ちーと収納、ゲットだぜ!
そして3日目の朝。
体調万全の僕は朝ご飯をいっぱい食べて、もふもふ達の
「わん!」「メェ!」「にゃ♪」「きゃん!」
『『『『ユズリハ、頑張れ!!』』』』
という声援のもと、精霊王さま達のエリクサーを作り始める。
大きい方の鍋に、わびすけからお水を出して貰って、
ばぁちゃんから葉っぱを受け取って、魔力を流しながら、うん、結構入るな?
もみじに火をつけて貰って、沸騰直前まで待って、
ふつふつしてきたら、薪をちょっと取って、火を弱めて、魔力を流しながら、ぐーるぐる。
ああ、精霊王さま達のこと考えろ、って言われたっけ。
金色のお兄さんが元気になりますように。
青色のお姉さんがもっとキラキラ綺麗になるように。
銀色のお嬢ちゃんがいっぱい飛び回れるように。
赤色のボクちゃんが大きくなるように。
「ユズリハ、途中、変なこと考えてないかい?」
ばぁちゃんがなんか言ってるけど、こっちに集中しよう。
金色のお兄さんがニコニコしてムクを撫でてる隣で
青色のお姉さんがうふふふってわびすけに抱きついてて
銀色のお嬢ちゃんがかえでと飛び回ってて
赤色のボクちゃんが強そうなポーズをとってる回りをもみじが駆け回ってて
ああ、皆幸せそうで嬉しいな、と思ったら、魔力もういらないね?
自分でかき回してた鍋を見ると
最初に作ったエリクサーよりキラキラ度が2割増しの透明な液体が出来ていた。
うん。葉っぱどこ行った?
僕はストンと尻餅をついちゃったから、ばぁちゃんが慌てて近寄ってくる。
「紅葉!火を消しとくれ!
ユズリハ、すごいじゃないか!!これだけの量のエリクサーを作り上げた上で、これ、エリクサーでも上級とかなんじゃないか?!
しかも、魔力切れ寸前だが起こしてない、ってことは魔力量も増えてるよ!
ああ、流石アタシのユズリハ!自慢の孫だよ!!」
そう言って、ばぁちゃんは僕をぎゅうぎゅう抱き締めて、わびすけ達はそんな僕達にスリスリしてくるし、かえでは頭に乗ってくる。
「出来た?!出来たわね!!さぁ、精霊王達の元へ向かうわよ!!」
ちょうど良いタイミングでリスさんもやって来る。
「アンタ、どっかで見てないか?」
ばぁちゃんが怪訝な顔でリスさんに聞いている。
「この領域内で起きてることなら、全部まるっとお見通しよ!」
リスさんは、ばぁちゃんを指差して答える。
「人を指差すんじゃないよ。ってか、どっかで聞いたセリフだね?
まぁいいとして、森全体じゃないんだね。まぁ、この森は広大すぎるわな」
「失礼ね!森全体でも、異変があればわかるわよ!
普通に考えて、常時この広大な森全部を監視なんて無意味よ!!
さぁ、出来たエリクサー持って、さっさと行くわよ!」
リスさんは、わびすけの頭に乗って「行け!進め!」と号令をかけている。
「うん、まぁそうだね。冷めてないけど、とりあえず持っていこうか。収納。
さぁ、ユズリハ、歩けそうかい?うん、途中まではおんぶして行こうか」
僕はばぁちゃんにおんぶされて精霊王さまのところまで行くことになった。
「精霊王さまぁ!!連れてきたわよぉ!!」
わびすけの頭からぴょんと飛び降りたリスさんが叫ぶ。
【うんうん、良く来たのじゃ!】【待ってたわ】【見せて見せて!】【良いもん出来たのか?】
精霊樹の洞からわらわら出てきた精霊王さま達。
ばぁちゃんが、よいしょと松雪の隣に僕を下ろした。ああ、抜群の安定感。
そこにわびすけ達も集まって、僕を囲む。うん。もふもふパラダイス。
「これがさっきユズリハが作ったエリクサーだ。前より等級は上がってるんじゃないか?
