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ガンサバイブオンライン ~コミュ障の元箱入り娘。職業、キラーのおじさん~  作者: くろぬか
2章

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40/42

第40話 高難易度


「今回はプレイヤー総当たりという訳では無いが、複数のチームが一斉に攻めて来る。しかも前回よりフィールドが狭い為、隠れ続けるというのも現実的じゃない。あとは何より、ゲーム開始から相手チームが集合しているというのが、一番恐ろしいと思って良い」


 ゲームにログインしてすぐ、4cardから改めて説明を受けていた。

 資料にも書いてあった事なので、おさらいという形にはなるけど。

 これに対し、真剣な表情でフムフムと頷いていたのだが。

 こうして説明を受けていると、皆が懸念している個所が見えて来る。

 前のイベントみたいに、“とにかく人数が多いのが怖い”というのは無いのだが。

 以前の様に個人のログイン場所がランダムという事は無く、チーム揃って一か所に出現するのが前より怖い所なのだと教えてもらった。

 そうだよね、街中にバラバラで配置されたらまず集合を急ぐけど。

 最初から全員が揃っていれば、始まってすぐにチームとして最高戦力で戦える訳だし。

 あとは相手も此方も、ログイン場所が最初から決められているというのがネックになって来る。

 しかも賞金首側は“お宝”を運ぶゴール地点まで設定され、公開されているのだ。

 日によって場所は変えてくれるみたいだし、プレイヤー側への公開は当日イベント開始時に定められているらしいけど……。

 これはつまり、私達の移動経路がある程度予想出来てしまうという事。

 あとはゴール地点に待機して、ギリギリの所で強襲を仕掛けるという作戦だって取れるという訳だ。

 まだ救いなのは、全員の“お宝”が揃っていないとクリアにならない、という訳では無い事。

 一つでも良いからとにかく目的地に持っていけば完了、その際はストーリー的に色々違って来るらしいが。

 つまりユーザー側は、“全取り”出来れば完全勝利。

 私達の進行を防ぎ切っただけでも勝利にはなるが……一つでも多く“お宝”を集める事で報酬が異なって来るんだとか。

 この辺りをどう対処するかが、賞金首である私達の腕の見せ所……なんて言われてしまったけど。

 ごめんなさい、私は全然作戦とか思いつきません。

 むしろ方向音痴なので、ナビしてもらわないとゴール地点に辿り着けるかも怪しいです。

 例え私達の勝利という事になっても、プレイヤー側は奪った分の報酬は貰えるらしいので、多分死に物狂いで攻めて来るだろうし……。


「戦闘能力的にはそれなりにバランスの取れたチームだとは思うが……常に移動しながらとなると、いかんともし難いな。全員で車両に乗って移動では、爆発物でズドン。チームが全滅、なんて事も有り得る」


 9Kの言葉に、全員が頷いて見せた。

 空気を読んで私も頷いてみたけど……駄目なんですか、乗り物。

 皆で乗り込んでビューンと行ってお終いだったら、割と肩の荷が下りたのだが。

 残念な事に、そうはいかないらしい。


「フォーがオールラウンダー、セブンが遊撃特化。ナインが狙撃で、シックスが暗殺とソロ生き残り特化。んで俺が~メカニック&操縦士。こっちが強襲型のイベントなら、それこそ文句なしの組み合わせなんすけどねぇ」


 555がボヤくが、改めて聞くと凄いよね。

 皆役割が被ってないだけで、ちゃんとチームって感じがする。

 私としては、それだけでちょっとワクワクしてしまうが。

 そしてそして、今回チームへ最後に加わったファイブさん。

 この方は何と、銃のゲームなのにメカの方が得意なんだとか。

 ゲームだからこそ出来るってだけで、自分なんか大した事ないっすよ~とか言っていたけど。

 でもガンサバは、乗り物だってかなりしっかり作られていると言っていたのだ。

 つまり車両の運転どころか、改造までお手の物。

 更には普通の人なら絶対動かす事なんか出来ないであろう、ヘリや戦車まで動かせるらしい。

 やばい、賞金首ヤバイ。

 色んな世界の“プロ”が集結しているんだって、改めて感動してしまった。


「でもさぁ~私達が守るのは実質端末な訳で、誰かに預けちゃうのも可能って話でしょ? ナインの端末は誰かが預からないと、狙撃手はそもそもゴールに向かう事自体しないだろうし。やっぱ出来る限りファイブに高機動してもらって、残りが派手にヘイトを引くってのがベターだよねぇ」


 でもそれじゃつまんなーい、とか言いながらsevenが車両の天井に乗っかりながら脚をプラプラ。

 あの、それ555の愛車なんですけど……乗っかっちゃっても良いんですか。

 というのと、その作戦じゃ駄目なんですか。

 私はむしろ一番足引っ張りそうなイベントだし、出来れば最初から誰かに端末を預けてしまいたいんだけど。


「まぁ、なるべく色々なパターンを想定して訓練する他無いな。今回のイベントは一度やれば終わり、という訳では無い。日を分けて何度も同じ事をするから、1つのパターンでは二度目は絶対に対処されると思った方が良い」


