ちょっとしたお休み(2)
お風呂な回です。
もう少しこうして欲しかったなぁ…と言う質問が有れば、感想でお聞かせ下さい。次回に反映する事が出来るやもしれません…無茶な要求はご勘弁を、私のスペック的な容量問題です…
「お、おぃ青騎士ぃ。お前そんな柄して無いだろぅ…泣くなって」
「オレだってな、オレだってなぁ…ぐずっ…女の子なんだ!」
「おぉぉぉぅっ!?」
「瞳子のバカ野郎ーーッ!!」
そう叫ぶや否や、泣きながら毛布を被って亀になってしまった。
完璧に作戦はおじゃんになってしまった訳だ。
仕方無い、今はそっとしておいて、フェルちゃんと裸のお付き合いをしよう。
つまりお風呂ですよお風呂。
「フェルちゃん、土埃落とす為にお風呂に入りましょう」
「ふぇぇ?分かりましたぁぁ」
「おい、ヴィントホーゼ三世。お風呂に行ってくるから、お留守番たのんだぞぇ」
「………………」
はぁ、反応が無い。ただの引きこもりのようだ。
取り敢えず、タオルセットをアイテムボックスから召喚して、部屋を出る。
マリアさんに前もって渡された、浴場の鍵をニギニギしながら浴場まで移動する。
鍵を開けて中に入り、棚に入ってる籠の中に衣服を突っ込む。
【喪女のTシャツ】の胸ポケットにはミルクたんが居るから、一旦出てきてもらって、どうせだから一緒に入る事にした。
「マスターのふかふかでぷにぷにしてます!」
「ふっふっふっ、当たり前なのだぜ?伊達にEじゃないぉ」
「ふぇぇ、ボクも触ってみたいですぅぅ」
「ふぅっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!フェルちゃん!食らえーっ!」
もじもじしていたフェルちゃんを捕縛して、自分の胸に頭を埋めてみた。
びっくりして、最初はじたばたしていたが、直ぐに力尽きてぐったりした。
「ぷはっ…凄い…ですぅぅ」
「そうです!マスターのは凄いんです!!」
「いや、力説されても私が困るんだけどなぁ」
ミルクたんが、お世辞にも有るとは言えない胸を張る。
うへへへ、可愛い可愛い。
あとでペロペロしてあげるからねぇ…
畳二畳くらいの大きさの浴槽に、ウォーターボールを数発ぶち込んですりきりまで水を入れて、次にビムサ先生を召喚して出力を最小設定にしたあと、先っちょだけを水に浸ける。
ジュワーッと水が蒸発するのを確認して、直ぐに魔力供給を止める。
細い黄緑色のビームが引っ込み、湯船に張った水は少し減っていて、湯気がやんわりと立ち上っていた。
手を突っ込んで温度を確かめると、だいたい40℃くらいになっていた。
ちょうど良いくらいだと思う。
「まずは、身体を洗ってからだね」
「ふぇぇぇ、温かいお湯なんて、こっちに来てから初めて入りましたけど、凄い気持ち良いですぅぅ」
やっぱり、生粋の日本人はお風呂が無いと死んでしまうからねぇ。
と言うか、この世界にお風呂に入る習慣があった方が驚きなんだけどね。
「お風呂は命の洗濯よっ!て事で、私が洗ってあげよう…ムフッ」
「ふぇぇぇ、眼が恐いですぅぅ!?」
「マスター…」
な、なんかミルクたんの眼が、可哀想なものを見るような眼になってるぅ…
「と、とにかく!まずは頭からです!」
「ふぇぇぇ、あの泡々になるねばつく液体を使うんですかぁぁ?」
「なんか如何わしい表現が含まれている様な気が…シャンプーと言いたまえシャンプーとぉ」
タオルセットの中から、白い液体の入った透明のボトルを取り出して、手のひらに一回プッシュしたら、両手を擦り合わせて泡立てる。
ちょうど良い感じになったら、フェルちゃんの銀髪を優しく擦る。
度々、少し尖った耳の先端が、気持ち良さげにピクッと動く。
なんかちょっと触ってみたいなぁ…
やってみよう。
さりげなぁく頭を洗いながら、耳の先端からうろを擦って耳の裏を愛撫する。
「にゃふぅっ!?ととと瞳子ひゃんんん!?」
「お?フェルちゃんは耳が弱点と見たぁ」
ふっふっふっ、ふが三つだぜぇ。
夜に生かせる知識は多いに越した事は無いからねぇ。
「……ジュルリ」
「……マスター?」
「な、何でしょう?」
「…駄目ですからね?」
「な、何の事でしょうか」
ここはなんとかして切り抜けなければ…非常に厳しいぞ…
「ほ、ほらっ!ミルクたんもごしごし」
「ふぁぁぁ、あうあう」
泡まみれの人差し指でミルクたんの頭を軽く撫で回して、頭を洗ってあげる。
その間はミルクたんもされるがままになった。
こ、これで乗り切れるかっ!?
