十二話目、対半人
『狂化』、『肉体活性』の乗った軽い一閃。しかし、それは半人キリギリスの鉤爪により、受け止められる。
その後に待ってるのは、力の押し付け。強引に鉤爪を押しやり、半人キリギリスを後退させる。大きく飛ばされたものの羽で調整し、衝撃吸収。
その間にも距離をつめ、厄介である半人キリギリスの脚部、右足に向けて斜めに切り裂く。
「ギギギギィ......!?」
「がァ......!!」
しかし切り裂かれ、落下したのは一本の前足の鉤爪付きの前足。そしてレヴィは二本目の前足に傷を付けた程度で止まってしまう。そして、半人キリギリスの脚部によるキックをマトモに胴部に受けてしまう。
しかし、仰け反った程度。 すぐさま反撃とばかりにレヴィによる相手の胴体への突き、相手に深々と刺さり、緑の血を流す。
「ギギギギィ!!」
「がァ!?」
それは密着し過ぎた。半人キリギリスのキックを脚部へと受け、半人キリギリスの胴部にレヴィを刺したまま吹き飛ばされる。そして呪いにより、レヴィは手元に戻り、半人キリギリスの胴部にポッカリと穴が開いた。
しかし、半人キリギリスは虫であるからだろうか?流石の生命力で前足一本と胴体に傷を付けただけではビクともせず、何事もないように歩く。
その姿を見たトモノリは素早く立ち上がった。その瞬間だ。
「っ!」
「ギギギギィ......」
トモノリが声を出す暇を与えず、半人キリギリスは瞬間的移動、『瞬歩』にて距離を詰め、残り三本の前足の鉤爪で引っ掻く。
予想だにしてなかったトモノリはそれもマトモに受け、複数から赤い血を流し、されるがままなど有り得ないとレヴィを投げ、頭部に刺そうとするがそれは当たらなかった為、掴み掛かる。それは容易に回避されるが、近距離を維持。レヴィが手に戻ってきた瞬間に投擲。
「がァ!!」
「ギギィ!?」
それは頭部に当たることは無かった。しかし、触覚を一本切り裂く事が出来た。触覚が切られたことにより半人キリギリスは動揺したものの、脚部による攻撃。しかし、それは戻ってきたレヴィによって防がれる。
「がァ!?」
「ギィ......!?」
ただの馴れ合いのような当たると思ってない一閃。しかし、空間把握能力低下を原因とし、半人キリギリスは大きく胴体を裂く。
流石の半人キリギリスはこれに怯み、トモノリの無造作な連撃を食らってしまう。
それは頭部、胴部、脚部など、様々な場所を傷つけ瀕死へと至らしめる。
ドサリと半人キリギリスは地面へと倒れる。それは勝利だ。
「ガァああああああああ!!」
勝利の雄叫びを上げると、それが平原へと鳴り響く。
その後、辺りを見渡すとモンスターハウスのボーナス宝箱を発見する。
もちろん、開ける以外の選択肢はない。宝箱の箱を開けるとそこには......
赤黒いネックレスのようなものがあった。もう何度も見た光景だ。大不運の効果は凄まじく、なんとも怪しい見た目の装備が続く。そしての赤黒いネックレス?に触れると例の如く、手が自然に受け、装備をする。
「がぁ!?」
その瞬間のことだ。赤黒いネックレス?は形状変化し、ヘルムの如くトモノリの頭にカッチリと固定。そのデザインはトゲトゲしく元の形通り、赤黒いモノだった。
するとその装備をすると何か変な感覚に襲われる。それは今まで知らなかった力を吸われているかのような感覚。しかし、質の良いモノだと言う事は分かった。
しかし。窮屈なのは変わりなく、ヘルムを掴んでゆすろうとする。
しかし、触ろうとした途端、ヘルムは赤黒いネックレスへと姿を変えた。
トモノリは自分の手を見るが何も無く、首を抑えるとそこには赤黒いネックレスがある。不思議に思いつつも、気にせず平原を歩こうするとまたしてもヘルムに変形し、頭部を覆う。
「がァ!?」
そのヘルムを脱ごうとするとやはり取れず、ネックレスへと変形する。少し待ち、そのヘルムを殴ろうとするとヘルムは変形せず、パンチはヘルムに直撃。その後にネックレスへと変形した。
「グゥ......」
少し経つとヘルムに戻るため仕方なしに、諦めて平原を歩いて行くとそいつらはいた。今度は二体、半人キリギリスの姿で身長は二十センチほど二体で差がある。
トモノリの『狂化』、『肉体活性』はとっくに終わっており、クールタイムを迎えている為、先程の様に上手く行くことは無いだろう。しかし————
「がァ!!ガァああああああああ!!」
トモノリは目を見開いて、半人キリギリスを見る。するとヘルムの奥の目は真紅の光を漏らす。そして、その後の『咆哮』。
「ギィ......」
「ギギギィ......」
「がァ?」
すると目の合った二体の半人キリギリスが静止する。トモノリは何故、彼らが止まったかを理解していないがレヴィを握り、駆け出した。
「「ギギィ!?」」
横薙ぎを放つ。しかし、それは寸前でご自慢の足で避けられるが、彼らは何やら驚いてる様子。そんな中、トモノリの攻撃は止むことは無い。乱雑なレヴィによる攻撃。
「がぁ......!」
それは彼らに当てることは難しい。先程は運良く、空気の振動を感知する触覚を斬った為、当てれたものの。今回はその幸運は訪れない。しかし、その幸運は、という話だ。
トモノリと一体の半人キリギリスの目が合った。するとまたしても、硬直だ。この至近距離、ぎりぎりで避けていた彼には1秒未満すら命取り。容易に、レヴィで首を狩る。
「ギギギギギギギィィイ......」
長い鳴き声。仲間を失ってしまったのか、密接な関係を持っていたのか、半人キリギリスは怒り出したかのように鳴いた。
トゲトゲの鋭い足を踏み込んだ、『瞬歩』。
「がァ......!がァッ!」
トモノリの顔面にキックを炸裂させ、トモノリを倒れさせたものの、それはヘルムに遮られ、致命傷とはならない。そして、ヘルムはネックレスに戻る気配はないようだ。
仕返しとばかりの投擲。レヴィを投げたものの目標位置、頭部からサッと避けられる。触覚の影響は強い。
続いて、戻ってきたレヴィによる連撃、距離が遠ければレヴィによる投擲。半人キリギリスに粘着するような戦い方であり、近付いた半人キリギリス半人は緑のオーブ、紫の水に生命力を削がれる。
「ギギギギィ!!」
「がァ!!」
半人キリギリスによる、投擲の間を縫ったような蹴り上げ、それは瞬時に戻ってきたレヴィによって塞がれる。しかし、それは半人キリギリスに予想済み、本命である『瞬歩』でトモノリの真後ろに移動からの一撃。それは回避により、トモノリの左腕にズレて、赤い血を流す。
常人ならば、怯むとこだろう。しかしトモノリは狂っている。
「ギギィ!?」
そのまま、トゲトゲの足を掴み、胴部へのレヴィによる斬撃。レヴィの紫の刃は凄まじく伸びており、2倍以上に達していた為、容易に腹を切り裂く。
「がァ......」
戦闘の終了。トモノリはそのまま四つん這いとなり、自動回復による左腕の回復を待った。
ふと、先の平原を見ると広大であり、まだ続きそうだった
早く、ダンジョン編を終わらせたいが、その後がきつい




