旅は道連れ、こんな子供を放っておけない
少年が白くなったっころ、松雪が鳥を咥えて帰ってきた。
「次は妹を綺麗にするから、その間、鳥を捌いててくれ。松雪、水が必要そうなとき、出しとくれ。
ムク、枝を拾ってきておくれ。紅葉はそれに火を頼むよ。
さぁ、ユズリハ。今度は一人で妹の方を綺麗にしてごらん」
「うん!ご飯の前に綺麗にしようね!」
「うん!お肉食べる!はい、どうぞ!」
妹ちゃんは両手両足を広げ、どんとこーい、みたいな体勢になった。うん、痛いことされないってわかったもんね!
妹ちゃんの身体を洗って、頭を流している間、少年はテキパキ鳥の処理をしていく。
なんと、手刀で鳥を切る。え、切れるの?
「ナイフを貸そうと思ったんだが、風魔法かい?」
ばぁちゃんが少年に尋ねる。
「魔法は使えないかな?やったことない。俺達、狼の獣人だから、爪の攻撃力高いんだ。それの応用」
少年は鶏肉を切りながらばぁちゃんに答える。
妹ちゃんも綺麗になった。かえで、今度は負けず嫌い封印してね?
「楓、髪と身体だけ乾かしな。侘助、洋服だけの水分を抜く、ってやってみな。兄貴の方は、処理の後、ついた鳥の血も取れるかい?」
おおぅ、ばぁちゃん頭良い!やってみよう!
妹ちゃんが乾くと、少年の鳥の捌きも終わった。
「栗之助、焚き火の回りにちょっと大きめの石を出して、そう、鉄板が置けるように。塩ぐらい分けてやろう。あと、栗之助が取ってきてくれた香草さ、これで鶏肉焼きな。
ユズリハ、とりあえずアタシらは果物で良いかい?」
「うん!」
ばぁちゃんが取り出したドワーフの街で買ったリンゴを見て、2人のよだれが止まらない。
「…肉が焼けるまでアンタ達もこれ食いな」
ばぁちゃんがため息まじりに2人にもリンゴを渡す。
よだれを垂らしながらもばぁちゃんとリンゴを何往復も見る兄妹。
「いいよ、食いな」
「「ありがとう!!!」」
かぶりつく2人。シャリシャリとあっという間に芯ごと食べつくし、残った軸を名残惜しそうに眺める。
「鶏肉は生焼けは腹を壊す。キチンと焼きな」
「兄ちゃん、肉、肉!」
「ああ、そうだな、こっちも有るんだ」
2人は鉄板の上で焼けてきている肉に釘付け。それを見たばぁちゃんが
「アンタ達、名前は?」
「俺はウェルズ」「リー!」「妹はイリィン」
「なんでこんな森でこんな小汚くなっているんだい?」
「両親がダンジョンで死んだ。孤児院に入ろうと思ったんだが、そんな両親を失くした子で満員だ、って入れてもらえなくて。妹だけでもと思ったけど、俺と離れるのヤダって泣くし。
ダンジョンに入って稼ぐにも、未成年は親の承諾が必要なんだ。俺は12歳で妹は8歳だし、親も居ないから入れない。孤児院なら孤児院が保護者扱いで孤児達でチームを組んで入れるらしいんだけど。
だから、森で食い物探してる。これ、もう食える?」
ウェルズ君は肉をガン見したまま、棒でツンツンしながら言う。
「ああ、この辺りなら食えるだろう。熱いよ。気をつけておあがり」
ばぁちゃんが、そう言ったが早いか、2人はぶすっと棒を刺して肉にかぶりつく。
「「あっちぃぃぃ!!」」
「だから言っただろ!松雪!口の中に氷1つづつだよ!」
松雪すごいね!ピンポイントで2人のお口の中に氷出したよ!
「おおぅ…」
驚きのウェルズ君と、ガリガリと噛み砕くイリィンちゃん。それでも肉の棒を離さない2人。
「どうしようね、リアルほ○るの墓を拾っちまったよ…」
ばぁちゃんが腕を組んで、ぶつぶつつぶやいている。
リー 兄ちゃん、肉、肉ー!!!
ウェル 久しぶりのちゃんとした飯、味わって、って、もうない?!
リー 兄ちゃん!骨ってしゃぶってたらお腹空くのまぎれるかな?!
ブル どろっぷどろっぷ、ってスキップされたら、泣くかもしれん…
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