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異世界最強の転移者と15人の美少女闘刃姫  作者: 西村将太郎
第3章 天都の悪
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3-26 つかの間の平和

ご愛読、ありがとうございます。

この話で3章を終わります。


 天帝を人質にして信帝国をおのれの物にしようとした軍務大臣トウタク、しかしクーヤ達の活躍で帝城内に潜入させた勢力を失い、門を閉めたことでトウタクが帝城を占拠することはかなり難しくなった。


 〇帝城正門前 転移115日目

 俺は作業部屋からナビさんに軍務大臣トウタクが居ると思われる場所にワームホールを繋いでもらった。

 ゲートから出るとそこは正門から続く道路で百mほど離れた場所だ。

 どこかの貴族の屋敷に止めた箱型の馬車の中にいるらしい。


 俺はドーテの視界の中で近い位置、その屋敷の壁から出て来た。

 正門の方から駆けてくる敵の指揮官が来た。

 俺は植え込みの陰に隠れる。


「閣下、敵は門を閉め、壁の上から弓矢で攻撃してきます。我々は盾で防いで居ますが、けが人が増えています。一旦下がってはいかがでしょうか?」

 なんか必死な感じで報告してるな。


「下がってどうすると言うのだ。北部方面軍なら騎兵が三日で来る。早く門を開けて攻め入れ!」

 馬車の中から冷酷な言葉が帰ってくる。


 天帝を人質にして信帝国をおのれの物にしようとした軍務大臣トウタク、しかしクーヤ達の活躍で帝城内に潜入させた勢力を失い、現実問題として、門を閉めたことがトウタクが帝城を占拠することをかなり難しくした。


 〇帝城正門前 転移115日目

 俺は作業部屋からナビさんにジュンイクの情報で、軍務大臣トウタクが居ると思われる場所にワームホールを繋いでもらった。

 ゲートから出るとそこは正門から続く道路で、そこから百mほど離れた場所だ。

 どこかの貴族の屋敷も前に止めた箱型の馬車の中にいるらしい。


 俺はドーテの視界の中で近い位置、その屋敷の正門の方を向いた壁に開けたゲートから出て来た。

 正門の方から掛けてくる敵の指揮官が居た。

 俺は植え込みの陰に隠れる。


「閣下、敵は門を閉め、壁の上から弓矢で攻撃してきます。我々は盾で防いで居ますが、けが人が増えています。一旦下がってはいかがでしょうか?」

 なんか必死な感じで報告してるな。


「下がってどうすると言うのだ。北部方面軍なら騎兵なら2日で来る。早く門を開けて攻め入れ!」

 馬車の中から冷酷な言葉が帰ってくる。

 こりゃ、偉いさんが中にいるのは間違いないだろ。

 多分軍務大臣だ。


 現実問題として敵兵が持っているのは武器以外は掛矢ぐらいだ。

(掛矢=かけや=大工が使うような大きな木槌)

