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マイ・フェア・レディ【挿絵あり】

ご無沙汰しております。

というか、遅くなって申し訳ありません……

誤って書いた文章を消滅させてしまい、寝込んで萎えてました…

お詫びと言ってはなんですが、今回は途中に瞳子さんのゆっくり絵がありますので許してくださいね★

「うーん…うーん」

「伯母上、先程からどうしたのですか?」

「いやぁね?なんでこの娘、一言も喋らないんだろうと思ってさ」

「喋りたい気分では無いのでは?」

「いやぁ、さすがにうんとかすんぐらいは言うでしょ。さっき私が躓いて、転けそうになった時もびっくりしたような顔こそしたけど、一言も口から出なかったじゃん」

「ま、まあ、確かにそうですが…」


はてさて、先天的なものなのか、後天的なものなのか…

それによって対処の仕方も変わるよね。


「ねぇねぇお嬢ちゃん。寒くない?」

「・・・」


相変わらずのだんまりだけど、背中の上で首を横に二回降った。

つまり寒いってこと。


「ありゃ?寒いの?困ったなぁ……」


ヘルム越しにカリカリと頭を掻いてしまったが、それに反応するように、【アダマン・フルメイル】をコンコンと叩いた。

どうやら、金属の装甲板が冷えて冷たいみたいだ。


「成る程、【アダマン・フルメイル】かなぁ……これでいいかな?」


ちょうどいい感じに太陽が雲で隠れて居たので、【アダマン・フルメイル】の下半身だけ残してアイテムボックスに収納した。

防寒具の【ブラックコート】の裾が風で翻る。


「お、伯母上……っ!負けたっ!!」

「何がっ!?……あっ(察し」


ガッツリ、エーリカんの視線がオπに向けられている。

いやぁ~ん!そんな熱い眼で見ないでぇ!!

エーリカんに視姦されてるぅぅ!!

…盗賊連中に見られるのは癪だな。


「おい盗賊さん、何時までも見てたら切るぞ」

『な、何をだっ!?』

「それはねぇ…わかってるでしょ?」


チロリと縄で繋がれている男連中の下半身を一瞬だけ見ると、訓練されているみたいに一斉に内股になった。


『やめろ!?巨乳!!』

「だまらっしゃい!?引き千切るぞ!!」

『ひぃぃぃぃぃっ!!』


内股になった男連中を引っ張りつつ、女の子をオンブし直すと、女の子が少し笑っていた。

正確には微笑だけれど。


「いい顔だぉ。…おら、しっかり歩かんかい!」


縄をグイッと引っ張って、盗賊を引っ立てながら街を目指した。





「……と言うことで、盗賊を退治してきました。あっ、これ抹殺した奴らの右耳で、この後ろにいる連中は投降してきた奴らだから、煮るなり焼くなりお任せします。んでもって、私の背中で寝てる娘が、誘拐されてた娘」

「は、はぁ…ところで、どなたでしょうか」


ギルドのカウンターまでやっとこさ行って、窓口の女性に説明したら、怪訝な顔をされてそんな事を言われてしまった。


そう言えば、最初は全身甲冑で固めてたのを忘れてたぉ。


「私ですよ。これ冒険者カード」


ヘルムだけ召喚して被り、金ピカの冒険者カードを手渡した。


「あっ!失礼しました。黒森様ですね……ただいまギルドマスターを呼んで参ります」


そう言うなり、裏方にすっとんで行ってしまった。

こっちの返答は丸っきり無視である。

と言うか、まだ返答する前に行ってしまった。


「あらららら……」

「うむ……………」


エーリカんとお互いに顔を見合せてしまった。

盗賊達は、その間に別の職員さんにしょっぴかれて行った。

みんな口々に、『これで解放される!』『あぁ、神様!ありがとう!』『助かった!もがれないで済む!』とかなんとか抜かしていやがった。

失礼な奴らめ!?


「やぁやぁ、暗黒院くん。君なら成し遂げてくれると思って居たよ」


暫くして、窓口の職員さんと一緒に、奥からギルマスが元気よく歩いてきた。


「ほら、ちゃんと達成してきたぞ」


自分の背中でおねんねしてる女の子を指差した後に、右耳の入った袋を逆さまにしてカウンターの上に右耳をぶちまけた。

窓口のお姉さんが小さい悲鳴を上げたが、ギルマスは相変わらず薄ら笑いをしたままだ。


「ほう?さすがは救国の英雄殿と言ったところかね?」

「さあね。ほら、約束は果たしたんだから、早くランク上げてよ……その代わりこの娘は、私がサービスで家まで送って行くから」

「ふむ、仕方無い。冒険者カードを出したまえ。…それと、依頼主が来たようだよ」


ギルマスが差し出した手に、冒険者カードを乗せた時に、ちらりと私の後ろに視線をやったギルマスが、依頼主が来たことを教えてくれた。


「おぉ、ベアトリーチェ!帰って来たか!」


その声に、女の子を背負ったまま振り返ると、デップリと肥え太ってツンツルテンの頭に脂ギッシュなオッサンがいた。

紫色の派手な服が眼に痛い。

名前を大声で呼ばれた女の子が、震えているのがコート越しにわかった。


「オッサンが依頼主?」

「む……いかにも、私が依頼主だが。貴様が依頼をこなした冒険者か?」


む、なんてオッサンだぉ。

あんな少ない価格で依頼達成してやったのに、貧しい家の娘かと思ったら、意外に裕福な…………そういや、なんでこの娘あんな粗末な服を着ていたんだ?

