~救助?~
私の視界に入るのは無様に腹を抱えて倒れこんでいる
あの黒服の男たち。
さきほどの赤城龍と黒服が戦った結果である。
唖然としている私をよそに、
勝者である赤城はせっせと縄や布を外している。
「はぁぁ……。」
久しぶりに空気を吸ったかのようなため息が漏れた。
「お前馬鹿だろ、こんな奴らに捕まるかよ普通。」
鼻であしらうかのような態度に私は頭に血が上った。
「だって!向こうが小さい子いじめてたからついムカついて!!」
「自分が脅されるって気づかないのかよ。お前やっぱり馬鹿だな。」
「馬鹿…馬鹿……って、うるさいっ!!」
私は思わず怒鳴りあげ、立ち上がった。
怒りが込み上げてはこぶしを強く握る。
「はいはい、てかいちいちでけぇ声出すなよ。じゃ、俺帰るから。」
ひらひらと片手を振って赤城は壊れたドアの方に歩いていく。
「いい奴だと思ったのに!!」
その声が聞こえたのか聞こえていないのかは知らないが、
赤城はふと振り。
「あ、そうだ。ちなみにもうすぐ警察くるかもだから。そんじゃ。」
そう言い残し、私の視界からは消えた。
「はぁ、やっといなくなった………って、なんで警察沙汰になるようなことしてんのよっ!!!」
私の叫びはむなしく、
サイレンの音と一緒に掻き消えていった。