表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/16

うち猫ジーニアス

 ジーニアスは、年齢不詳のオスの黒猫だ。だけど白髪交じりだからおじいちゃんかな?


 お腹に丸い白い毛が生えているから、白黒猫だ。ジーニアスは頭がいい猫。


「ジーニアス!」


「にゃあ!」


「おいで、ジーニアス!」


「にゃあ!」


「待てだよ、ジーニアス」


「……(待つ)」


「おいで!」


「……(トコトコ歩いてくる)」


 犬みたい。


 呼ぶと彼は何処からともなく現れ、ちょこんと足元に座って見上げる。


 ジーニアスは雨の降る夏の日に駐車場のすみで、足を怪我していた。彼は怯えた目をしていたけど、助けを求める目でもあった。野良猫の彼を保護してからは、怖がってなかなかケージの中から出てこなかった。


 でも、紐を角からヒョロヒョロ出すと、爪がニョッと出た丸い手が紐をちょいちょいしてくる。紐を遠くへ投げるふりをすると、投げたと思われる方へ行ってキョロキョロ辺りを探し始める。持ってんだーって、ぱっと紐を見せると、なーんだみたいな顔をして、両手をぐーっと前に伸ばしてお尻をつんとあげる。


 犬なのか、猫?、猫なのか。


 もう今では立派なうち猫だ。


 朝方窓辺に寝そべって、スズメが飛んでいるのを見るのが好きだ。そして、大好きなお菓子をねだる。


 うち猫ジーニアス!


 これからも一緒だよ!


 にゃあ!


***


 私はもうそろそろ現実の世界へ戻りたくなっていた。


 今いるこの森は別世界だとはっきり認識していたわけではない。どこかで、これは夢であってほしいと願っていたに過ぎない。


 そもそも私は何を持ってきたんだっけ?


 ズボンのポケットが膨らんでいる。出してみると500mlのペットボトルくらいの大きさの瓶だ。


 けっこうな重さのある大きめの瓶が、こんな小さなポケットに入っていたとは。


 透明の瓶のなかに液体が半分くらい入っていた。


 何だろう、これは?


 現実の世界へ戻るための薬なのか?


 喉が乾いていたから、それを飲んで見ることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