第四話:特殊スキル発現、でも使いどころがダサい件について。
改造されてペイられた俺は、地球に帰還。
なぜか超イケメン&超性能ボディで無双状態突入中。
世界はイージーモード。俺だけ、裏技モード。
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### ■今日はスーパーに来ています。
「……このチキン南蛮弁当が、最後のひとつ……だと?」
昼飯にありつくため、俺はいつもの駅前スーパーへ。
だがその先にいたのは、別の男。
俺と同時に、最後の南蛮弁当に手を伸ばした。
──ここで、体が勝手に動いた。
**ピシュン!**
手が見えない速度で伸び、
俺の指が、チキン南蛮のパックをサッとつまみ取っていた。
「!?」
「えっ、はや……」
周囲の視線が集まる。
男は一瞬キレかけたが、俺の顔を見て言った。
「イケメンが食うなら……まぁ……いいか……」
**顔面スキル:沈静化発動中。**
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### ■スキル【レプティル・ブースト】発動。
その夜。自宅でチキン南蛮を食べ終わった後、
自分の能力を分析してみようと、部屋でスクワットをしてみた。
「いち、に、さ──**ズバァァン!!!**」
床が抜けた。
自分の体重と脚力が地球仕様を超えていたようだ。
でもその瞬間、目の前に“何か”が浮かんだ。
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## [レプティル・ブースト]
> 超反応・超再生・超跳躍・耐衝撃・視覚強化・発声拡張・筋肉操作
> ※副作用:たまに舌がチロっと出る
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「いや最後の副作用、**トカゲ顔への冒涜じゃね?**」
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翌日。駅前で暴走車が突っ込んできた。
「危ない!!」と叫ぶ女子高生。
咄嗟に俺は走り出した。
「変身ッ……!」
そんなセリフが口をついて出た。いや違う。**変身はしてない。強化済みだから。**
でも流れで叫んでしまった。
「俺が……俺である限りぃぃ!!(CV:緑川風)」
**ザシュッ!** 車の前に飛び出し、ボンネットに拳を叩きつけた。
ボンネット、めり込んだ。俺、無傷。
運転手、失神。女子高生、スマホで動画撮影。
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### ■SNSに投稿された動画タイトル:
**「銀髪イケメン、暴走車を拳で止める!ヒーロー爆誕?」**
タグ:#変身しないヒーロー #CV緑川じゃない #イケメンすぎて炎上しない
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このスキル、反応速度が異常。
階段を一段抜かして登っていたら、うっかり壁を走っていた。
同居人(妹)が呟いた。
「……兄ちゃん、**夜神月**みたいになってるよ……」
それ聞いた俺はつい口走った。
「人類は僕が統べる……。この顔とこの性能でッ!!」
「そういうとこだよキモいの」
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### ■新たなスキル【ハイパー黙視】
また新たなスキルが発現した。
相手を無言で3秒以上見つめると、**精神的プレッシャーが発動する**スキル。
──名付けて【ハイパー黙視】。
しかも、俺のこの整形イケメンフェイスのせいで、
発動すると\*\*「あ、口説かれてる?」\*\*と誤解される。
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### ■使用例:
コンビニで会計中、レジの人がもたつく。
俺、黙って見つめる。
ピロンッ!
【ハイパー黙視】が発動!
「す、すみませんっレジ袋いりますか!? ついでにLINE交換も……」
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### ■まとめ:このスキル、地球ではだいたい犯罪スレスレ
今のところ発現してるスキルは以下の通り:
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■《レプティル・ブースト》
・筋力・反応速度・跳躍力強化
・ボンネット割れる
■《顔面沈静化》
・イケメン効果で争いを収めがち
■《ハイパー黙視》
・3秒で恋に落ちるか恐怖に震える