よくよく考えたら、最初に触った時にゴワゴワした生地で、結構薄かったよなぁ。

なんで?盗賊がやったとは思えないんだよねぇ。伊達に性獣の集まりじゃないし。


「貴様!何時まで儂のベアトリーチェを背負っておる!さっさと寄越せ!」

「………あん?」


私がオッサンの言い方に反応して睨むと、周りに居た他の冒険者達が集まってきて、オッサンを遠巻きに囲んだ。

ギルマスはもちろん、ギルド職員の皆さんの眼は剣呑なものになっていた。


「ねぇ依頼主さんよ。あんた何様なんだい?依頼内容にしても、盗賊のアジトまで行かせて銀貨数枚とかさ。冒険者舐めてるでしょ。危険な仕事には、それ相応の対価を払わなくちゃいけないんだよ。私みたいな物好きしかやらないし、その所為でこの娘が取り返しのつかない事になってたらどうするの?」


そう言ってやると、女の子が背中に一層しがみ付いてきた。

首筋に生暖かい液体が当たった感覚があった。

どうやら泣いているみたい。

そこで、デブなオッサンが吠えた。


「黙れ!冒険者風情が!卑しい貴様らには銀貨数枚で充分だ!!それに、儂の奴隷なのだから、儂の好きにして何が悪い!!」

「……何?いま何て言った?……奴隷?冒険者風情?殺しちゃうよ?」


指向性を持たせて三分の一くらい魔力を解放して当てる。

一瞬で真っ青になってガタガタ震え始めたオッサンに近付いて、ポンと肩に手を掛ける。


「ねぇ?この娘、私にくれない?もちろんお金渡すからさぁ」

「あ………あぁ……」


遂に限界が来たのか、オッサンがお漏らしした。

ちょっと臭うんですけど!?うわっ!脚甲の先っちょに着いちゃった!!


周りの皆さんは、失笑しながらニヤニヤしていた。


「冒険者舐めんなぉ三下……失せろ」


手に金貨を握らせて耳元で囁いた途端、声にならない悲鳴を上げながらギルドを飛び出して行った。


なんとまぁ、情けない事よ……って、なんか朱点のセリフみたいだなぁ。

毒されてきた?


「んじゃ、ギルマス。この娘私のねぇ~」

「あ、あぁ。書類は私が作成しておこう」

「お願いね……にしても、よく堪えたねエーリカん」

「はい。ですが伯母上が行かなければ私が飛び出していました」

「だよねぇ……ほら、泣かないの。今日から私が君のご主人様なんだからね!グフフ」

「伯母上………?」

「じょ、冗談だってばよっ!?」


すぅーっと眼が細められて、殺気が飛んできた。

お、おっかないなぁ…

くわばらくわばら。


「どうせならさ、この娘の保護者になろうかなぁと思ってねぇ」

「は、はぁ……でも何故ですか?」

「何故、ねぇ……雄輔ばかり娘とかいてズルイ!!からでふ」

「そ、そうですか…伯母上らしいと言うかなんと言うか…」


なんか微妙な顔をして首を傾げたエーリカんに、ギルマスがまぁまぁと入ってきた。


「いいではないかね。実際この奴隷っ娘は暗黒院君の持ち物だし、養子にするってことだろう?」

「そうそう、大体そんな感じ。ちなみに、いまからこの娘は奴隷じゃなくなりまっせ」


背中から降ろしたベアトリーチェ(?)を、後ろから抱き締める。

ウホォ、やらかいのぅ。

可愛いのぅ。ちっちゃい娘はプニプニするのぅ!

このすべすべお肌がタマりません!!

挿絵(By みてみん)

……って、そんな事じゃなくて。


「喋らなくて良いから聞いて?今から君は奴隷から解放されるんだけど、ベアトはどうしたい?好きな所に行っても良いし、行くあてもないなら私の養子になるのも良いし…てか、是非ともなってくだちぃ」


ベアトリーチェだからベアトでしょ!

うみ○こ的に考えて。


「・・・」


後ろから抱き締めている私の袖をギュッと握り締め、しばらく俯いていたベアトは、腕の中でクルリと振り向いて首にしがみ付いてきた。

これはおkってこと?


