最後の晩餐?
「ばぁちゃん、ひよくじん、ってなに?拐われるの?」
かえでが拾った羽が良くないみたいなので、ばぁちゃんに聞いてみる。
「ああ、飛翼人かい?
ドラゴン自体は滅びたって言われてる。
で、ドラゴンでも比較的弱くて、群れを作って生活してた飛翼竜ってのがいたらしい。
そもそもドラゴンってのは、綺麗なモノ、自分の気に入ったモノを巣に持ち帰る習性があってねぇ。
なんっつーか、美男美女が拐われた結果、繁殖して、新しい種族となって生き残った。
で、ドラゴンより力は格段に弱くなったが、繁殖力と知恵と人類としての美貌を手に入れた。
元がドラゴンだ。弱くなったとはいえ、人類と比べたら最強の部類さね。
しかも飛べる、悪知恵は働く、やっぱり気に入ったモノは拐ってく、でねぇ。
まぁ、彼らなりの流儀はあるんだろうが、あんまり関わりたくない種族ってこった」
おおぅ、なんか面倒くさそう。
「うん、面倒だから関わっちゃいけないよ。
さぁ、片付け終わったんなら、精霊王様達に挨拶しに行こうか。
おいコラ侘助、お気に入り回収されたからって、必死になって木の枝齧ってんじゃないよ。噛み心地確認、じゃないんだよ。
ほれ、それ以外も!躍起になって探してんじゃないよ!行くよ!!」
ばぁちゃんに急かされて僕達は精霊王さまの所に向かった。
「精霊王さま~!!」
【なんじゃ、森を出ると聞いたんじゃが、本当だったか】
僕が精霊樹の元に着いて叫ぶと、金色のお兄さんが出てきてくれた。
「ああ、世話になったのか、リスの世話をしてやったのか。まぁ、いろいろあったが、ユズリハに世界を見せてやりたくてね、たんぱく質も足りないし。
精霊王のお膝元で殺生するのも憚られたんでね」
ばぁちゃんが言うと
【ああ、ユズリハはエルフではないから肉が必要か。
今晩はここで夜を明かして、明日の朝イチで旅立つがよかろうぞ】
「今から行こうかと思ってたんだがね、まぁ、精霊王様が言うのなら、ユズリハ、一晩ご厄介になろうか」
「うん!最後に、皆にフレンチトーストご馳走してあげようよ!」
「お前もお人好しだねぇ、最後の砂糖だよ、もうないからね?」
【ならば、我らが果物を用意してやるのじゃ。持っていくが良い】
「助かるよ!精霊王様!流石だね!あの図々しいリスとは全然違うね!!」
【ハッハッハ!そう嫌うてやるな。あれでも我らや森の世話係、必要な者じゃよ】
「リスさんにも1枚ご馳走するよ!」
【優しい子じゃの。我らの分体が惹かれる訳じゃ。その気持ちのままで育っていくんじゃよ】
金色のお兄さんは僕の頭を撫でてくれた。
「僕、はりきって美味しいの焼くからね!」
【期待しておるぞ。ならば、我らも用意せねばの】
「…そういや、松雪達は魔力だけだが、精霊王は食事が取れるんだね?」
【ハッハッハ!精霊王じゃからの!】
その夜は、皆で火を囲んで、精霊王様達にフレンチトーストを振る舞って、
わびすけ達にはエリクサーをあげようとしたら「ポーションにしときな!」ってばぁちゃんに注意されて、
松雪達にもお皿にポーションあげて、
リスさんがフレンチトースト1枚平らげて、僕のを横取りしようとして「成長期の子供の分を取るんじゃないよ!」って、ばぁちゃんに怒られて、精霊王さま達がリスさんに1口づつあげてた。
「自分の主から、遠慮もなく貰うんかい…」
ばぁちゃんが呆れたようにつぶやいてたけど、リスさんはお口を目一杯膨らませてご機嫌で、ひとっつも聞いちゃいなかった。
リス ユズリハのフレンチトーストは悪くない味だったわ!
ユズ 悪くない?普通って事?なのに精霊王様達からも貰ったの?
ブル 素直に美味しいって言えないのかい…
**********
お読み頂きありがとうございます!
よかったら、星をポチっとな★
評価やブックマーク、リアクションなどなど頂けると、泣いて喜びます。




