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異世界最強の転移者と15人の美少女闘刃姫  作者: 西村将太郎
第4章 魔人ラッソ
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4-27 マール

ご愛読、ありがとうございます。

これにて4章を終わります。

 魔人との試合に勝利し、約束の王族解放を確認に行くクーヤ達、王族のカークに案内を頼んだ。


 〇 玄武王城

「駄目だ。今は人質生活から解放されて、いろいろやることがあるから、明日にしてくれってさ」

 カークは玄武王との話し合いの結果を知らせて来た。

 俺の権威は四天王と同等のはずなんだがなとクーヤは思うが仕方がない。

 空気の読めない男と言われるのは嫌だからな。

 その代わり、明日のアポはしっかりとって置いた。


 今、城のホールに居るのだが、いきなり予定が無くなってしまった。

「じゃあな、俺は仕事があるから失礼するぜ」

 カークは去って行った。


「王様が合うのは明日にしてくれってさ。どうする?」

 クーヤが従者達に聞いた。

「せっかく、玄武国に来たのだから観光でもしましょう」

 マシロが暢気に言う。


「アカネさん、近くに何かあるの?」

 ミヤがここに転移したアカネに聞く。

「アタイは城に軟禁状態だったからな。何も知らない」

 そりゃそうだ。異世界から来た言葉も話せない少女を観光案内する奴はいない。


「あんた、クーヤだろ。ワイがここらを案内しよか?」

 いきなり、綺麗な金髪の可愛いエルフ少女が顔を出した。


「君は誰だい?」

「ワイか、ワイはマールちゅうねん。よろしゅうに」

 クーヤの問いにマールは答えた。


「この子、ボウだよ」

 ヒイが鼻を鳴らして、少女を指差す。

「ボウってヒイと戦った弓使いか?」

 クーヤはマールの顔をじっと見る。


「なんやもうバレてもうたんかいな。しゃあないなあ」

 マールはサバサバしたものである

「あん時は魔人に憑依されてて、アンタらを敵としか思えんかったんよ」


「それが俺達に何の用があるんだ」

 クーヤは少し警戒を始めた。

「ちょっと、こんな場所では話せへんわ。ちょっとご飯でも食わへん?」


 ちょうど昼をちょっと過ぎていたので近くのレストランへ行き、冷麺をメインに大餅、蒸し餃子、シュウマイなどを頼んだ。

 料理は普段食べないものばかりで、皆黙々と食べた。


「君は何の用があるのかな」

 クーヤはそろそろいいだろうとマールに聞いた。

「うん、ワイを・・いえ、私を助けて欲しいのです」

 マールは言葉遣いを改め、長い髪がひっくり返るほど頭を下げた。


「ええ、?俺にどうしろって言うんだい?」

「闘刃姫にして欲しいです」

「俺の従者になりたいってこと?」

「そうです。お役に立ちますからお願いします」

 マールは頭を下げ続けている。


「ヒイ、どう思う?」

「うーん、分かんない」

 ヒイに聞いたクーヤが悪かったのかな。


 結局、全員が分からないからお試し期間を設けることにした。

 今日はヒイの家にマールも一緒に泊まることにした。

 ライヤに今日は帰らないことをナオジに連絡させた。


 郊外に建てたヒイの家は改造され、収容人数が大きくなっている。

 2階が増えて、女性の寝室になってる、収容人数は最大20人。

 1階は玄関、更衣室、風呂、トイレ、台所、食堂兼男子寝室などすべて拡張。


