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三話目、バーサーカー、初めての目撃


「んぁ......」


トモノリの目が覚めると、揺れる洞窟の天井が見えたが、体を動かすことは出来ない。


「(金縛り?)」


トモノリは脳内でそう考えたが、目は開いている。それならば口が動くはずだと、助けを呼ぶ。


「助けて!ってあれ?」


目の前には半透明の光の縄?で縛られた自分の体。ただ一つおかしい点はやたら右手、レヴィを持つ右手が固定され動かせないようになってるという言葉。


「おい、コイツ正気に戻ったぞ!」


性格がキツそうな若い女の声、が横から聞こえるが首も固定されてしまった為、見ることが出来ない。


「ヒール掛けましょうか?」

「教会に運べば、向こうがしてくれるんじゃない?」


おっとりとしたゆっくりめの声、こちらも若い女の声。もう一人は少し不機嫌で近くから聞こえるがまた若い女の声。


「あの......これどういう状況なんです?」


トモノリがそう聞くと、近い不機嫌の人が話す。


「君は呪われている、その短剣に。こっちでは対処出来ないから。教会に送らせてもらう事にした。」


淡々と告げられるその言葉にはまるでレヴィのせいのように聞こえ、トモノリはモヤッとした。


教会とは神官を多く育てる養成機関でもあり、怪我や欠損した体を治す専門機関であり、現代技術よりも早く治る為、民間にもよく使われている。


「レヴィの何処か呪われていると言うのですか?こんなに美しいのに......」

「名前までか......」

「重症だな」

「ダメですね。」

「アウト......」


三人いると思ったら四人おり、その四人から総攻撃を受けるトモノリだったが本人は至って真剣である。


「というか解いてくれませんか?」

「暴れるから無理だな」

「いや、暴れませんよ」

「呪いで暴れるだろ」


性格がキツそうな声の人が質問に答えてくれるが無駄で、簡単に拒否される。


「自己紹介しませんか?」

「ああ、いいぞ」

「僕はトモノリと言います。今日初めてダンジョンに入りました。ダンジョン初心者です。」


トモノリがそう言うと何故か天井が見えなくなり、地面に足が着いた。


「休憩。......ちょっと私心配してくれてもいいんですが」

「ヒール掛ければ大丈夫ですよね!」

「......ん。そう。」

「ああ。そうだな。」


見えたのは銀髪のさっきまでトモノリを担いでいた女が金髪の神官、黒髪の魔法使い、赤髪のシーフが仲良さげそうに話す様子だ。


「そういや、自己紹介だったな。」

「あ、はい。」


赤髪がトモノリを見てそう言い、自己紹介をし出す。


「アズサだ。ヴァルキュリア第三部隊所属。アサシンだ。」


それに続けて、金髪の神官、銀髪の戦士、黒髪の魔法使いが話し出す。


「セフィーです。ヴァルキュリア第三部隊所属のハイプリーストです!よろしくお願いします、トモノリ君!」

「えー、ミズキです。ヴァルキュリア第三部隊所属。セイントナイトをしているわ」

「......リル。ハイマジシャン。以下省略」


ココは日本。しかし二人は不似合いな名前であるがこれはキラキラネームと言うやつでダンジョンが出始めてから急激に増加した名前であり、むしろ普通の日本の名前の方が少ない。


「ココって何処ですか?洞窟みたいですし......」

「ここか?ココは十三階だぞ?自分が来た階層を知らないのか?」

「はい?十三階?僕は一階にいましたけど?」

「そんな訳あるか。無意識に十二階登ったとは有り得ん。」


トモノリは赤髪のシーフ、アズサの言っていることが分からないようだが、彼女は間違っちゃいない。実際ココは十三階。彼女らは『大不幸』が影響し、トモノリがモンスターハウスで運悪く十二階も飛ばされたとは考えられなかっただろう。


