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P25~P26 約3500文字 その汽車は死の国へ向かってる気がした の巻

死期の近づいた父と金閣寺ラブな溝口の旅の様子の説明回。


冒頭でこう。


「その旅はもの悲しかった。」←引用


最後がこう。


「車内に充ちる煙は焼場の匂いがした。」←引用


二人が乗ったのは時代的に煙を吐き出しながら進む蒸気機関車。だからトンネルを通るたびに行き場をなくした煙が車内入り込んでくる。そして、溝口はさすがお寺の子というか葬儀が身近にあったからだろうけどその煙は焼場の匂いに感じたと言っている。


まあ俺は映画とかで火葬場で煙があがるのは見たことがあるけど匂いは嗅いだことなんてない。もし実際に嗅いだとしても他の物を燃やす臭いとの区別がつくとは思えない。


もちろん焼場のにおいがしたっていうのは、死のイメージをしたという比喩表現なだけっていう可能性も大きいとは思うけどね。


どっちにしろ、三島が溝口をお寺の子、時代を太平洋戦争中に、場所を海軍の学校がある舞鶴市に設定した狙いを何となく感じた。


現代よりも死が身近にあり、かつ、溝口は同時代の人たちの中でも死が身近だった、ということなんだな、ということだよね。きっと。


で、本文に戻るけど、汽車の車内には死と生を象徴とする人たちがいて、溝口は自分をその死と生の世界に股をかけていると言っている。


死の象徴として父の国民服の胸にある袈裟、生として乗客の中の若い軍服を着た兵士たちの胸が対照的に描かれている。


そして、この汽車は川沿いを走っているんだけど、その川の色がくどいほどの群青と表現されている。しかも、酸化銅みたいだって。それって、きれいだけど体には悪くて危険という印象を持たせたかったのかな。


酸化銅ってなんとなく理科の教科書で見たような覚えがあるんだけど、俺の感覚だと綺麗だけど口に入れたりさわったりしたら危険な色っていうイメージがあるんだ。みんなはどうかな?


でね、その描写のすぐあとに、父が白米を食べる描写。なにか目的があってのこの順番なんだろうね。きっと。


ちょっと引用するよ。


「闇米ではないさかいにな。檀家の志だから、よろこんでもろたらええのや」

あたりにきこえるようにそう言って食べるのだが、父はそのさしたる大きくない握り飯を食べるのがようようであった。←引用


なんとなく、少しずつ人を蝕む何か、それはもしかしたら父が持つ白米を食べることへの罪悪感と重ねたのかな? 生きるために食べる、ということの罪悪感みたいなものも人を蝕むということも含んでるような気がしたんだよね。


それに川の描写で、轆轤(ろくろ)をとどろに回すとあって、俺は流れていく水と同じ場所でぐるぐる回る水、同じ川の水でも違う動きをしていて、同じ汽車に乗って、同じ目的地に向かうはずの乗客たちも様々だということを暗示しているのかと思った。


「真暗な影の世界はおそろしかったが、白昼のようなくっきりした生も、私のものではなかった。」←引用


ここで思ったんだけどさ、黒から白にいたるまでに色って微妙に濃さを変えながら変わっていくじゃない?


死が黒で生が白だとしたら、溝口はどっちつかずで自分が何者かわからないことではある。だけど、完璧な黒でも完璧な白でもない、その間は無限の可能性があるということなのかもしれないって思ったんだよね。


無限っていうのは不安定ともいえるからさ。


不安定に注目すると胸が締め付けられるように苦しくなって、無限の可能性に注目すると胸が躍るよね。そして、この俺の考えを前提にすると、溝口は孤独で他人と接することで自分を知るという経験があまりなかったから、自分が何者かが不安定に感じちゃうんだと思うんだよね。


だから、逆に、死という可能性のないもの、言い換えれば究極の安定のことを考えやすくなってるのかなって思ったよ。


しかもね、死を象徴する父の胸に掛けられた袈裟も生を象徴する若い軍人の金釦(ボタン)を跳ね上げているような胸もひっくるめて焼場の匂いのする煙につつまれるんだよね。


これって死は誰にも平等にやってくる、っていうことなんだけどさ。溝口、P11でわかってもらえないことを矜りにしてるって言ってたのね。でも、そんな自分もいつかはみんなと同じく死んでしまうわけでしょ?


でね、溝口、こんなことも言ってるのね。


「ともかく、私は二つの世界に股をかけている。」←引用


言い換えれば、溝口は完璧な白や完璧な黒にはなれないどっちつかずな状態なんだけれど、ものすごい豊かな世界にいるかもしれないと思った。


ただ、その二つの世界の間は振り幅がすごく広いから孤独だよね。その振り幅の中で自分と同じ状態である人がいて、さらにその状態をわかりあえるなんて奇跡はなかなか起きそうにないもん。


でも、死だけはみんなに同じく起こるんだよね。そして、生は永遠の安定に変わるってことなのかなぁ?


今回は内容の方に集中しちゃってなろう的な表現がなかなか思いつかない。でもだからこそ挑戦してみる。


考えた結果こんな感じになりました。


結局、光り属性のプリーストのエリアスと闇属性のウィッのギャザーを同じ馬車で連れて行かなくてはならなくなってしまった。ふとりあえず二人ともお互いの属性を知らないのが唯一の救いなのだが・・・・・・ ああ、クソっ、移動中は眠って体を休めるって決めてるのに。


あーあ、しょうがない。俺が間に入って属性の話しが出ないようにしなくっちゃ。やれやれ、この旅は先がおもいやられるなぁ。


さて、どう? これ。あ、いい。いいから。リアクションはしなくていいからっ!


ってな感じで今回はここまで。


バイビー。

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