 ちょうどマールが食堂に入って来たので呼び止めた。

「君はいくつだ?」

「13歳です」

 見た目通りの年齢だな。

「調理はできるか?」

「焼く、煮るはやったことがあるけど自己流で、まともに教えてもらったことは無いです」

「そうかなら、皆に聞きながらやってみてくれ。うちは遠征中は自炊が多い」

「はい・・・」


「なんだ疑問でもあるのか?分からないことは聞いておけ」

「はい、皆さんお強いですから、空いた時間は教練に当てているのかと思いました」

「それは訓練も教練もやるが、基本皆には仕事を持ってもらうつもりだ。自分で自分が養えるようにな」

「へええ、そうなんですね」


 クーヤは従者には工場を管理してもらおうと思ってる。

 クーヤ一人では全体は見られないし、インストールする人員にも限度がある。

 マールには工場も見ていないのだから、分かるはずもない。


「だから、従者になって貰う人間は、協調性があって優しく素直な人間を求めてる」

「え、武芸の出来る美少女じゃないんですか?」


 クーヤは焦りながら答える。

「ま、まあ、ここだけ見れば、そう見えるかもしれないが、従者はここにいるだけじゃないんだ」

「そうなんですか?」


「ここにいるのは武芸をしたくて、俺と生活したい者なんだよ」

「私もそれが良いです」


 そこでマシロがマールを呼びに来たので去って行った。

 食料品の買い出しの案内に呼ばれたみたいだ。


 ワンボックスで行ったので、俺の世話役のヒイとミヤとハイジは俺と留守番である。

 ミヤは台所で湯を沸かして、お茶の用意をしている。

 ヒイはハイジを散歩に山の方に連れ出した。


 クーヤはマールを従者にする場合、親の承諾が必要だなと考えていた。

 そう言えばなぜ魔人のところに居たのとか、分かってないことが多すぎるな。

 玄武国のエルフなのだから、そこそこの家の出身じゃないのか。

 夜に話して見るか


 ミヤがお茶を運んで来たので、クーヤは考えることをやめた。


 夕食ではマールも調理を手伝ったようで、従者の輪に入って楽しそうに話をしてる。

 入浴後、クーヤは従者のリーダー格のマシロを食堂に呼んだ。


「マールをどう思う?」

「良い子ですよ。あなたに憧れを抱いているようです。従者にしてあげればどうです」

 マシロはニコッと笑った。


「また嫁になるとか言うんじゃないだろうな」

「いやですか?」

「なんというか、君達への罪悪感もあるしな」


「かまいませんよ。この世界でのあなたは配偶者としての価値はかなり高いみたいですし、アカネとアオイ、そして私をずっとそばに置いてくれるなら文句は言いません」

 マシロ達は日本に帰らずにこちらで暮らすことを覚悟した時、俺が多妻になることも考えたようだ。


「まあ、それもマールの親に聞いてみないと決められないけどな。とりあえず、マールの話を聞きたい。ここに寄越してくれ」

「分かりました」

 マシロは階段を上がって行った。


 暫くしてマールが来た。

 クーヤはマールを食卓を挟んで、座らせる。

「どうだ、従者になりたいと言う気持ちは変わらないか?」

「はい、変わりません。皆さんの話を聞いて余計にそう思いました」


「そうか、お前の親はそれを許すと思うか?」

「許すも許さないもないのです。私の父親は王族ですが皇太子が成人したことで、王族を外されることになり、何とか王族に残ることを斡旋してもらおうと、私を実力のある老貴族に妾として売ろうとしたのです」