まだ冷めてないからね、気をつけておくれよ」
そう言ってばぁちゃんは、出来立ての鍋を出す。
【じゃあ、私が冷やすわ】
青色のお姉さんが鍋に手をかざすと湯気が出なくなった。
「…孫とはいえ、他人の作ったエリクサーだからね、アタシの魔力で余計なことしない方がいいと思ってたんだが、そうか、アタシの作ったエリクサーなら、松雪に冷やして貰えば良かったのか」
【貴女の考え方で合ってるわ。エリクサーは魔力の塊ですもの、私達じゃなければ、完成品に手を加えない方がいいわ】
青色のお姉さんは、こてん、と首をかしげて答えてくれた。
【とにもかくにも、こんな良い状態の、素晴らしい出来のエリクサー!!助かるのじゃ!!】
金色のお兄さんも嬉しそう。
銀色と赤色の子達も鍋をのぞいてニコニコしてる。
【これだけのものを貰ったのだが、我らが作れた収納ロケット。貴女が持ってるモノよりはだいぶ劣るのじゃ】
金色のお兄さんが眉尻を下げて言う。
「でもでも!僕だけの宝物入れ!!すっごく嬉しいよ!!」
立ち上がって、ちょっとよろけた僕。もふもふに囲まれる。
「ああ、ユズリハはまだ魔力不足でね。ユズリハ、座ったままでいな。立ちくらみが起きるよ。
ちなみに、どのくらいの性能なんだい?」
ばぁちゃんが金色のお兄さんに聞いてくれる。
【荷馬車というのは、ドワーフ達とかが荷物を運ぶ時に使うあれじゃろう?
あれならば、まぁ、10台分ぐらいじゃな?貴女のは、この枯れた精霊樹5本位入りそうだものなぁ、それに比べたらなんと貧相な…】
「いやいやいやいや、十分だよ!!すごいじゃないか!助かるよ!ちなみに、時間は止まってるかい?」
【時間も、のぅ、限りなく遅く頑張ったんじゃが、1/30までじゃったな。つまり、1ヶ月経ったら、ロケットの中は1日経ってしまうな】
「十分!十分だよ!やったなユズリハ!」
「うん!なんか良くわかんないけど、ばぁちゃんがこんだけ言うからすごいんだと思う!!
とってもとってもありがとう!!」
「そ、そうか、ユズリハには、まだこの凄さがわからないか。
でも、精霊王様方、こんなに素晴らしいものを、ユズリハのために本当にありがとう。感謝致します」
ばぁちゃんが最敬礼をしている。
僕も立ち上がってお辞儀をしようとしたら、コロンって倒れちゃった。
【おうおう、そこまで喜んで貰えて、こちらも嬉しいぞ。ユズリハよ、無理をさせたな】
金色のお兄さんは、座り込んだ僕に目線を合わせてくれて、ロケットを手に乗っけてくれた。
「こちらこそ、ありがとうございます!!」
僕は最大の笑顔でお礼を言った。
「これで、わびすけが拾ってきた枝とか、ムクが気に入った草とか、かえでのお気に入りの羽とか、さりげなく捨ててたけど、全部持っていけるね!!!」
『『『捨てられてたの?!!!!』』』
わびすけ達に驚愕の表情で見られてたけど、仕方ないじゃん。
「ってか、皆だって言われるまで忘れてたでしょ!」
「そうじゃない、そうじゃない…」
【アッハッハッハッハ】
ばぁちゃんは額に手を当て上を見上げ、
金色のお兄さんはお腹を抱えて笑ってて、他の精霊王さま達も笑顔だから、良いんじゃないかな?!
楓 に"ゃ!!ユズリハ!!アタクシの、アタクシの羽ぇぇ!!!
侘助 ボクの噛み心地抜群の枝が、枝が…
ムク 美味しいおやつ…
紅葉 わたちの宝物は、これから拾うから、全部持っていけるのね!!
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