 難しい顔をしつつ言い放つ4cardに対し、男性陣はウームと悩んだ様子をみせるが。

 あぁ、そういう事もあるのか。

 確かに555に全部の端末を運んでもらうのが、現実的には一番早いというか、安全な気がするけど。

 このゲームだと、平気で銃火器やら爆発物がある訳で。

 もしもプレイヤー達がこぞって車両を狙い始めたら、私達が現地に到着する前にイベント終わっちゃうもんね。

 そうなってくると、何パターンも作戦を作っておいて。

 状況というか、参加した相手チームの動きを見ながら、随時動きを変えられた方が生存率も高くなるのか。

 う、うおぉぉ……覚える事がいっぱいになりそうだけど、大丈夫かな。

 戦闘が始まったら、それこそテンパって頭真っ白になっちゃいそうだけど。

 そもそも移動を続けるイベントで、更には近づかれるのも危ない。

 こうなると、どう頑張っても私は活躍出来そうにないんですけど……。


「基本はファイブの車両を中心に考えるしかないだろうな、それが一番機動力も高い。その上で随時必要な人材を展開させて対処、その間も移動を続けながら、戦闘を終えた賞金首を他のポイントで回収。これを繰り返しながらゴールを目指す」


「時間は掛かりそうだけど、それが一番ユーザーは喜びそうだよね~。私達が逃げの一手でちゃちゃっとゴールしちゃったら、それこそ不満出そー」


「もしくは車両を囮にするというのも有りだな。誰の元に端末が集まっているのか分からなければ、相手は間違いなく判断に迷う。初期の設定どおり一人一つずつ持って戦ってみても面白いかもしれないが、そうなるとスナイパーの俺の存在が邪魔だな」


「もういっその事ガチガチの装甲車でも作っておいて、皆で凱旋の如く堂々と一直線に走ってみます? 二回目以降は対戦車用装備ガン盛りされるでしょうけど、初戦はそれでも行けるかもしれないっすよ?」


 なんて、それぞれが発言しつつ会議が進んでいく。

 ちゃんと作戦会議だぁ……とか何とか感心してしまったけど、考えてみれば私だけ何も発言してない。

 不味い、この時点で全然役に立ってないぞ。

 とはいえ何にも閃かないから、何かを喋ろうとしても無理なんだけど。


「裏の裏を掻いて、全部の端末をシックスに預けて完全ステルス作戦! とかね?」


「ブフッ! い、いやぁ……それはちょっと、厳しくないですか……? 私一番今回のイベントに向いてないのに……近づかれただけで総取りされたら、元も子もないですよ……」


 やっと発言出来たかと思えばコレだよ、全然役に立たないよ。

 何とも情けない姿ばかり晒している訳だが、とりあえずザックリと方向性を決めていくつも作戦を立てていく。

 あっちもこっちもと色々覚える事が多くて大変だけど、こればかりは頑張らないと。

 それが終われば、実際に仮想ステージにNPCの相手を配置してもらって練習開始。

 皆揃って555の車両に乗り込んだり、場所によっては私とsevenが飛び降りて、裏道から先回りしてみたり。

 どうしたって司令塔は4cardになるので、もしも本番で彼がやられてしまったら……本気で全員がアタフタしそう。

 というのと、9Kに関しても単独行動が多くなる。

 しかも此方の視界に入らない事の方が圧倒的に多いので、もしもキルされても私達が気付かない可能性が高いのだ。

 いきなり援護射撃がピタッと止まると、それこそ強行作戦に移行し辛くなるのは当然。

 全体のバランスが大事で、誰が欠けても完全にフォロー出来る人材というのが存在しない。

 こういう意味では、全員の特徴がバラバラというのも考え物なのか……なんて、本当に初めての事が多過ぎる訳だが。


「ふっ!」


「キャー! シックス格好良い~」


 裏道で襲って来たNPCを排除してみれば、sevenがキャッキャと声を上げているけども。


「あ、でも~……今の戦闘中に、データ取られたっぽいよ?」


「なっ!?」


「こりゃなかなか大変だねぇ……思った以上に簡単に取られちゃう。逃げたヤツ追うよー!」


 という事で、かなりバタバタ。

 誰かと戦闘に陥った際、近くに仲間が隠れていればその人がデータだけを持っていってしまう。

 最初から懸念していた事ではあるけど……本当に私に向いてないイベントだ。


「返せ!」


 相手NPCに追い付いてから飛び蹴りをかまし、敵が転んだところで後頭部に一発。

 端末を確認してみれば、こちらにデータ保有権が移ったのが確認出来たが……。


『シックス、それは目立ち過ぎだ。すまん、援護が間に合わない』


「……あっ」


 呑気に端末の確認などしていたら、四方八方を敵に囲まれていた。

 その後、乱射。

 当然生存出来る筈もなく、あっさりと私はNPCにやられてゲームオーバー。

 本番のイベントなら、このまま端末を回収されれば黒星1つという訳だ。

 そんでもって、今回はリスポーン無しなので……。


「すみません……やられましたぁ……」


 練習だからこそ私だけスタート地点に戻されたけど、全員がこの場に戻るまで連絡は取れない仕様。

 うわぁ……本番でこれやったら、本当に足引っ張っちゃうよぉ……。


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