 到底、門を壊せるとは思えない。


 まあ、キメイを含めて、うちの従者がいなけりゃ門は閉められず、天帝様は人質になって帝城は占拠されてたんだろうな。

 指揮官は分かりましたとか言って戻って行った。

 いやあ、軍隊は上官の命令に逆らえないからつらいねえ。


 馬車はすぐ逃げられるように御者も乗ってる。護衛は騎兵が4騎、歩兵が8人か。

 速やかにやらないと逃げられちゃうな。


 馬車の扉の前にいるのは歩兵の4人だけだ。

 うーん、どうするかな。逃げられると厄介だよな。

 応援を呼ぶか。


 俺は遠距離攻撃が苦手なミヤ、マシロ、アカネを従者通信で呼んだ。

 俺は作業部屋まで迎えに行くとハイジも来ていた。


「ハイジも行きたいのか?」

「ウォン!」

「ヒイちゃんについて行ったんですけど、ほとんど活躍できなかったようで・・・」

 ハイジの頭を撫でるマシロ。


 まあ、ヒイとミヤが居る戦場じゃあ、ハイジの出る幕はないかと同情してしまう。

 それじゃあと作戦を説明した。

 もちろん馬車とゲートの位置関係の映像は共有した。


 まずはゲートからミヤが飛び出る。

 次はハイジ。マシロとアカネ。

 それから俺だ。


 ミヤが走って馬車の前に回って御者に飛び付く。

 御者がその場で崩れる。


 ハイジは馬の前に回った。

「アオオオオオーン!!」

 ハイジの遠吠えのような咆哮に馬たちは一様に硬直する。ハイジの異能のようだ。


 マシロとアカネは馬車の扉側に居た4人の兵を無力化する。

 俺は扉を開けると軍務大臣は驚いていた。

「だ、誰かあ!!グッ・・・」


 すぐに口を塞いで当身で無力化する。

 軍務大臣を馬車から引きずり出すと。護衛の兵はすべて無力化されていた。

 俺達は軍務大臣を連れて帝城に戻った。


 すぐに天帝様に面会を求める。

 素早く謁見室に通された。

 天帝様に跪いてお辞儀をする。


 俺の前には縛られた軍務大臣とジュンイクが並ぶ。

「クーヤよ。ご苦労であった」

 天帝様の怯えた顔は消えていた。ホッとする。


「天帝様、この二人を使って、門の前にたむろする兵隊を解散させましょう」

「うむ、縛られたこいつらを見せれば戦意も無くなるじゃろう。ゲントク!」

 呼ばれた近衛師団長は部下に命じて、二人を連れていく。


「さて、クーヤよ。此度の反乱はお前とお前の従者の協力で治めることができそうじゃ。礼を言う」

「いえ、恐れ多いことでございます」

 天帝様が可愛い顔をぺこりと下げたので、かしこまってしまう。

 天帝様は臣下に頭を下げちゃ、ダメだろ。


「お前は貴族ではなく金で朕に仕えるものだ。従って此度の手柄は金で支払われる。じゃが、何かして欲しいことがあれば申して見よ」

「ありがとうございます。ではこの反乱のきっかけになった西域の横領事件ですが、犯人扱いされた主計局の係長がドワーフ族の族長でして、名誉回復を依頼されております」


 俺はドワーフの兄妹にお願いされた剣を天帝様に申し出る。

 天帝様は宰相を呼び、何やら内緒話をしている。


「分かった。本来なら軍務大臣の取り調べを終えてからになるところだが、明らかに係長の反抗とは違う。明日、その旨周知しよう。なんなら勲章でも出そ・・」

 宰相が脇で勲章の話はやめてくれとお願いしてる。


 そりゃ、係長の立場なら知って知らぬふりぐらいはしてそうだからな。

「ありがとうございます。ドワーフ族には学校の教師を依頼しておりますので助かります」

「そうか学校のな。確かにドワーフ族ならモノづくりの教師にはピッタリじゃ」

 宰相がうんうんと頷いてくれている。


 まあ、軍務大臣の捜査は早くても半年ぐらいは掛かるだろうから、あの兄妹も喜んでくれるだろう。


 その後、捕らえられたトウタクとジュンイクの姿を見た天都軍は武装解除して解散した。

 兵隊たちは全く内容も知らずに戦っていたのでおとがめなし、再度兵隊になることも可能らしい。

 まだ残り五千の兵が居るが、北部方面軍が来るまで近衛軍が管轄するらしい。


 とりあえずこの騒動は収束したと思って良いだろう。


 ******


 〇天都 キメイの拠点 キメイ視点 転移116日目

 朝っぱらからドドドと大きな音を立てて走って来た男が私の目の前にいる。

「お嬢!反乱はどうなりましたあ!!」

「まあ、落ち着きな。お前のおかげで、天帝様側の大勝利さ」


 チョウショウは気が抜けたように私の前に座り込んだ。

「そ、そういやお頭や若頭はどうしたんですか」

「父上たちは軍務大臣とのつながりで警らに捕まったよ。父上だけでなく干支座の上層部のほとんどが捕まった」


 昨日一日で天都は様変わりした。

