表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

83/83

83話 思っていた以上にクズだった

 ユナとアズの考えた作戦はこうだ。


 まずは施設に入所する。

 ここ最近、色々なところに関わっていたため、エヴァの関係者……それと、領主の関係者の区別はついた。


 領主の関係者の前でわざと隙を見せて。

 あえて、さらわれるように誘導する。


 誤算があるとしたら二つ。


 まさか、作戦開始初日でユナとアズがさらわれるとは思わなかった。


 師匠を排除できると思い、調子に乗り始めていたのだろうが……

 それにしても行動的すぎる。

 後々のことを考えていないのだろうか?


 ……まあ、考えていないんだろうな。

 バカの頭はとことんバカだ。

 なにもなしにバカが天才になるなんてことはない。


 もう一つの誤算は……


「ちっ、だから言っただろうに」


 ユナとアズをさらい。

 すぐ二人に手を出そうとしているところだ。


 屋敷の外で待機して、そっと様子をうかがっていた俺は、急いで中に……


「っ……!?」


 瞬間、背中にゾクリと悪寒が走る。

 死神に鎌を突きつけられたかのような感覚。


 考えるよりも先に体が動いた。

 地面を強く蹴り、横に跳ぶ。


 直後……


 ザンッ!


 見えないなにかが、さきほどまで立っていた場所を切り裂いた。


「ふむ、今のを避けるか」


 振り返った先に年老いた男がいた。

 先日、この屋敷を訪ねたじいさんで……

 そして、ユナとアズが異様なほど警戒していた相手だ。


「お前は……」

「まったく……領主殿は脇が甘いな。せっかく極上の商品を届けたというのに、その味見に夢中になり、このようなネズミを放置してしまうとは」

「ネズミはてめぇだろ? こんな上等な屋敷じゃなくて、下水をうろちょろしてる方が似合うぜ」

「……いいだろう」


 白髪の老人は両手を軽く広げた。

 それが彼の『構え』なのだろう。


「追い払うくらいにしておこうかと思ったが、気が変わった。ここで駆除して、領主殿に恩を売ることにしよう」

「はっ、できることとできないこと、ちゃんと判断できてねえようだな? じいさんだから、すでにボケてるのか」


 今度は返事はない。

 代わりに『なにか』が飛んできた。


「……ちっ、めんどくせえ武器を」


 今度は見えた。


 ヤツが両手につけている黒の手袋。

 その先から鋼糸が伸びていた。


 それは音を超えるほどに速く、変幻自在に動いて。

 そして、鉄を切り裂くほどの威力を叩き出す。


 とはいえ、鋼糸を扱うことができる者は少ない。

 特殊な訓練を積んだ者……暗殺者くらいじゃないか?


「ほぅ……儂の攻撃を二度も避けるか。しかも、すでに武器の正体に気付いた様子」

「わかるのか?」

「お主の目が儂の糸をしっかりと捉えていたからな」


 俺の目の動きも確認しているのか。

 こいつ……けっこう厄介かもしれないな。


 とはいえ、ここで退くつもりは欠片もないが。


「お主、何者だ?」

「さてな、当ててみろよ」

「……最近、施設に絡んでいるという若造か?」

「半分、正解だ」


 地面を踏み込むようにして、前に出る。


「もう半分は……これからてめえをぶちのめす治癒師、ってところだ!」



新作を始めました。


今度の主人公は、前世で国を守って死んだ最強の黒騎士。

ただし、転生後の姿は天使のような幼女王女です。


赤子の頃から魔力を鍛え、一歳で魔法書を読み、三歳で剣を握ろうとして、侍女と騎士団を大混乱させます。


「中身おっさん騎士な幼女王女が、真面目に国を守ろうとして周囲から女神扱いされる話」が好きそうな方は、下のランキングタグから読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◇◆◇ 新作はじめました ◇◆◇

中身は最強黒騎士、外見は天使な幼女王女。
母が愛した国を守りたいだけなのに、侍女も騎士団もなぜか女神扱い!?
『最強黒騎士、幼女王女に転生する』を読む






グラフトノベル様から書籍1巻が発売中です! コミカライズ企画も進行中!

紹介ページへ
― 新着の感想 ―
めっちゃ良い所でぇ。次の更新が待ち遠しいです(^^)/
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