涙
今日から学校だ。
俺の学校は比較的家から近かった。クラスに入るとまず生徒みんなが俺を見るなり、
「お前、大丈夫だったのか!?」
と声をかけてきた。このクラスメイトはまだ俺が記憶喪失になったことを知らない。伝えてないからだ。先生には伝えてあるがみんなが心配するといけないからあえて言わないようにしてもらった
学校生活は実に面白い。特に体育が気に入ったようだ。なにも覚えてないが先生達がそれをみんなに知られないようにカバーしてくれている。
問題は国語や数学だ。やり方すら覚えていない。
難しくて頭がこんがらがった。
授業後
俺は先生の所へ行き、今までやっていたことを聞いてみた。
「俺は記憶を失う前はどんな感じでしたか?」
「お前は常に明るくてクラスの人気者だった。でもたまに喧嘩することがあったな。喧嘩っパヤイからな。俺も少しはお前の記憶を戻してやれるかもしれないからなにかあったら聞けよ?」
俺はこの先生に聞いてよかったと思った。
下校
俺は今、凜音と一緒に帰っている。
もちろん記憶を取り戻すためだ。今は俺がひかれた交差点にいる。もちろんなにも覚えてない。
だがとてもそこの道を見るととてつもない吐き気にみまわれた。その時、頭の中にとてつもない数の記憶が戻ったのである。
「凜音。俺、思い出したよ。ここは優の死んだ場所じゃないか…?そして俺もここではねられた。これは偶然なのか?」
凜音は涙を流した。
「もしかしたら、優がりょうがを守ったんじゃないかな?前言ってたよね?優に会ったって。それは優の幽霊なのかもしれない。優が私たちを見守っていてくれたのかもしれない。」
俺も涙を流した。優の優しさに。だがまだ気になることがある。それは優と凜音が付き合っていたということだ。その話を聞いたあの時、とても嫌な思いをした。りょうがは聞いた。
「お前と優が付き合っていたって本当なのか?」
凜音は、
「そんなことないよ。なんで優はそんなこと言ったんだろう?」
2人は笑いながらそれぞれの家へ向かった。
りょうがの記憶が全て戻ったわけではない。
これからもずっと凜音とりょうがは記憶を取り戻す為に2人で思い出の欠片を探し続けるのである。




