上層レストラン階から屋上展望台へ 2
屋上展望台は有料。でも3連休だから子供連れやカップルが結構来てるな。
「中高生は1人五百円か…」
真由美の誕生日プレゼント買って散財したばかりだから五百円でも痛い。
「ん」
「なんだ?手なんか出して」
「ん!」
「だから何だその手は」
「チケット」
「自分で買え」
「お金ないもん」
「小遣い持って来てないんか?」
「ないんだからないんだもん!」
「しょーがねーな、ホレ」
まったく…もう一枚購入っと。
「えへへー、だからお兄ちゃん好きー」
猫の中には飼い主を自動エサやり機と認識している個体もいるという。コイツから見た兄つまり俺も似たような物かも知れない。
列にに並んでエスカレーターに乗る。2階分、いや3階分はあるかな、長いエスカレーターはトンネル状になってて天井には青空と凄い速さで流れる雲を映したしている。異世界に行くような感覚を醸し出す演出なのだろう。
青空が真っ赤な夕陽に変わり星空となり、流星雨が降り始めると前のカップルの彼女が歓声をあげて彼氏の腕に抱き着いた。
美奈のヤツも真似して俺の腕に抱き着いて軽くおっぱいを押し付ける。妹のおっぱいだから特段何を感じるでもないが見た目より大きく感じるのは不思議な事に見た目よりはグッと大きく感じる。着痩せするタイプなのだろう。本人もそう言っていた。
「おいおい、彼女気取りかよ」
「真由美おねえちゃんが寝てる間、悪い虫がくっつかないように警備してるんですー」
「はいはい」
本当は真由美の立ち位置なんだが寝てる間くらいは妹が代行しても許してくれるだろう。そういやぁ真由美が夢の中で異世界で冒険してる時、俺が起きてたら夢の世界で俺はどうなってるんだろう?あとで聞いてみよう。
なんて感じで彼女気取りだったのも展望台に着くまでの話。
「うっわー!凄いすごーい!」
第2東京湾から太平洋の水平線まで一望できるという屋上展望台に着いた途端、美奈は俺を放り出して観光客の波をすり抜け軽やかに駆け出してしまった。
「あの…」
「こっちが太平洋かー」
「すみません…」
「あっちの船は米軍の艦船か?」
「あのっ!」
「は?俺?」
「あの…私、1人なんです…良かったら付き合って頂けませんか?」
1人で放り出されて仕方なく海の向こうをボーっと見ている間、知らないウチに俺の後ろにくっついて控えめに何度も声を掛けて来ていたコ。
それは俺達がホテル中を駆けずり回って探していた例のロングストレート黒髪パッツンの『ロイヤルスイートの君(命名:優介)』だった!




