タイショク/ウチュウ/ウラナイ
Mangxego
食べても食べても安心できない!
いずれ来る、この世の揺らぎに備えて、体を重く大きくしておかなければいけないのだ。
なにより骨を丈夫にする必要がある。
骨相にはその人の運命が現れるそうではないか。ならば骨のありかたを変えれば、わたしの運命も丈夫で揺らがぬものになるだろう。
大樹のように堂々(どうどう)と立ち、永遠の時間の終る際に吹くという大暴風にも耐えて、大いに長生きできるはず。
寿命を長く延ばしてなにをするか?
もちろん好きな食べ物を注文し、ぞんぶんに大食することに決めている。
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La nova universo
新たに宇宙が誕生し、立派に育った。
まだまだ未来において大きく成長し、それはそれは豊かに充実していくだろうと思われた。
だがそうはならなかった。やすやすと引き抜かれ、虚無へと去った。
どんなに広大な可能性を持っていようとも、生まれついた形がわたしの父の鼻毛一本にすぎなかったからである。
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La diveno
偶然目にした、アプリの占い。
それによれば、今日のわたしは、なにやら名前のついた星にいろいろとじゃまをされる運命だという。
わたしの心やからだに、自分でないものが力をくわえていたと知って、ほっとした。
――だっておかしいもの。
絶対にわたしじゃないんだ、あいつにとつぜんキスをしたのは。
Fino