「ま、ましゅたー!このくりゃいで、ごまかしゃれりゅとおもわにゃいでくだしゃいね!《マ、マスター!この位で、誤魔化しきれると思わないで下さいね!と、言いたいらしい》!」
ちっ!駄目だったか!!
まぁ、呂律がきちんと回ってない、貴重なミルクたんが見れたから、今回は勘弁してやるかぁ。
「はい、フェルちゃんバンザーイ」
「ふぇぇぇ」
首筋、脇の下、オπ、お腹、背中、腰、お尻と順々に垢擦りタオルで擦っていく。
「次はミルクたんだぉ。バンザーイして」
「ばんじゃーい」
さすがにミルクたんに垢擦りタオルを使う訳にはいかないので、指の腹で凹凸の少ない身体を擦っていく。
あっという間に泡で出来た泡達磨が二体完成した。
赤いカタカナで【カロチン】と書かれた黄色い桶を湯船に入れてお湯を掬い、万歳したままの状態で固まっているフェルちゃんの、頭の上から掛けて泡を洗い流す。
ついでに、片手で掬ったお湯を、これまた万歳で固まったままのミルクたんの頭上から、ゆっくりと掛け流す。
「「あうあうあう」」
もう三度同じ事を繰り返して、完全に泡を洗い流したら、先に湯船に浸かっていてもらう。
「さて、お次は自分っとね」
一度【カロチン】の中にお湯を張って、垢擦りタオルをじゃぶじゃぶと洗う。
朝洗ったばかりなので、大して汚れは浮いて来なかった。
すっきり石鹸水になったお湯を捨てて、再びお湯を張る。
それからシャンプーで頭を洗い、次に身体を洗う。
それから洗い流して湯船に浸かった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛……ぶふぅ。生き返るわぁぁ」
これにビールがあれば最高なんだけどなぁ。
お風呂上がりにキュゥーッと一杯引っ掛けると、これがまた美味いんだわ。
まぁ、無い物ねだりだよねぇ。
いっそのこと、作ってみようかなぁ。
知識としては知ってるからねぇ。
大魔王印の暗黒院ビールとか。
なんか面白そうだね。
「ふぁぁぁ、あふあふ」
フェルちゃんは、お湯から首だけを出して、ゴロゴロと湯船の中を転がり出した。
はっきり言って、何がしたいのかは理解不能だが、なんか可愛いので許す!
「青騎士も来りゃ良かったのに」
ですねぇぇと、フェルちゃんが同意して呟いた。
「久々にお酒飲みたいなぁ~…んぉ?」
コンコンと控え気味にドアがノックされた音が聞こえた。
誰だろう。
「はぃはぃ。どなたぁ~?」
「…ぉ……オレだ…」
「もしかして流行りのオレオレ詐欺ですか?」
「違う!ヴィントホーゼだっ!」
青騎士さんでした。
【ケロリン】を、【コロリン】か【カロリン】か【ケンチン】のどれかにしようと思ったけど、何となく身体に良さそうな【カロチン】にしてみましたw
『何それ漢字豆知識クイズー!パチパチパチ
このコーナーでは、普通使わない単語やトリビアな漢字の読み方とかを出題します!
正解しても何も無いけどね。
それでは行きます!
『朱華』
これはなんと読むのでしょうか!
出来ればパソコンで調べるのはやめましょう。
そして、前回の答えの発表です!
『鬱金』と書きまして、『うこん』と読みます。
ウコンです。決してウ〇コではありません。
これが有れば、今日も一日上下共々元気百倍カレーパ〇マンです。
ウコン(鬱金、宇金、郁金、玉金)は、香辛料、着色料、生薬として用いられるショウガ科ウコン属の多年草で、秋ウコン、キゾメグサ(黄染草)とも言われます。
カレーの色を出しているのは、秋ウコンの粉末を使っているからです。ターメリックとも言いますが、ウコンと秋ウコンでは匂いも色(少々)も違います。
「鬱金」の原義は「鮮やかな黄色」。呉音「ウッコン」が転訛しウコンとなったとも言われています。
ただし日本のカレー粉に使われるのは、苦みが無くオレンジ色のいわゆる秋ウコン(ターメリック)のほうです。
ゆえによく言われる「この苦く酷く黄色いウコンはカレーに使われてるんですよ?しってましたかぁぁ?あぁん?」という説明は、大きな誤りです。
テストに出ます。
知っていて損は無いでしょう。
是非皆様、自信満々に言ってくる輩にハヂを掻かせてやりましょう!
追記、作者はインドやバングラデシュにまでカレーを食べに行くほど、カレーに五月蝿いです。ごめんなさい・・・』




