10話 明るく紹介
放課後、空き教室、桜の気配もすっかりなくなって、斜陽に雀の影がよくかかる。
まず、ドヴォルザークより紹介された男から。「自己紹介をお願いします」
「神野六斗だ。神野六斗。1の1だ。趣味は、あることの研究。これは言えない。許してくれ。クラスでは、日陰者をしている。誰も俺の想像についていけない。俺は唯一無二だ。よろしく。」
うん、こういうタイプか、まさか高校でこういう輩を見るとは、、嫌いじゃない。とりあえずあいさつ。「よろしく、神野くん」「よろしく」「よろしく」
変わっているのは悪いことじゃない、有象無象が有象無象と自認して生きている方が、わたしはよっぽど気持ち悪いと思う。
次に、藍くんの紹介。「こんにちは、どうも、紹介に預かりました、藍 翔龍の妹、藍 天音です。まだ中学生ですが、仲良くしていただけると、嬉しいです。」なんとまあ、、中学生ねぇ、いや、聞いてはいた、聞いてはいたのだが、マジモンのじゃねえか。進藤の冗談だと思っていた。「じゃあああーん」うるさ。「見ろまこと!中学生がうちの部に入るぞぉ!!冗談に見せかけて冗談じゃあない、マジモン中学生入部ドッキリだ!」
「だる」進藤は心底楽しそうだ。「しかし進藤、落ち着け、まだ入部申請をしていないだろう。中学生が部員として認められるのか?」「まあ落ち着けよ真ちゃん」だる。「認められる。なぜなら、書面上は藍兄の名前だからだ」ふうん。「だがそれ、学校には隠すことになるのだろう?部活には顧問が必須だし、すぐバレるぞ」「大丈夫だ。策はある。」「what」「顧問を共犯にする。つまり顧問に、隠蔽に協力してもらう」「それは策とは言わない」「顧問を引き受けてくれる教師は既に確保している。その人は父親の知り合いで、俺もこの高校に入る前から知っている。その人に頼んでみたら、承諾してくれた。そしてここからが本題だ。その人を今日この教室に呼んでいる、17時15分頃来られる。短期決戦になる。まずこの話を持ちかけて、断られる確率の方がが高いだろう。だからあと40分、この時間で準備する。これが俺の考えた会話シミュレーションだ」




