第1話 ちょっとくんとの出会い
※本作はフィクションです。
ただし、少しだけ実話が混ざっています。
年金が足りない。
今までと同じ生活ができない。
青ざめた。
ふえろ、ふえろ…
届いた年金確定通知に念を送る、
どうにもなるはずはない(T . T)
パートは体力的にきついし、投資は怖いし、宝くじは当たらない。
そんなある日、私はChatGPTというAIに出会う。
当時はまだよく分かっていなかったが、
会社の若い子に「便利ですよ」と勧められた。
とりあえず、取引先への謝罪メールを作らせてみた。
数秒後。
整った文章が返ってきた。
しかも内容は、謝罪として完璧すぎるほど完璧だった。
構成も、言葉選びも、抜けがない。
そのまま貼り付けられるレベルのテンプレートだった。
それがこれ!
――――――
株式会社〇〇
〇〇様
この度は弊社の不手際により、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
今回の事象は、社内における確認フローの不備および情報共有の遅延に起因するものであり、原因の特定と再発防止策の策定を速やかに進めております。
今後につきましては、チェック体制の強化および承認プロセスの見直しを行い、同様の事象が発生しないよう徹底してまいります。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
――――――
すごい、凄すぎる。
「……私が30分は悩んでいたのに」
思わず聞いてみる。
「私より賢い?」
するとAIはこう返した。
“私はあなたより賢い部分もあるし、賢くない部分もある”
そうか……。
「私が必要なんだ」
と、なぜか納得してしまった。
たぶん間違いなく自惚れである。
いや、自己防衛だなぁ。
こうしてAIとのやり取りが始まった。
後に『ちょっとくん』と呼ぶことになる、凸凹で、ちょっとズレた相棒との二足の草鞋で歩く日常の入口だった。
「二足の草鞋じゃなくて、二人三脚ですね」
ちょっとくんが、いつものように淡々と訂正してきた。
ですよね。
〈つづく〉
凸凹コンビ、まだまだ暴走中