「よっしゃぁっ!!決まりだもんね!この娘は私の娘、異論は認めん」

「そうと決まれば、ちゃんと戸籍登録をしたまえよ。ちなみにギルドで共用銀貨二枚で代わりに申請出来るぞ」


ギルマスが商魂逞しい事を胸を張って言ってきた。

どれ、乳首でも突っついてみるか。

えい。


ザクッ


「ぐはっ!?な、なにをする!」

「なにって、そこにさくらんぼが有ったから、爪を立てて突っついただけなんだけど。しかも、さっき滅茶苦茶悪人の顔してたぉ」


そりゃもう、ガキンチョのクセに悪代官顔負けの悪人面してて、ベアトが怖がったから制裁を加えたまでだ。


「あ、エーリカん忘れてたぉ。お仕置きの件」

「……げっ」

「あとで、ムフフな事をしましょうねぇフヒヒヒ」


美人さんは大歓迎でゲス…イヒヒ


「お、お手柔らかに…」

「優しくするぉ~!」


こう、まずはオπをモミモミして、次にペロレロしてぇ、あっちこっちまさぐるぅ!!

ウヘウへ、エーリカんはどんな味がするんだろうなぁ。


「グヘヘへ……んを?」


エーリカんのお仕置きを妄想していたら、後ろからコートを引っ張られた。

振り向くと、何処からかスケッチブックみたいな物と羽ペンを手にしたベアトが立っていた。

私が気付いたのを確認したあとに、羽ペンでスケッチブックに何やら書き始めた。


『あたらしいごしゅじんさま、ですか。わたしはおりょうりとおそうじができます。みずくみとかちくのおせわ。あとはさいほうとよみかきと、すうじがひゃくまでならかぞえられます。だからいたいことしないでください』


もう、これは絶句ものですよ…

文字を読んだ瞬間に抱き締めてしまったぉ。

年端のいかない女の子にこんな事を言われるとも毛の先程も思って無かったから、余計ダメージがデカイ。

あのデブは一体この娘にどんな事をしてたんだぁ?

うーん、何をやってても許せんけど。

出来ることなら今から追い掛けて、引き千切ってやりたい気分なんですよねぇ。

あぁ言うヤツは生かして置くと録なことないし。


「ねぇ、やっぱり今からアイツぶっ殺してきていい?」

『止めろ!?』

「お、落ち着くんだ伯母上」

「ギルドマスターが命令する!!暗黒院君を取り押さえろ!!」

「な、何をするだーっ、おまいら!?HA☆NA☆SE!!」


エーリカんを筆頭に、ギルマスが号令を掛けて困惑しつつも冒険者達が飛び付いて来ては拘束された。

もちろんエーリカんは私を羽交い締めにしている。


「さすがにそれは不味いぞ暗黒院君」

「そうかねぇ。ってをいハゲ!どこ触ってるんじゃい!?」


数人のオッサン共が、私のオπやらケツを鷲掴みにしやがってる。

これはあれですか。

威風堂々とした痴漢ですか。

ほぉ、ついに私も喪女からおさらばとか!?

……な訳ないよねぇ。

コイツら私の顔を見ないようにしながら揉んでやがる……畜生めぇぇぇぇぇっっ!!!!


「……ふ…ふふ……ふふふふふふふふ」

「お、伯母上?」

「ふぅっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはぁっ!!どうやらおまいら死にたいみたいだねぇ!?オπを揉むなら顔見て揉もうね!!」


リミッターはそのままで魔力を解放させ、全周囲に魔力の波を放ってオッサン共を吹き飛ばす。

エーリカんだけが何とか耐えた。

が、羽交い締めは解けた。

すかさず右手を帯電させると、電弧が右腕全体を覆った。


「変態共、死ぬ準備はぁ、良いですかぁぁ?」


ギルマスがなにやら叫んでいるが知ったこっちゃない。

指向性を持たせた電撃を放とうと頭上に掲げると、気の抜けた声がした。


「おぉ、主様ここに居られたかのぅ」



『何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ

このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!

正解しても何も無いけどね。

それでは行きます!


『樹懶』


これはなんと読むのでしょうか!

出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。

そして、前回の答えの発表です!


『蕨』と書きまして、『わらび』と読みます。

わらびとは、シダ植物の1種で、コバノイシカグマ科なのですが、かつてはイノモトソウ科に分類されていたようです。

草原、谷地、原野などの日当たりのよいところに群生していて、酸性土壌を好み、山菜のひとつに数えられています。

春から初夏にまだ葉の開いてない若芽(葉)を採取しスプラウトとして食用にするほか、根茎から取れるデンプンを「ワラビ粉」として利用します。

ただし、毒性があるため生のままでは食用にできず、伝統的な調理方法、熱湯(特に木灰、重曹を含む熱湯)を使うと、あくが抜けて無毒化されます。』

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