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魔法少女っ!救護隊⭐︎  作者: しゃけ
お菓子の渋谷編
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2/2

お菓子な渋谷

努力は嫌い。大嫌い。だってどれだけ努力したってスタート地点にも立たせてもらえない。もう誰も期待などしていない。魔法少女の恥だと言われ、十歳になっても仕事は来なかった。別に、仕事がしたいとかじゃない。呪いは怖いし、戦いたくなんてない。だけど、私だってみんなと同じように扱って欲しかった。

勉強も運動も、魔法もできない。

誰か私を必要だっていってください。頼りにしてるって、すごいね、頑張ったねって言ってください。

1人くらい私のことを愛してくれたっていいじゃん。

渋谷についた。渋谷といっても、たくさんの人が通る道ではなく、人通りの少ない、路地裏のような場所である。

そこで、3人の魔法少女たちが呪いと戦っている。そこから少し離れた場所に1人、壁に寄りかかっていた。意識が朦朧としており、血だらけだ。魔法はもう使えそうにない。そこへ、凪たちは駆けつける。


「大丈夫っ?今助けるからねっ!」


凪が手をぎゅっと握り、励ましの言葉を投げかける。

魔法少女は安心したように、眠りにつく。すかさず紫砂が魔法をかけ、傷を癒す。


「ひどい傷ですね、私だけじゃ少し厳しいかも」


「私も手伝うの」


墨夜も一緒に魔法をかける。紫砂はほとんどの傷は癒せるので、この魔法少女は相当な傷を負っていることになる。

その間、退治班が呪いを相手している。呪いに自我はなく、力の塊のようなものなので、隠れる必要はない。しかし、たまに気配を感じ取って、隠れている人も襲うことがある。見た目ではわからないので、戦って確かめるしかない。なので、よくあまり強くない魔法少女に強い呪いが当たってしまうと、ひどいことになってしまうことがある。


奈未季は、一般人が入らないように、魔法で誘導する。一般人には、魔法の存在はわからないので、気づかれることはない。白夏は紫砂と墨夜のサポートをする。魔法少女は魔力で魔法を使っているので、魔力が切れてしまったら、魔法を使うことはできない。それを防ぐために、白夏が自分の魔力を分け与えるのだ。魔力は、時間経過で回復する。


傷を負っていた魔法少女が目を覚ます。傷だらけだった体が嘘だったかのように、綺麗になっているのを見て、驚いたような、困惑しているような顔をしている。


「目覚ましたっ」


嬉しそうな顔で凪が大きな声でみんなに呼びかける。退治班も安心している。しかし、魔法少女はもう戦えそうにない。こんな強い呪いは滅多に出ないし、魔法少女と言っても、心は一般人と何も変わらないので、相当なトラウマになってしまっただろう。すべてを理解した時、声を上げて泣き出してしまった。そんな魔法少女を凪は抱きしめる。


「怖かったよね、もう大丈夫だよ。あとは任せて」


退治班はまだ苦戦している。魔力ももつかどうかわからない。だが、まるで負けるという概念がないかのような戦いかただ。自信に満ち溢れている。


「私たちはチームキャンディ!今まで負けたことなんてないのよ!キャンディみたいに甘くしてあげないんだから!」


そう、呪いに言う。呪いに自我はないため聞こえることはないが、そんなのは関係ない。チームキャンディ。あまり有名ではないチームだが、弱くはない。4人でここまでできるのはとてもすごいことだ。お菓子のようなカラフルな魔法を使っている。魔法は心に大きく関係するので、ポジティブであればあるほど、魔法も明るいものとなる。渋谷がハロウィンとは正反対のお菓子に染まっているような気がした。


「がんばれっ!」


凪が退治班を応援し始める。凪は心のメンタルケアが得意で、保険室の先生のような存在だ。そこにいるだけで、暗い気持ちから引っ張り上げてくれる。魔法はあまり得意ではないが、凪の存在は必要不可欠。みんなの人気者だ。


そんな凪の言葉を聞いて、魔法少女たちはそれに応えるように力が強くなる。魔法の見た目や種類だけでなく、力の強さにも心は関係してくるのだ。


もう救護班の出番はないが、また怪我人が出てしまったらダメなので、ここに留まる。今回もなんとか乗り切れそうだ。みんなが安堵し始めたその瞬間、呪いが暴れ始めた。今までとは比にならないくらいの力がある。それでも負けない、勝たなきゃいけないという責任感を背負い、魔法少女たちは戦う。しかし、心だけではどうにもならないのだ。墨夜がダメだと察したのか、その場から飛び出して、加勢に加わる。墨夜は退治、救護のどちらの魔法も扱うことができる。なので、墨夜もごくたまに戦うことがあるのだ。


「加勢ありがと。救護班!退治班の加勢を何チームかお願い!」


墨夜が加わったとはいえ、4人で戦うのは厳しそうだ。紫砂が応援要請を送る。どれだけ遠くても、瞬間移動できるので、全国に送る。今日は学校がないので、たくさん来てくれるはずだ。


「来たよ!あいつを倒せばいいんだね?」


別の退治班がきた。呪いの方へ行き、魔法を出す。呪いはびくともしていないようだ。それどころか、少し、にやけている気がする。呪いに自我はないので、そんなはずはないのだが、そう見えてしまったのだ。思っていたよりも強かったのか、みんな焦っている。


「ごめんなさいッ!!私が、私が頑張らないといけないのに」


傷を負ってしまっていた魔法少女がみんなに向かってそう言う。もうすでに、絶望しきっている顔だ。自分のせいで手こずっているのだと思ってしまっているのだろう。しかし、そんなことはない。もちろん、1人いないだけで結構戦力は落ちるが、それとは関係なく、ただ単にこの呪いが強いだけなのだ。みんな、そんなことはわかっている。この魔法少女のせいではないと。涙も引っ込み、震えた体で立とうとしている。みんな止めるが、そんなことは耳にも入っていないようだ。無視しているのか、聞こうと言う意思がないのか......。今すぐにも魔法を出そうと杖を構えて見ることができるか、できないくらいの小さな魔法を出す。しかし、悲しみに魔法が答えてしまったのか、杖は出そうと頑張って威力を制限しなかったのか、見えない魔法はとてつもないスピードで飛んでいった。いや、見えないんじゃなく、人、魔法少女には見ることすらできなかったのか光のようなスピードだった。


魔法の侵攻方向の先にいたのは、仲間の魔法少女だった。




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