表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界最強の転移者と15人の美少女闘刃姫  作者: 西村将太郎
第3章 天都の悪
60/73

3-23 迫る足音

ご愛読、ありがとうございます。

産業革命を進め始めたクーヤだが、徐々にクーデターの足音が近づいて来るのだった。


 展示飛行を終え、いよいよ産業革命の準備を始めたクーヤ達、しかし影では軍務大臣のクーデター計画が進行していた。


 〇帝城宿泊所 転移113日目 第三者視点

 一日の仕事を済ませ、帝城に帰って来たクーヤ達、夕食を済ませて食堂に居た。

「ドワーフの村はどうでした?」

 マシロがクーヤにナオジの説得の状況を聞いた。


「うーん、ナオジには断られた。父親が犯罪者だから責任者にはなれないって」

「そっかー、で、どうするの?」

「製鉄所の職員はほとんどドワーフにしてもらいたいから、そこから選ぶか。

 ジュレイのところにいい人が居れば・・・」


「難しいわね。組織を管理できる人って、居れば父が放って置かないと思う」

 ジュレイも良い返事はできないでいる。

 クーヤは出来れば帝国から独立した組織にしたいから天帝様にお願いは最終手段にしたいと思っていた。


「そうだな。バッテリーの生産が一段落したら、西域と台湾に行くか」

「え!」「ええ!」

 ジュレイとドーテが驚いて声を上げる。


「どうやって行くんだ?そんなに天都を空けられないだろうが」

「飛行機で行くんだよ」

 ドーテの疑問にクーヤが答えてやる。


「行けるんですか?」

「行けるさ、バッテリーがあれば世界一周でもできるよ。両方とも6時間かかんないと思う」

「すごーい、僕も行きたーい」

 ヒイが万歳をしているが、狭い飛行機内に長時間閉じ込められるので推奨しない。


「学校の責任者については保留と言うことですか?」

「そうなるな。秋にはいろいろ動かないといけないから、それまでで良い」


「私達の内の誰かと言う訳にはいきませんか?」

「俺は学校が軌道に乗れば信帝国を離れようと思ってる」


「え、本気?」

「うそでしょ」


「本気だ。俺は組織の一部になるのは嫌だ」

 転移組はクーヤがブラック企業で、嫌な目に遭ってたことを知ってるから黙っていた。

 しかし、ジュレイとドーテは聞いていない。


「どうしてなんだ!旦那ア!俺達を捨てるのかよ」

 ドーテの言葉にジュレイがうんうん頷いている。

「そんなこと言ってないだろ。ついてきたかったら、ついてくればいいんだよ」


「じゃあ、俺はついてく、絶対離れないからな!」

 そう言って胸の前で腕を組む。

 ジュレイは顔を曇らせる。ドーテほどクーヤに執着してないようだ。


「ジュレイさんはどうするの」

 さっき風呂の用意から戻って来たヒイが、発言しないジュレイを追い詰める。

「そ、そう言うヒイはどうするんだ」

 頬を引きつらせてジュレイが話を逸らす。


「僕はセンセーがどこに行こうと、センセーのお世話係だよ。ねえ」

 そう言ってミヤの方を向く。

「もちろん私もついて行きます。それとは違うんですけどご主人様、お風呂の用意が出来ました」

「ああ、僕が言おうと思ったのに」

 ヒイが頭を抱える。


 クーヤはニコニコと上機嫌で居る。

 クーヤの両親は二人とも仕事人間で、彼に温かい家庭を見せてくれなかったし、学生時代には二人とも事故で死んでしまった。


 彼は無意識に、この異世界で温かい家庭を作ろうとしているのかもしれない。


 ******


 〇キメイ拠点 第三者視点

 天都には内郭と外郭と言われる区画がある。

 内郭は帝城を中心に半径3kmくらいに在都貴族の屋敷や高位貴族の天都施設が立ち並ぶ。

 外郭は庶民の街だ。内郭を囲むように5kmくらいの幅で存在している。

 洛河と伊河は帝城を挟むように流れている。


 キメイの拠点は洛河を渡った外郭にある。

 近くには不夜城と呼ばれる繁華街もある。

 軍の動きに疑問を持った彼女は、配下にそれを監視するように指示していた。


 小さな拠点の部屋でキメイは、帝城で彼女を護衛していた男と一緒に居る。

「お嬢、なんで軍を見張るんで」

「私の勘さ。あの方は追い詰められてきた。干支座が機能しなくなってきたからな」


「へい、塩を扱ってるトリ座が打ち壊されたそうですぜ。イヌ座が居なくなって干支座はなめられてる」

「干支座はもう終わりさ。あまりに堅気の衆に恨まれてるからな」


「みかじめ料だけならまだしも、高利貸しもやってましたからね」

「父も兄もなぜ気付かないのか」


「用心棒達も逃げ出したそうですぜ」

「壊滅を速めるように噂を流してるからね」


「お嬢は怖いなあ」

「ふ、誉め言葉と受け取っておくよ」

 キメイは軽く口角を上げた。


 そこへ男が駆け込んで来た。

「た、大変です。軍隊が準備してるのは演習じゃありません」

「どういうこと!?」


「用意された武器や支給品は戦争本番の品物だ」

 男が焦ったようにキメイに報告する。

「でも、それだけでは弱い!クーヤ様に報告するには弱すぎるわ」


 キメイの後の言葉を男達は待つ。

「具体的な目標や日時が分からないと動けない。人員を増やして対応してちょうだい」

 彼女は皮袋に入れた金貨を渡した。


 この時点で軍務大臣のクーデターにキメイは気付いていない。

 ただ軍が危険なことをやりそうだと思ってるだけだ。

 クーヤも彼女を従者にはしたが、従者通信ぐらいしか与えていない。