 旧体制で幅を利かせていたあの方と呼ばれていた軍務大臣、それに繋がり利権をむさぼっていた干支座崩壊した。

 後ろ盾を失った教会も長くないだろう。


「私達は新たにクーヤ様の元で働くことになった。私達は来年の春までに信帝国中に拠点を作って、情報収集をやることになる」

「お嬢、夢の話は良いんで、もっと現実的な話をしましょう」


 私達が全国的な組織になることが信じられんらしい。

「ふん、昨日の朝から寝てた奴が偉そうに!」

 キメイの言葉にチョウショウがはたと気付いた表情をする。


「お嬢、俺は大けがしてたはずですが、ケガがないんですが???」

 自分の足や背中を見ながらピョンピョン飛び跳ねるチョウショウ。


「昨日、反乱を鎮圧してからクーヤ様が来てくれて治してくれたんだよ」

 私はなるべく平静を保って言った。なんでって昨日別の人に伝えた時ははっちゃけちゃったからね。


「はあ!?治したって刺さった矢の一本は足だけど、もう一本は肺に刺さってた。教会の治療師だってこんなに直せない。だって、痛みもなければ跡も残ってないんだ!」

 チョウショウは上半身裸になりズボンを脱いで、パンイチになった彼は私にに太ももと背中を見ろと言い始める。


「ば、バカ!!アホーッ!!」

 私は恥ずかしくてチョウショウを蹴っ飛ばした。


 ******


 〇ドワーフの村 族長の家 ライヤ

 広間の上座にクーヤ様が座り、下座に兄ナオジと私がひれ伏していました。

「父の名誉回復、ありがとうございます」

 兄さんが顔を上げ、口上を述べました。


 麻に来訪した朝廷からの使者が、私達の父の無罪を認めたのです。

 クーヤ様が反乱鎮圧のご褒美に父の無実をお願いしてくれたそうです。

 クーヤ様はその戦いで大活躍なされたそうで、もう胸がキュンキュンです。


「ナオジ殿、あなたはもう犯罪者の子供ではない。どうか学校の責任者を引き受けてもらいたい」

 クーヤ様が頭を下げられた。


「顔を上げてください。私が悪かったんです。大役に自信がなかったこともあって、あのように申しました」

 兄さんは恐縮して平伏した。


「大丈夫だよ。君には素質があると思うし、俺の異能で知識を入れることもできる」

 それって兄さんを従者にするって言うこと?


「はい、分かりました。それで・・・」

「クーヤ様、私を従者にしてくださいね」

 私は兄さんの言葉に食い気味に思い切ってお願いする。


「いやそれは、ナオジ君やこの村の意志もあるだろうしね」

 クーヤ様はあまり乗り気でないようだ。

 私は兄さんに合図を送る。何とか兄さんにクーヤ様を説得して欲しい。


「まだ時間はありますし、そこら辺はこれから詰めていけばよいのではないでしょうか?」

「うんそうだね」

 クーヤ様はホッとした顔をして帰って行った。


 ******


 〇帝城宿泊所 転移123日目

 クーデターから一週間、俺達の暮らしも落ち着きを取り戻しつつあった。

 軍務大臣トウタクとジュンイク、それから干支座の幹部たちは財産を没収されて死罪となった。

 日本のように科学的な捜査もできないからかなりアバウトなこともあったと思う。


 なぜこんなに早く決着したかと言うと彼らの財産にある。

 彼らの財産を合わせると国家予算をはるかに超えていたそうだ。

 帝国はそれで国内のインフラ整備を始めた。


 道路の拡幅や港湾の整備、もちろん学校の建設も加速する。

 一時的ではあるが、庶民の懐も豊かになり、産業革命も進みやすくなるだろう。

 もちろん天帝様も人気が急上昇で、その座を狙うものには抑止力になるだろう。


 俺達と言えば一基目の発電設備を完成させ、変電設備を学校内に作り始めた。

 家電とかは日本で買うつもりだが、すでに俺の日本での金は半分を切っている。

 何とかこちらの金を日本円に換金できないだろうか。


 こちらは金の通貨をもとに物価が定まっているので、俺が金を日本で使えば当然通貨が不足し、インフレになってしまう可能性もある。

 何とか俺の手元の金貨もこちらで使わないといけない。


「ようし、明日は休みにして昼食は街に繰り出して、パーティーだ」

「やったー!」

「お酒飲んでもいい?」

「もちろんいいぞぉ」

「ヒイとミヤは飲んじゃ駄目だよ」

「どうしてぇ」

「君達は成人してないからだよ」

「ちぇーっ」


 俺達は平和を楽しむのだった。

 つかの間の平和を。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

後、人物紹介などを挟んで第4章魔人ラッソ編に入ります。

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