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27(内密)

 俺はボス専用の筐体をウォーライフに繋ぎ、扱い方を学ぶ。サタンみたいなキャラでアサルトライフル、スナイパーライフル、グレネードランチャーの他に特殊攻撃が使えて、誘導弾、大爆裂弾、全方向に針を無数に飛ばす針鼠など様々なオプションが付く。


「新設ステージ開放まで1週間か」

「1回目のボス戦は来月1日の朝、9時にお願いします。それまでに操作方法を叩き込んで下さいね」

「了解です」

「部下の森が近くの宿泊施設に2週間ほど滞在しますから、解らない事があったら何でも聞いてくださいね」メモを録っていた女性社員を指差す。

「分かりました」

「どうぞ」


 森さんから名刺を渡される。下の名前は【月子】か、古風だな。


 俺は携帯電話で名刺の番号に電話を掛ける。リンリンと、月子さんの携帯電話が鳴る。これでよし。


「これを。契約書の本人控えです。大切に保管して下さい」


 1枚の紙を渡される。


「分かりました」

「では、我々はこれで失礼します」


 社員たちは帰って行った。俺はまだ一般開放されてない火星ステージでチュパカブラみたいなモンスターを相手に模擬戦を何度もする。ボスの体力は1万、それだけ一般プレイヤーの攻撃から耐えられる。モンスターの数が20〜30体って事は本番もそのくらいのプレイヤーを同時に相手にする訳だ。面白い、ワクワクする。でもアサルトライフルで狙い撃ちされたら、一気に削られるな。


 俺は一旦休憩をする。すると、携帯電話が鳴る。番号を見ると、月子さんだ。


「もしもし、どうかしました?」

『龍熊さん、1つ言い忘れてました』

「何ですか?」

『くれぐれも龍熊さん……クレイジーモンキーがボスをやる事は内密に』

「分かりました。俺以外にもボスを操作するプレイヤーは居るんですか?」

『今現在、確約をしたユーザーは6人です。ボス同士は専用のチャットがありますよ。龍熊さんが最上級のボスですからね』

「簡単には殺られませんよ、アハハ」

『はい。それでは、失礼します』ピッ。


 俺は早速、ボス専用のボイスチャットをするが5人共、ログインしてない。えっ!? テンプルトン・ペックの名前があった。サシで勝負したアイツか、強くなったんだな。


【皆、頑張ろうな】とメッセージを残して、また模擬戦をする。

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