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ガンサバイブオンライン ~コミュ障の元箱入り娘。職業、キラーのおじさん~  作者: くろぬか
4章

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第83話 怒涛の如し


『ほへぇ……意外と皆ご近所さんと言うか。いやでも、首都圏に人が集まるのは普通か~』


「そ、そういうものでしょうか?」


 その夜、sevenが『サブキャラで遊ぼー!』って誘ってくれたのだが。

 ちょっと個人的な事で相談がしたいと話してみた結果、普通に通話を繋いでいるという。

 昔の私だったら考えられない状況だが。

 とはいえ、本日の“second(セカンド)”の登場に驚き過ぎて、何かもうどうしようどうしよう! ってなってしまったので。

 完全放心状態で帰って来た私に対し、黒沢君が物凄く心配していたのは申し訳なかったが。

 今度、また何かお詫びをしよう。


『でもまぁ、面白い繋がりが出来た~くらいに思って良いんじゃない? 実際アドバイスされた事は、結構普通だったんでしょ?』


「は、はい……意識だけ成長して、身体が追い付いていないだけだって。一番早いのは、自分の身体を鍛えて少しでも“キャラクターに出来る事”を、自分でも出来るようになればすぐに良くなるって言われました」


 とはいえ、リアルの私にはあんな高速移動は不可能なんですけどね。

 むしろ6keyの動きですら無理です。

 まぁそういう話ではなく、単純に運動不足を解消すれば良いだけ~みたいな事を言われたが。


『けどけど、その注意力と警戒心、そんでもって予測する力が育ったって思えば……ソレに関しては、プレイヤーのスキルアップじゃない? これに関しては、シックスの方でもめっちゃ役に立ちそう。やっぱVRでも本人の成長が一番戦力UPに繋がる訳だし』


「確かに……最近フォーの訓練でも、前より相手の動きを見て行動を起こす様になった気が……しないでもない? 様な?」


 これまでは相手が動いて、それを確認してから此方も行動を起こす事が多かったのだが。

 最近ではその前と言うか、“もしかしたらこうなるかも”っていう予想を立てながら動いている気がする。

 そして何よりも、決定的に変わったと思える個所。

 46leatherで走り回っている時、自然と観察する癖が付いたのが……相手の視線だ。

 NPCと戦う事が多いからこそ、そこまで違いは無いのかもしれないけど。

 それでもやっぱり個体差というモノがあり、人によって此方を“捉える”までの速度が違ったりするのだ。

 きっとこの人はまだ撃って来ない、とか。

 逆に即目が合う様な相手に関しては、その人の射線からはいち早く逃げようとする癖が付いた気がする。


『だとすれば、更にシックスは強くなる一方だねぇ~。あ、でもでも。リアルに影響出る様だったら、本当に病院通った方が良いからね? あんまり甘く見てると、後でガチ後悔する事になるから。VRの怖い所って、本当に“微妙な誤差”だからさ。逆に大きな差ほど、それこそゲームって頭が勝手に割り切るんだけど』


「うっ!? き、気を付けます……」


 何だか、sevenからもちょっと怖い事を言われてしまったけど。

 というか、なんか話し方って言いますか……そういうのが、黒沢君のお兄さんみたいな感じがする。

 もしかして彼女もまた、“こういう状況”が発生した事があるんだろうか?

 そんな事を思いつつ、会話を続けていたのだが。


『でも良いなぁぁぁ……私もシックスとオフで会いたーい!』


「わ、私なんかと直接会っても……全然、面白くないですよ?」


 相も変わらずグイグイ来る彼女にタジタジになりつつも、そんな声を返していると。

 ふと、また別の案件を思い出した。


「ぁの……セブンは、その……ゲームキャラでも、結構お洒落ですよね? ガンサバでも、ファッションに気を使っているって言うか……」


『うん? まぁ気は使ってるかなぁ? だってガンサバって基本ミリタリーだし? そういう系の装備が実装されたかと思えば、わっかりやすいゴリゴリ“可愛いでしょ!?”みたいな服だったりするからさぁ。だったら自分のセンスで組み合わせて、好きな物着た方が良くない? みたいな』


 物凄くシレッとお声を返されてしまいましたが。

 ゲーム内でもそういうの気にする時点で、女子力が高いです。

 私、46leatherに関しては見た目殆ど初期装備だし。

 防弾を意識して、数字だけ見て装備をほんの少し変えたりはしたけど。

 ほんと、その程度ですし。


「えぇと、ですね……私、そういうの、全然分からないというか。誰かとお出かけするのなら、お洒落しなきゃって思うんですけど……そもそもお洒落とは? という段階でして。どういう服がオススメ~とか、あったり……するのかなぁって……」


