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大切な思い出  作者: SHION
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これはりょうがではなく優の目線である…


俺は小五の時に車にはねられて死んでしまった。

俺にはある未練があった。それは好きな人に思いを伝えられなかった。凜音に好きってことを伝えられなかった。その感情があったから俺は成仏できなかった。

誰にも気づかれることなくはねられたところで1人いた。そのまま月日は流れ4年が経った。もちろん俺はなにもしていなかったわけではない。幼なじみのりょうがや凜音、祐奈のことを見守っていた。

ある時俺は不可思議に感じたことがあった。それは祐奈のことだ。俺が死んでしばらくした時同じ方向に帰るはずの3人なのになぜかりょうがと凜音しかいなかったからである。俺は気になった。アイツらが祐奈をほって帰るはずがなかったからだ

俺は祐奈の家に行ってみた。もちろん俺の存在が祐奈の親に見えるわけがない。こっそりお家に入り部屋を覗いた。しかし、祐奈はいなかった。まだ帰ってきてないのかもしれないとは思ったがその日結局帰ってくることはなかった…。


次の日


朝からりょうがと凜音の姿を見かけたがやはり祐奈の姿はなかった。俺はこっそり祐奈の母親の車に乗った。もしかしたら祐奈の場所に行くかもしれないと思ったからだ。だが俺としては行って欲しくなかった。なにかあったのかもという不安もあったからだ。しかし現実は甘くなかった。俺と祐奈のお母さんが行ったのは病院であった。祐奈は入院してるんだって思った。

病室に入ると祐奈がいた。だが驚いたのはそこではなかった。祐奈はやせ細り髪の毛が抜けていた。周りにはシートのようなものがはられており中に入る人をまるで拒むかのようになっていた。


しばらくして祐奈の体調は崩れていった。咳をするとなぜか血がでてきたり高い熱がでたり。それは今思えば死が近くなってきているということを知らせる合図だったのかもしれないと俺は思う。徐々に衰弱し弱々しくなる祐奈。俺は祐奈から離れなかった。だが別れは音もたてずに近づいてきていた。それは急におこった。祐奈が高い高熱をだし倒れた。先生の措置により一時は良くなったのだがその後すぐに高熱をだし措置をしたが先生の手は止まった。俺は叫んだ。

「やめないでくれ!祐奈はまだ生きてるんだ!まだ生きられるはずなんだ!」と。

だが先生はなにもせず俺は祐奈が天国へ旅立つ瞬間を祐奈の親と一緒に見届けた。


祐奈が死んで俺はなにも考えることができなくなってしまった。もう祐奈がいないことは分かっている。だから俺は決めた。りょうがと凜音を絶対に死なせないと。2人を見守っていくと俺は祐奈に誓った。

死というものは急に襲ってくる。りょうがが俺の死んだ道で事故にあった。俺は止めることができなかった。りょうがは道に倒れ酷い出血をした。また救えなかったのかと後悔した。だがりょうがは息をしていた。だから俺は自分ができることをした。りょうがの隣でひたすら

「生きろ!」

と叫び続けた。りょうがが救急車に搬送される時もついていった。

幸いりょうがは一命を取り留めた。だが問題はそこではなかった。記憶喪失になっていた。今までの記憶が全て失われた。凜音も祐奈も俺の事も。凜音は今までずっとりょうがが好きだったことを俺は知っていた。なにか役に立てることはないかなって思った。


りょうがが退院した次の日


俺はりょうがのそばにいた。りょうがのお母さんが昨日祐奈と俺の名前をりょうがに教えたからだ。祐奈のことを思い出してりょうがは泣いていた。そりゃ泣くと俺も思った。そして明日がどうなるか心配だった。りょうがはアホだから凜音に俺や祐奈のことを聞くに違いないって思ったから。心配はやはり的中することになった…


次の日


りょうがは朝から寝坊とか相変わらずだなと笑ってしまった。相変わらずのんびりしているなって。凜音がりょうがの家に上がり10分くらいしたくらいだろうか。りょうがは目覚めた。1階に行き凜音に朝から怒られていた。相変わらず仲がいいんだなって思った。

学校へついた。俺も懐かしいなって思いながら校舎のなかを見ていた。その時音楽室でりょうがは止まった。なにかを思い出したのだ。俺は嬉しかった。記憶が少しでも戻ってくれたことに。その後やはりりょうがは俺の事を凜音に聞いてしまった。凜音は泣き崩れた。無理もない。凜音の目の前で俺は死んだのだから。りょうがはそれを覚えてないからな。俺はどうすることもできなかった。


奇跡は起きた。それは突然に。

夕暮れの時間帯に俺の体はなぜかりょうがに見つかってしまった。夕暮れ時はあの世とこの世がリンクする時だと何かの本で読んだことがある。俺はりょうがに話しかけた。りょうがは俺の事全く覚えてなかった。悲しかったよ。りょうがはやっぱり凜音が泣き崩れたことを気にかけており俺に凜音と俺の関係を聞いてきた。さすがに死んだってことを伝えることはできなかった。だから俺は凜音の元カレってことで話した。

凜音に対する罪悪感はあった。勝手に変なこと言ってごめんって。でもこうするしか俺には思いつかなかったんだ。

りょうがに凜音を大切にして欲しいって願ったのはこれが初めてだった。

俺の体は徐々に透け始め空へ向かって浮き始めた。俺の未練がなくなったんだと思った。ただりょうがに伝えたかったことは伝わったのかな?



りょうが。凜音を大切にしてやれ。

そして2人で仲良く過ごしてくれ。


伝わるといいな。


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