 キメイはただ全容が掴めぬことに焦るのだった。


 ******


 〇帝城宿泊所 ジュレイ視点

 ジュレイとドーテは風呂の順番が回って来たので一緒に風呂に入ってる。

 今はバスタブに入る前に並んで体を洗ってる。


 ドーテの体は褐色だが肌が張っていて、お湯を掛けると弾のようにはじける感じだ。

 自分の体は不自然に白くて、ドーテに比べるとたるんでる様に感じる。

 胸の大きさは一緒くらいだが、ドーテはボールのように張っているけど、私は餅のようにだらしがない


「お前の肌はなんでそんなにはじけるようなのだ。羨ましいぞ」

 私は思ったことを正直に告げる。

「俺はアンタの真っ白な女らしい肌の方が良いけどな」

 ドーテは振り向きもせずに言った。


「毎日湯浴みが出来るなんて贅沢だな」

 褒められて恥ずかしいので話を変えた。

「ええ、アンタお姫様だったんだろ。おっきな風呂とかあったんじゃねえのかよ」

 ドーテがびっくりした顔で私を見る。


「私の居た西域は砂漠の真ん中だ。水が貴重でな」

「なんでそんなとこに居たんだ?」


「父親が単身赴任で寂しがってな。兄は母が手放さないから、私が送られたんだ」

「そうなのか、大変だな。でも帰って来れたじゃねえか」


「成人したんで、嫁に行かせるためだ。決して愛情ではない」

「じゃあ、なんで従者になったんだ。ここに居たら嫁に行けないぞ」

 私はその問いに微笑んだ。


「だからだ。ここにいる限り、母上は私にお見合いを持ってこれない」

「はは。ワリい奴だな」

 ドーテは私を見て破顔した。


「だったら、旦那の嫁にはならないのか?」

 こいつはしょっちゅう、クーヤ殿の嫁になると宣言してる。私がそのつもりがないと怒るのだろうか。

「今のところはな。だがクーヤ殿は優しくて強い、いい男なのは間違いない」

 ドーテは気持ち悪いぐらい嬉しそうな顔をする


「そうだろう、そうだろう。旦那はすごいんだ。俺の村の事も何とかしてくれるって言ってくれる」

 彼女は魔人の下っ端に敗け、大けがをして帰るところを無くしたところをクーヤ殿に助けられた。

 私も母を救って貰ったけど、そこまで恩には感じていない。


「ドーテ、私はこのままここに居ていいのだろうか?」

 嫁になる気もないのにここにいるのは不誠実ではないのか。

「良いんじゃねえか。旦那は嫁になれとは言わねえよ。好きなことを探して。それで稼げれば良いと思うぞ」

 ドーテはどや顔で言った。


「あんたが入んないなら俺が先に入るぞ」

 バスタブは小さいので二人一緒には入れない。

 ドーテは湯を足してバスタブに寝そべった。


 そうか私はここで自分の可能性を見つければいいんだ。嫁とかは後の話だ。

 私はふと疑問を抱いた。

 バスタブのそばに座って両腕を縁に乗せて交差する。


 腕に顎を乗せてドーテに聞いてみる。

「マシロさん達って、夜中にクーヤ殿の部屋に行ってるよね」

「ああ、そうだな」

 ドーテに動揺はない。


「平気なのか?」

「不思議と平気だ。多分ナビさんがなんかしてる」

 ドーテは落ち着いているが私は落ち着けない。


「それってお前の恋心もナビさんが・・・」

 ドーテはニシャッと笑う。

「それならお前もそうなってないとおかしいよな」


「あ、」

 やられたと思った。同時にナビさん疑ってごめん

 ナビさんは私達のマイナスの思念だけを吸い取ってくれてるようだ。


 ドーテが立ち上がると褐色の肌から水がはじけて飛んだ。


 ******


 〇軍務大臣屋敷執務室 第三者視点

 軍務大臣は一人、椅子に座ってイラついていた。

 軍務大臣トウタクは古くからの軍閥の末裔だ。

 しかし、彼の一族の力は徐々に衰え、今は天都周辺の1万の兵力を持つだけになった。


 彼は天帝の権力を押さえるため、前天帝とその時の皇太子(今の天帝の父)そしてコウメイを事故で殺そうとした。

 コウメイだけは足は動かなくなったが生き残った。

 それで妹が天帝に即位して天帝の権力は半減した。


 その時秘書のジュンイクが現れた。

「遅いぞ、クーデターは明後日に迫っているのに何をやっておるのだ」

 荀彧は指を唇に当て静かにするように諭した。


「メイドあたりから策が漏れるかもしれません。声を押さえてください」

「うむ、分かった。それで首尾はどうだ」


「順調に進んでおります。大佐以上には、当日の行動は知らせてあります」

「ふふふ、これでわしは天帝になれるのだな」

 ジュンイクはフウーと大きく息を吐く。


「大臣、お間違いにならないように、あなたは天帝を捕らえて帝配になるのです」

「何を言っておるのだ?」


「天帝を殺せば、四天王や各方面軍が仇討ちに天都に殺到しますよ」

「それはいかん、いかんぞ。我軍だけでは太刀打ちできんじゃないか」


「ですから、天帝を人質にとるのです。さすれば表立ってトウタク様を攻められません」

「そうか、ワシは帝配として権力を握ればいいのじゃな」


「その通りです。天帝が産むあなたの子は次代の天帝です」

「ワシの一族で誰一人成し遂げられなかった帝国支配が出来るのじゃな」


「その折には私を宰相にしてください」

「もちろんじゃ」


 軍務大臣トウタクの笑いが執務室に響き渡った。

面白かったですか?何かで評価して頂けると参考になります。

次回は決行日まであと1日、キメイはクーデター計画を探査できるのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