときな」
「は、はい」
安物って……刃物の良し悪しなんてわからないからどうも言えんが。
「じゃー、適当に打ち込んできて。実戦が一番てっとり早いから。」
「わ、わかりました……では、行きますよ!」
〜かれこれ昼食を挟み10時間後〜
「はぁ……はぁ……つ、強すぎですよお姉ちゃん」
「そりゃどうも」
負けた……完膚なきまでに。
完敗・完全敗北・連敗
どの言葉でも当てはまる様な内容だった。
最初は、俺も凛さんに刃物を向ける抵抗があったが……、そのうちに抵抗感なんてものは無くなっていた。斬りかかると、太刀で弾かれて肌を浅く斬られた……その繰り返し。
冷静さと相当の技量が無いと出来ない芸当だ。
「殺る覚悟が無ければこちらが殺られる」……凛さんが言っていた言葉だ。
ここは異世界で日本じゃない、その現実を改めて実感させられた。
「驚いたよ。エリスの俊敏さと、その動体視力は目を見張るものがある。種族が影響しているんだろうね、途中から体術を混ぜたのも良い発想だったよ」
「ありがとうございます。でもお姉ちゃんに一度も当たりませんでした……」
ヤバかった……俺の攻撃を全て避け、時には弾き飛ばされた。
「当たらなければどうと言う事は無〜い!」とか言いそうな感じだった……絶対二つ名『赤い◯星』だよ。
「最後ら辺は危なかったよ。よく今日一日であそこまでやれたもんだと、私は感心するよ」
「朝日は必ず一矢報いてあげますよ!」
「ほー、そりゃ楽しみだ」
リベンジなのです!
アイアムネバーギブアップ!
「さて、夜ご飯にしようか」
「イェーイ!待ってました〜!」
「あんまりはしゃぐんじゃ無いよ」
仕方ないのです!
凛さんの料理が美味しいのが悪い!
「何か今、凄く理不尽な事を言われた気が?」
「き……気のせいですよ!」
あぶねー!
勘鋭すぎるだろ!
「今日はこれを食べたらさっさと寝て、明日に備える事。そうじゃなきゃいつまでもその全身の傷は治らないよ。」
「誰に付けられたと思ってるんですか!?」
「エリスの危機感が足りなかったのが悪い」
理不尽な!?
そうして俺の訓練2日目が終わった。
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