「その短剣はなんですか?」


金髪の神官、セフィーは短剣を指す。


「レヴィだよ。美しいだろう?このシャープなデザインにこの綺麗な曲線......最高だ。」

「......ああ、うん!」


セフィーは引きながらも、傷付けないように接する。


「ねえ......どうする、アレ。」

「......病院行き。」


遠くで銀髪の戦士、ミズキと黒髪の魔法使い、リルが何やら話している。


「この縄?みたいなの解いてくれませんか?」

「いや、正気に戻ったのはいいが、後ろから刺されちゃ洒落にならないんだが。」


そうアズサが言うと何も知らないような顔をトモノリはする。


「暴れるとか、刺すとかって一体なんのことを言ってるんですか?」

「無意識なのか......」

「ええ?」

「じゃあ、あれだけ暴れてもステータスとか変動無かったんですか?」

「......ステータス。」


セフィーに聞かれ、今まで気付いてなかったようでトモノリはステータスを開いた。


_________


名前:ミツダ トモノリ


職業:狂剣士Lv4、探検者Lv2

称号:大罪に呪われし者、バーサーカー、血の衝動に駆られし者、嫉妬深き者

装備: 嫉妬に呪われ血塗られた短剣


ユニークスキル:大不運

スキル:投擲 Lv3、短剣術Lv4、自動回復Lv3、身体強化Lv3、筋力強化Lv2、吸血Lv2、悪食Lv2、クリティカル率強化Lv1


アーツ:狂化Lv1


_________



「なんか凄い上がってる......」

「見せてください!」

「......セフィー、おすわり」

「はい?」

「マナー違反だぞ」


セフィーはアズサとリルに止められ、その場でしゃがみ込ませられる。

基本、他のダンジョン探検家のステータスやスキルを聞く、又は見る事はマナー的に駄目だと言われているのが常識だ。見せてしまうと能力に対策をされてしまう危険性があり、襲われる可能性が有るからだ。


「......」


トモノリは考え、ある言葉を口にする。


「いいですよ、見てもらって。」

「いいんですか!」


セフィーがガバッと起きた。


「その代わり解いてくれませんか?」


トモノリの考えはマナー違反であるステータス見せを逆手に取り、信頼性を上げる為に見せると決めたようだ。


「どうせ、さっきみたいに四人で抑えればいい?」

「ん......前歩かせる。」


ミズキはどうやら賛成のようだが、自分が担ぎたくないからの意見とも考えられ、リルはそれに安全策を出す。


「おいおい、大丈夫かよ......」

「......もう遅い。」

「......」


アズサは心配するがリルが指さす方向にはトモノリのステータスを見るセフィーの姿。他が仕方なさそうにステータスを見るセフィーの元に近づいて行く。


「あいてっ!」

「......で、どうなんだ?」

「......呪いは確実。」

「称号って簡単に手に入るものじゃ無いですよね!」


アズサにゲンコツを入れられたセフィーは痛そうに声を出すも、ステータスを見続ける。


「レベル的にも4、5階辺りだな。」

「......大部屋のゴブリンは1、2階に出る。彼の言う事は間違いなさげ」

「じゃあ、本当に一階から飛ばされたって言うのか?」


皆がステータスを見て考察している中、トモノリは思ってた事をようやく口に出す。


「あの......何時になったら縄?を解いてくれるんですか?」

「「「あ。」」」

「......ん、今。」


トモノリを縛っていた束縛の魔法をリルは解除し、トモノリはようやく自由の身となった。


「休憩終わりにするか。」

「はい!」

「そうわね」

「......ん。」


そして流石に休憩時間が長すぎたのか、アズサの発言で出発する事となった。トモノリが先頭で。


「だ、大丈夫ですか?これ」

「大丈夫だ、援護はする。援護は」

「......同じく」

「回復は任せて!」

「肩が軽い......」


そうして、心配ながらもトモノリは歩いていくのだった。

戦闘シーンが頭がバーサーカーみたいな描写。書いてる本人も頭バーサーカー。

実際、なんか楽しいのはバーサーカーの気質があるからだろうか......

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