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朝露鬼譚-桜梅桃李-  作者: 猫祝 しわす
第4章 星流れの山での異変
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星流れの場は修行の場?

星流れの山は修行の場?



月達より先に、星流れの山に足を踏み入れたものたちがいた。


 星流れの山は、一般の人々にも開かれている山である。

時にはキャンプをする家族連れ姿もあり、ハイキングとして入山している人々の姿もある。

 本格的な山登りをする登山客も見受けられるこの場所に危険があるとは誰も予想することは出来なかった。


 武装を没収された鬼狩りの見習い2人組が登山口へ連れてこられていた。

「身に覚えは、あるな?」

 屈強な男ふたりが力なく「はい」と答えた凹んでいる2人を見下ろしていた。

「……蛇の鬼に、負けたことですか?」

「そんな相手ではなかっただろう。 広樹(ひろき)(はじめ)、お前たちでも倒せる鬼だったはずだ。(れん)様の期待をなんだと思っている?」

 腕を組んで叱りつける先輩に当たる鬼狩りの質問に答えた鬼狩り見習いのひとりは頬を掻く。


 広樹と始が貰った書類はたしかに倒せるはずの下の下にランク付けされた鬼の資料だった。

 それはふたりで倒せると確信して資料を読み込んでいたから間違いではなかった。

 しかし、狩りに向かって現場に着いた時存在していたのは指令された鬼の姿はなく、黒い蛇女に変化していたことは目の前にいる2人には報告しに黒い粘液まみれで帰った時には“負けた事”と“標的の消滅”を伝わっていたのだった。


「まぁ、我らが蓮様は寛大みたいだ。醜態を晒したお前たち2人にはこの山で修行し直してこいとの事だ」

 2人の先輩の鬼狩りは広樹と始対して手を出してきた。

「えっ……?」

「えっ? じゃなくて、武器を没収する。丸腰で生き残って来いって事だな」

 広樹と初は“マジでか?”という表情で武器を2人に差し出していた。

「無事に帰ってくる事を祈るぞ」

 初の武器を持った先輩は2人を見て激励の言葉を伝え、広樹のほうは無言でうなづいていた。

「修行し直してこいとか……萎える」

 始はため息を付いて呟いていた。

「蛇女で失敗しちゃったからねぇ」

 苦々しい表情で呟いていた広樹。

「もうこうなったら生き延びて帰ろうぜ、広樹」

「そうだね」

 武装を解かれた鬼狩りのふたりは途方に来れつつも、やる気を奮い立たせて山の中へと足を踏み入れるのであった。

 

「……大丈夫だといいが……」

 タバコを取り出している男は若い鬼狩り見習い2人の姿が消えた方を見て呟いていた。

「ここに連れてこられた時点で死刑宣告みたいなもんだ。……生きて帰ってきたのは翁と(れい)くらいなもんだろ」

 もうひとりの鬼狩りは今や生きる伝説と言ってもいいほどの翁とまだ年端も行かない年齢の時に生き残り戻ってきた玲の事を頭に思い浮かべて呟く。

 玲の生き残った年齢が年齢だった為、今の現状で周囲から玲は化け物を見る目で見られている。

 唯一交流しているのは翁だけだとも知っているのだ。

「それに、翁の時と玲の時の二人でここに住んでいた鬼はほぼ消滅を確認したと聞いたから、以外にあいつら五体満足で出てくるやもしれない。だとしたら死刑宣告の修行から生き延びたとなるから、後ろ指は刺されることはあるまいよ」

 案じていた鬼狩りは「そうだといいが」と呟いて立ち去っていく。

 

 木々の間から隠れてその様子を眺めていたものが空を眺めて「まだ日のある時間は続くわね」と空を見上げて呟いていた。

「あの子たちは、まぁ、多少は自分で身を守ってもらいましょ。最初にすべきは……」

 一般人が集まる方へと足を向けて歩き出した人影である。


 遅れて星流れの山に到着した月と夜、ついでの(さい)はお留守番を最後まで主張していたが、お留守番ができない不満の夜の抵抗にあい、月と夜から星流れの山まで引っ張りだされたのだった。

「もし、ここでオレの寿命が途切れたら恨みますぜ。月の旦那に夜の姐さん」

 恨めしそうに月と夜を睨む灑に怯むことなくふたりは涼しい顔をしている。

「何を言ってる、今回の場所は灑に一番力を発揮出来る最適な場所はずだが?」

 月は黄金色の目で灑を見て言う。

「……そおいう事なら、つきあってみようかな」

 灑は気だるそうな気配をさせたまま動き出している。

「ところで姐さん、知り合いの居場所は覚えてるんですかい?」

 灑は夜を見て問う。

「舐めないでください。 たとえ1000年離れてても覚えてますよ!」

 夜は空の様子を見つつ「あっちです!」と指さして歩き出した。

「というかこいつ勘だけは、いいからな」

 月は野生の勘で動いた夜を見て呟いて夜の後に付いて行っていた。

 

 

 

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