 クーヤはミヤのことを思い出していた。


「そ、それは許せんな」

「はい、私はそれが嫌で家出して言葉遣いを悪くし、魔人が募集していると知らずに、武芸者として大連に行きました」

「それでボウとして出場したわけか」

 マールは可愛く頭を下げた。


 クーヤは悩んだ。

 ミヤと立場が同じではないがよく似ている。

 助けるべきだとは思うし、従者にしてやるのが生活に困らないとは思うが、親と話し合うのが嫌だった。

 自分が老貴族と同じ立場になるのではないか、そのことである。


 クーヤが下を向いて悩んでいると、マールが何やらごそごそ始める。

「うん、何やって・・・。ウワッ!」

 マールは帯をほどいて、着物の前合わせだか打ち合わせだかをバッと開く。


 まだ、幼い二つのふくらみが目の前に・・・。

「わー!何やってんの!?」

「初めてなので優しくしてください」

 マールは食堂の奥にヒイとミヤが用意してくれた布団を見ていた。


「そう言うのはなしで、早く仕舞って!」

 クーヤは手で目を塞いで言った。

「えー、だって・・・」


 マールはしぶしぶとさらけ出したものを仕舞う。

「こちの世界の女の子は慎みはないし、重婚は平気だし・・・」

 クーヤはぶちぶちと呟く。


「とりあえず明日、君の父親と話してみるよ」

「えー、父親と話すんですか。やだなー、あいつは諦めてくれないんですよ」

「俺だってやだけど、黙って連れて行ったら誘拐じゃないか」


 王族だと相当な特典があるのか、彼女の父親は王族にしがみ付いていたいらしい。

 人に与えられることで生活する人は、努力とかしないのかなあ。

 マールを2階の寝室に帰して、クーヤは考えるのだった。


 次の日、クーヤ達は玄武王に面会するために王城に来た。

 昨日アポを取ったのですんなり執務室に通された。

 ハイジを除く従者全員とマールを連れて座って待っていると玄武王が何人か引き連れてやって来た。


 俺達は立って迎えた。

「クーヤ殿、昨日は我々のために戦っていただき感謝する」

「とんでもない。あなた方がご無事と聞いて胸を撫で下ろしております」

 俺と玄武王は握手して着席した。


「その方たちが活躍してくれた闘刃姫かな。天帝様は羨ましい、このような一騎当千のツワモノに守られておるとは・・・うん、エルフがおるが闘刃姫にエルフが入ったとは聞いておらぬが?」


「マ、マール!」

 玄武王の後ろに立っていたカークが叫んだ。

「父上!」

 クーヤはおいおいカークがマールの父親かよ、これはちょっとややこしいぞ。


「このマールは昨日闘刃姫になりたいと私の元を訪れたもので、まだ正式には闘刃姫になっておりません。父親がこの城に居ると聞いたものですから、連れてきました」

 クーヤはまだ従者にしていないから、父親に捕まると人身御供にされかねんから連れてきたが、すんなり行くとと良いがなと思っていた。


「カーク。お前の娘が闘刃姫になると言うのか?」

「はい、いえ、マールが許可なく申し込んだようです」

 カークは流石に人身御供にするから闘刃姫にはなれませんとは言えないようだ。


「そうか、我が玄武国からも闘刃姫になるものが出たか。めでたい。いや、白虎王の娘が闘刃姫になっていると聞いて羨んでおったのだ」

 玄武王の言葉にジュレイが恥ずかしそうに顔を伏せる。

 カークの顔色は青くなっている。


「闘刃姫はそんなに有名ですか」

「もちろんじゃ、朱雀国での巨大トラとの戦い、白虎国での龍の群れとの戦い、軍務大臣のクーデターの鎮圧など、いずれも信帝国を揺るがす大事件、それを解決したのがクーヤ殿と闘刃姫と吟遊詩人が歌にしておる。ワシも城の中に招いてよく聞いたものじゃ。

 ただワシは闘刃姫の中にエルフがおらんことを憂いておったの、今回カークの娘がのう。うむ、目出度いのう」


「まだカーク殿の許可を貰っていません」

 クーヤがそう言うと玄武王はカークに向かって言った。

「まさか、カーク反対しておるのではなかろうな」

「い、いや、そのお」

 まあ、娘を人身御供にしようとしてますとは言えなかった。


「うん、反対なのか?よし、では、おまえを王族に復帰させよう。それでどうだ」

 青かったカークの顔が今度は赤くなった。

「はい、クーヤ殿よろしくお願いいたします」


「それからクーヤ殿、今回の礼じゃ。受け取ってくれ」

 大きな皮袋に入れた金貨のようだ。

「今回の依頼は天帝様からです。ご放念ください」

「いやいや直接助けられたのは我々、礼を渡さねば礼儀知らずと呼ばれよう。受け取ってくれ」

「分かりました。ありがとうございます」


 お礼も貰って、マールの願いもカークの願いも叶って、目出度し、目出度し。

 もちろん天帝様からも貰ったよ。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

次回から5章に入ります。

5章では産業革命を中心に信帝国と外国の戦いとなる予定です。

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