16(100連殺)
俺は蕎麦を冷水で締めて水を切り、皿に盛り刻み海苔をかけ、ざるそばを食べる。めんつゆはあったがネギがないのが残念。
――食べ終え食器を洗い、ウォーライフにログインする。また、32番フィールドだ。
早速、昨日と同じ条件のステージを選んでエントリーする。
『ダンナ〜』
「スマートモンキーか、昨日は途中から居なかったな」
『AIのメンテナンスでさあ』
「あと7キルで100連殺だぞ?」
『そいつぁ、スゲーっすね』
「エントリーしたよ、100連殺してくる」
『そうですかい、後で耳寄り情報があるんで』
「なんだよ、勿体ぶるなよ」
『100連殺すっ……』
パッと戦闘画面に変わる。話の途中なのに。
11対5、今度はレッドチームだ。ステージのど真ん中の拠点からスタートする。人数は8対10か。
『クレイジーモンキー! 後ろだ!』ボイスチャットが来る。
俺は後ろを向き、敵2体を撃つ。
「ありがとよ!」
『凄い戦績だな。スナイパーライフルは持ってるか?』
「ああ、持ってるよ」
『向こうの高台から狙撃されてる。応戦してくれ』
「分かった」
俺はエアージャンプ台で半壊した建物の2階に上がる。
俺はしゃがみ、スナイパーライフルを構え、敵狙撃手を探す。
居た! 右の遮蔽物がない所でスタートするプレイヤーを狙ってるのか。スキュン! 敵狙撃手をキルする。お返しだ、スナイパーライフルで敵を6連殺した後にすぐその場から移動する。同じ場所に留まるのは得策じゃない。
――タイムオーバーとなり25対10でレッドチームの勝ち。おれの総キル数は102になった。
俺はフィールドに戻ると、スマートモンキーが待っていた。
「無傷で100連殺したぞ」
『やっぱダンナはスゲーや、出だしから100連殺を達成したのは世界で78人だけでさあ』
「ほう、結構居るな。これからも増える数字だし」
『何言ってんすかあ、素直に喜びましょうや』
ピピピッ。
「……なんだ?」
『5回連続してトップ撃破アンド100連殺でさあ。スナイパーライフルを1丁、プレゼントされやすよ』
「2丁目か。まあ、スナイパーライフルを買ってなかったら達成出来なかったしな」
『好きな方を残して1丁はお預かりボックスへ。スナイパーライフルは同時に2丁持てませんからあ』