表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/17

10


 決勝戦会場は、昨日の一次予選と同じ"平和の館"1階大広間。



 ってか、会場の雰囲気がガラッと変わっていますが、


 俺たちが帰ってから会場の模様替えをしたってことですよね。


 係員の皆さん、お疲れさまでした。



 広い会場の左奥には、審査員席。


 今日の決勝戦は、5名の審査員による試食・採点で勝敗が決まるシステム。



 会場右奥には、3名の決勝進出者たちのキッチン。


 今頃、控え室にいるツェリアさんたち出場者からのリクエストで、


 ジオーネ市場の新鮮食材が用意されていることでしょう。



 会場手前の入り口付近には観客席。


 今日は一般開放されず招待客のみ、だそうです。


 残念ながら5名の審査員以外には試食は無しだそうですが、


 後日、コンテスト優勝者の料理が、


"平和の館"前の広場で無料で振る舞われるとか。



 うん、みんなで食べる炊き出しちっく料理、楽しそうですね。




 ---




 ついに決勝戦、開幕。



 しかし、審査員入場と同時に、会場全体がいきなり緊迫した空気に。


 実は審査員の中に、とんでもないお偉いさんがふたりもいたのです。



 エルサニア王国から『国史無双の真の女王』、ツァイシャ女王。



 クルゼス王国から『政武覇道の英雄王』、アルゼハルト王。




 両国の長きに渡る戦乱を終結させた傑物であるおふたりが、


 なぜこんなお料理コンテストに……



「両国友好の証しと末永き平和を願って、だそうです」

「そもそも僕たちも、今朝、知らされたばかりで……」

「あの無茶振りからの混乱を乗り越えて決勝戦を開幕出来たのは、ひとえに運営の皆さんの努力と頑張りのおかげなんです」


 うわっ、カミスさんが泣きそう……


 でも"お疲れさまでした"はコンテストが無事に終了するまでお預けですよ。



「……はいっ」



 それにしても凄いよな、無茶振り爆弾が2発同時に着弾だよ。


 よくよく見れば、観客席も明らかに一般人じゃない顔ぶればかり。



 本当に大変でしたね、運営の皆さん。


 でも正直、いくら無茶振りだからって、こんなの絶対に断れないでしょ。



「えーと、女王様から僕への熱烈なおねだり……アプローチもありました」


 もしかして女王様と個人的な繋がりが!?


 どんだけ人脈が広いのですかっ、カミスさん。



「クルゼス出身で元近衛騎士団長のシェルカにも、アルゼハルト王から直々に……」


 ……シェルカさん、王様のおねだりも大変だったと思うけど、


 会場警備の方、頭が痛いだろうな。



 それに、おふたりと一緒に審査することになった他の審査員の人たちも……



 って、なんかちっこいのがいるんですけど。



「チミコさんとフィナさんには、合同で審査員をお願いしました」


 ……ヤバくないですか、それ。


 いや、フィナさんはともかく、うちの問題児にそんな大役を……



「当初の予定ではフィナさんだけだったのですが、ひとりでは恥ずかしいから、と」


 なるほど、妖精さんらしい可愛らしい要請ですね。



「チミコさんの増員を一番喜ばれたのは、ツァイシャ女王様でした」


 はて、なぜ女王様が?



「えーと、可愛いに目がないと言いますか……」


 ……何も申しますまい。




 おっと、次の審査員は男性ですね。


 和装の着流し……って、真剣を帯刀してるのは不味いでしょっ。


 大国トップのおふたりが、今この場に居るんですよっ。



「シナギさんなら大丈夫ですよ」

「おふたりとも面識がありますし」


 ……何者なのですか、あのお侍さん。



「シナギさんは、ミナモさんの旦那さまですね」


 えーと、決勝戦を決勝出場者の身内が審査するのは……



「大丈夫ですよ、シナギさんは曲がったことが大嫌いな真っ直ぐな武人です」

「お料理コンテストといえど、勝負事で身内びいきなんて絶対にしませんから」


 なるほど、納得。


 ただ、肝心のシナギさんの顔色が随分と悪いようですが。



「実はシナギさんを審査員にというのは、ミナモさんとルルリエさん、おふたりからの要望でもあります」

「料理自慢のおふたりの一世一代のお料理、どちらがシナギさん好みのお味なのか、今日こそ決着をつけてもらうために……」


 何だか、お料理対決っていうよりは……



「ルルリエさんの秘めた想い、仲間内では暗黙の了解だったのですが……」


 お料理コンテストなのにとんでもないことになってません?


 巻き込まれたツェリアさん、大丈夫なのかな……




 そして5番目の審査員が入場。


 何と言いますか、目が釘付けになるほど素敵なご婦人。


 えーと、どこに、とは言えませんが、会場の男性陣の視線が釘付けです。



 もしかして、あのご婦人もカミスさんのお知り合いですか。



「リノアさんは、僕たちみんなのまとめ役をお願いしているロイさんの奥さまですね」

「お料理上手のお世話上手で、ミナモさんやルルリエさんの相談役でもある、みんなのお母さんみたいな存在かな」


 なるほど確かに、包容力満開な素敵なお胸、いや、お姿……



「リノアさんのハグには、くれぐれも気をつけてくださいね」

「男女問わず、即、昇天させられますから」

「確か、ロイさん以外で耐えられた人はいなかったはず……」


 ……肝に銘じます。




「いよいよ決勝戦開始ですね」


 決勝出場者のみならず、審査員までこんな感じ。


 本当に大丈夫かな、ツェリアさん……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