 いったん此方の症状やら、今日の出来事を後回しにしつつ。

 女子同士だからこそ出来る話題というか、一番詳しそうなsevenに、この機会に相談出来ればなぁ……という、ズルい考えの発言だったのだが。


『私がコーデして良いですか!? 何用ですか!? 女子会!? デート!? 前回のイベントは結局二人でウロウロしただけだったし、もう一回ちゃんと私とデートしない!? というか今のは、オフでの“お誘い”って事で良いですか!?』


「ひぃっ!?」


 急に、sevenが覚醒した。

 今はカメラとか付いてないけど、絶対モニターに迫って来たのが声の感じから察する事が出来る程。

 とはいえ。


「え、と……今日、ですね? その、クリニックに……友達に送迎して頂いたんですけど。私、ろくな服を持っていないので……凄く、ダサかったと思うんですよ。なので、今度一緒に出る事があっても、相手に恥ずかしい思いをさせない服が……欲しいなぁって」


 黒沢君は優しいから、その辺を指摘したりはしてこなかったけど。

 でも絶対、ダサいって思われたに違いない。

 あんなに格好良いバイクに乗せてもらったのに、後ろに乗せたのが私って。

 なんかもうそれだけでも申し訳なくなってしまう気分に陥ってしまった程、物凄く普通の恰好だった。

 という事で、この機会にsevenから何かしらご教授頂けないだろうか……と、思ったのですが。

 相手は想像以上に食いついて来て。


『相手は男!? 女!?』


「お、男の子……です」


『シックスは相手の事、好――じゃないじゃない。まだそういうのは早そうだもんね。その人の事嫌いじゃないし、一緒に居ても不快じゃないんだよね!?』


「ふ、不快とかそういうのは全然……というか、むしろ私が一緒に居て平気なのかなって思っちゃいますし……。とても、優しい人なので」


 すんごい勢いで質問を重ねて来るsevenに、此方はタジタジになりつつも。

 どうにか相手の声に答えていると、彼女は。


『シックス……ちょいとお姉さんと、ガチでデートしようぜ。安心して、私の見た目マジでサブキャラと一緒だから。本当にいつも通り、それこそシロちゃんのつもりで接してくれれば良いから』


「えっと……でも」


『あ~もしかしてお兄さん? 過保護だって有名になり始めてるもんね。了解、そっちにもアプローチ掛けるわ。ついでに、安心材料を増やす為にも保険掛けるわ。ものっ凄く信用出来そうなボディガードを用意しておく。更に言うなら、その人も一緒に行動すれば“デート”って意識しなくて済むでしょ? ねぇねぇ一緒に出掛けよう~? お姉さんと一緒にお買い物しよ~? 私そういうオフ会大好き~』


 なんかよく分からないけど、sevenが物凄い勢いで押して来る。

 ハッキリ言いますと、属性みたいなものが違い過ぎて恐れ多いという他ないのですが。

 とはいえ、相手も今回ばかりは諦めるつもりが微塵もないらしく。

 その後もグイグイと迫って来るので。


「私は……その、リアルだと、本当に面白くない人間ですから。ガッカリさせちゃうかもしれないですけど……でも、正直……セブンの事は好きです。なので、出来れば……一緒にお出掛けしたいなって、思ったりもしますけど。でも――」


『よっしゃぁぁ! 言質取ったぁぁぁ! むしろ今の告白、録音して良いですか!?  もう一回言ってくれますか!?』


「……それは何か嫌です」


『ですよね!』


 応えた瞬間、マイクの向こうでガタガタガタ! と、凄い速さでキーボードを叩く音が聞こえるのですが。

 貴女はいったい、何をなさっているのでしょうか。

 などと思いつつ、暫くしてから。


『うっし! ボディガードのアポ取りOK! そんでもって流石ガンサバ運営陣、こっちも連絡が早い! 皆優秀! リプ早い相手大好き!』


「あ、あのぉ……出来れば、私にも分かる様に……」


『多分リアルで一番強そうな、フォーを召集した! シックスとデートするから守ってって! そしたら“良いだろう、任せろ”ってさ! これを条件に早乙女さんに連絡したら、それなら安全だろうからシックスのサポーターに声掛けてくれるって言われた!』


「行動力!?」


 なんか、怒涛の如く事態が動いて行くのですが。

 これはもう、あれですかね。

 リアルでsevenと会うどころか、4cardとすら一緒にお出かけする感じなんですかね?

 いやまぁ、気持ち的には嬉しいけど。

 直接会うとなると、やっぱり色々緊張するんですが?


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