P22~P25 約8000文字 溝口の語りによる金閣寺説明回 の巻
前回投稿した後に追記しました。前回の部分にもどるのも面倒でしょうからこの前書きにコピーしておきます。
よかったら本編を読む前にどうぞ。
追記
有為子が実際に何をしたかは本文では書かれていないんだ。有為子が証人たちを裏切ったってのは溝口の推測として書かれていたんだ。脱走兵に有為子が語りかけたのは見てるけど何を言ったかまでは聞こえていないんだ。
これも一人称っていう書き方だからこそだよね?
これ、きっと重要だよね? 溝口は事実を確認することなく有為子のことをこう言ってる。
「一人の男のための女に身を落してしまった。」←引用
有為子が証人たちみんなのための裏切り者から一人の女になってしまうこと。
これも溝口に言わせたら悲劇なんだろうか?
唯一無二である有為子自身よりも、裏切り者などの何らかの一要素に殉じた方が、人は美しいという考えなのだろうか?
溝口こと三島は。
やっぱり、奥が深いね。文学作品は。
叔父の家に預けられていた男子中学生溝口のもとへ、肺を患っている父が金閣寺に一緒に行こうとやってくる。そこで、溝口は金閣寺に対する知識と金閣寺に対する思いを読者に語るという内容になっている。
病が進行した父が死ぬ前に、金閣寺の住職に溝口を引き合わせたいと、京都行きの話しを叔父夫婦の家に住む溝口のところへ持ってきたところから始まる。
そして、溝口が美しさを形容するのに、まるで金閣寺のようだ、とまで思うようになるまでが書かれている。
金閣寺に対する溝口の考えと、美術書の引用という体の金閣寺にまつわる事実の描写が大半を占めていた。
8000文字のうち、2000文字を使って美術書の引用という体を使って金閣寺という建物の歴史や構造の説明が行われている。
ここを書き写すのはつらかった。
「足利義満は西園寺家の北山殿を譲り受け、ここに大規模な別荘を営んだ」←引用
そこからその土地にある建物の名前が続いてどれも漢字が難しい。模写してなければ読み飛ばすというか流し読みしてたと思う。
ただ、美術書とか資料にこうある、みたいな書き方で一気に説明をすませちゃうのもあり、っておもった。
逆に俺は何か説明しようとすると、登場人物の行動や会話でそれをやろうとしてしまいがちなことに気がついた。上手く説明できないけど、文章そのもので説明するっていうのに、心理的な抵抗があった。
まあ、それはそれとして、俺が金閣寺のイメージを頭に浮かべたのは次の一文。
「夜空の月のように、金閣寺は暗黒時代の象徴として作られたのだった。」←引用
黒と金色の対比でお互いを引き立てる、という効果があると思った。
「人がこの建築にどんな言葉で語りかけても、美しい金閣は、無言で、繊細な構造をあらわにして、周囲の闇に耐えていなければならぬ。」←引用
あと、ほかの鳥が空間を飛ぶのに、金閣寺の屋根の鳳凰は、永遠に時間の中を飛ぶとある。
こういったところから、孤独について語られているのかと思った。
溝口は自分が美から疎外されているということを語っているんだけど、時間軸というのか世界線というのかわからないけど、金閣寺が他の存在とズレた世界に存在する。そして、金閣寺がたまたま美というものであった、という考えかたをしたとき金閣寺が孤独とも言えるんじゃないかな、って思う。
他のコンテンツで、タイムリープを繰り返す主人公の孤独が描かれていることがあるけど、金閣寺をその主人公ポジション、溝口はそれを見ている視聴者、という風に置き換えをすると、俺個人としては溝口に共感しやすくなると思った。
どんな共感かというと、何かのコンテンツで、どんな状況でも大切な人を守りたいという強い気持ちみたいな、変わらない何かを持っている主人公にあこがれるし、そんな主人公が苦戦をしていたら応援したくなる気持ち。
金閣寺をそんな主人公に見立ててみたら溝口の気持ちもわかるかなって思ったよ。金閣寺はなにがあろうとも美しくあるという戦いをしているんだ、って思ったらなにか熱血な物語に思えて来ちゃう。
だけど、少し悲しいのはあこがれの目で見てる内は俺はそんな主人公みたいにはなれないし、溝口も金閣寺みたいにはなれないってことなんだよね。
文学作品だし、難しい漢字も沢山使われているから、引いて見てたところがあるんだけど、今回でだいぶ溝口に親近感が湧いた。
だって、俺、アニメとか見てるけど、二次元に入れねえし。・・・・・・みたいな孤独。
ちょっと、今回は俺の中で何か転換点になりそうな予感。




