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「すりきれた百花王」




すりきれた百花王を(きず)に継ぐ階梯(かいてい)

無翼天使のさなぎが(わだかま)溟滓(めいけい)(つち)

ゆるやかにはなやぐ曼陀羅と凍雨(とうう)



かつぎあげた血のしずくを測れば

天国の晦冥(かいめい)と同じ重味(おもみ)をしていて

地獄からの散華(さんげ)を放つオオアクビ



顕微鏡でのぞいた自戒と粘膜結晶

さなぎをやどした(かんぬき)の先につるぎ

ヒダマリにまで炎症細胞がすさぶ



薄荷味の水のなか鼓膜さえも忘れ

蛭のマナコで(まば)るすべらかな青苔(せいたい)

あまやかに傾ぐハリガネへと漆箔(うるしはく)



しかしさなぎは誤報を()ね切って

無毛犬はもはや音楽をうしなって

アマツブに裂創ができたけれど愛




LOVE


其れだけのはなし










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